東京ゲームショウ2018のビジネスソリューションコーナーにて、今年も宮城県仙台市が単独ブースを出展しています。仙台市はかねてより「日本一起業しやすい街」「IT・ゲームの街」を目指し様々な施策を行っており、そのプロジェクトを開始してからずっと東京ゲームショウにブースを出し続けているもはや”常連”とも言える存在。地方自治体がパビリオン形式ではなく単独ブースを、それもゲームの巨大見本市に出し続けているのはかなり異例ではないでしょうか。なお、今回は同市に拠点を持つゲーム会社が共同で4月に設立した新団体「仙台ゲームコート」(過去記事はこちら)との合同出展となっています。
ブース内には仙台ゲームコートの参画企業の一社である株式会社ピコラが今年リリースした新作タイトルを試遊出展しているほか…
今年2月に開催された学生向けのアプリ開発コンテスト「DA・TE・APPS!2018」の優勝作品「ぴにょロジ」(過去記事はこちら)と「きりたんという妹ができました」(過去記事はこちら)も試遊出展しています。
あと仙台市の出展ブースで特長的なのは、同市と友好都市協定を締結しているフィンランド・オウル市から毎回ゲームディベロッパーを招聘し、彼らの提供タイトルも紹介していること。今回はMeizi Gamesが開発中のスマートフォン向け最新タイトル「BUILT FOR SPEED」を試遊出展していました。
「BUILT FOR SPEED」はフル3Dのレースゲームで、パッと見はよくある普通の自動車レースゲームですが、そのタイトル通り"Built"、つまりマシンのカスタムと育成に重点を置いた内容となっています。
用意されているコースは砂漠や都市など環境や構造もバラバラで、それに応じてマシンをカスタムする必要がありますが、一番最初に使えるマシンは当然ショボく、スムーズなコーナリングどころかまともに真っ直ぐ走ることすら難しい簡素なラリー車。後輪が安定せず、所謂”ケツを振る”走りでクラッシュしては炎上を繰り返します。
あと物理設定が何気に細かく、こんな崖に前輪が引っかかって取れなくなる…なんてことも発生します。マシンは不具合が発生するたびに黒煙をモクモクと吹き、どこかにぶつかったり高所から落ちたりすると即炎上爆発。そんなことを何度も繰り返してやっとコースを回ると…
ご褒美としてコインがもらえます。
そしてそのコインを貯めては良いパーツを買い足し、マシンをチューンナップしてまともに走れるようにしていきます。
加えて、まるでキャラクターを育成するかのように各マシンに「スキルポイント」を割り振って育成する要素もあり。レベルが上がると複数のマシンを持てるようになるので、コースのタイプに応じてスキルの異なるマシンに乗り換えることもできるようになります。
フィンランドには森の中で頻繁に草レースを行う独特の車文化があり、「Flying Finn」と呼ばれるほど世界的に優れたF1レーサーやラリーレーサーを多数輩出しているお国柄。そんな文化がゲームにも反映されるのか、「ボロボロのマシンをチューンナップして走らせる」系のゲームもたくさん開発されています。これもその一つで、ゆくゆくはマシンだけでなくコースもプレイヤー自身がカスタムして公開できる機能を実装予定とのこと。具体的なことはまだ未定だそうですが、パブリッシャーを見つけて日本向けに翻訳とローカライズを行い日本版をリリースする構想もあるとか。ということで本作が気になったパブリッシャーさんはぜひ彼らに連絡してあげて下さい。