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【TGS2015】「カルチャライズはやり過ぎてもよくない。ゲームの妨げになるから」「Game Of War」提供のMachine Zone社CEOが語る日本進出

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【TGS2015】「カルチャライズはやり過ぎてもよくない。ゲームの妨げになるから」「Game Of War」提供のMachine Zone社CEOが語る日本進出

株式会社CyberZが東京ゲームショウ2015に出展し、スマートフォン向けゲームに特化したプレイ動画共有サービスス「OPENREC」をアピールすると共にゲストを招き各種トークセッションを開催しました。その中から、9月18日(日)に行われた米Machine Zone CEOのGabriel Leydon氏とCyberZ代表の山内隆裕氏の対談の模様をお伝えします。

【TGS2015】「カルチャライズはやり過ぎてもよくない。ゲームの妨げになるから」「Game Of War」提供のMachine Zone社CEOが語る日本進出
左:CyberZ代表山内隆裕氏、右:Machine Zone CEO Gabriel Leydon氏

Machine Zoneは米カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くモバイルゲームディベロッパーで、スマートフォン向けMMORPG「ゲーム・オブ・ウォー(Game of War)」(iOS/Android)を提供する会社として知られています。日本でもテレビCM、屋外広告、Web広告と全方位に大規模な広告展開を行っているので、プレイしていなくても名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。今春には日本現地法人の「マシーン・ゾーン・ジャパン株式会社」も東京都港区に設立されました。

この「Game Of War」は、自分の国を建設して各施設を増強し、キャラクターを育成し、資源や資金を貯め、武器や装備を作り、他のプレイヤーと同盟を組み敵と戦うやり込み要素の強いMMORPGです。本作の一番のウリは世界中のプレイヤーが参戦するPvP機能と、32か国・地域の各種言語を同時翻訳するリアルタイムチャット機能で、プレイヤーはチャットで交流しながらゲームをプレイできます。サービス開始は2013年5月ですが、日本語サポートを開始したのは2014年5月から。しかし順調にプレイヤーを獲得しているようで、現在はApp Store/Google Playの各種ランキングの常連となっており、全世界規模では既に7000万ダウンロードを突破し、世界95カ国・地域のApp Storeの売上ランキングで1位を獲得しています。なお、Gabriel Leydon氏が日本のイベントに正式に登場するのは今回が初めてで、別の時間にはAmazon/Twichブースにも登壇していました(「Game Of War」はAmazon Androidアプリストアにて人気のアプリを表彰する「Amazonアプリアワード」で海外アプリ部門賞を受賞)。そこで山内氏が東京ゲームショウの印象を尋ねると、Leydon氏は「素晴らしいフェス。LAのE3には何度も行っているが、東京ゲームショウはよりライブ感があってエキサイティング」と楽しそうに語っていました。

続いて、前述のように大規模な広告展開を行っていることについては、「広告で重要視しているのは”目立たせる”こと。ゲーム内のコンテンツは常に変化しているので、我々はどんな媒体でも本作の一番のウリであるPvP機能をフィーチャーするようにしている。とは言え市場はこれからも変化し続けるだろうから、ゲームの魅力の打ち出し方は常に模索していく。」と語りました。ちなみに日本は独自マーケティングを行った唯一の国だそうで、Leydon氏は俳優の伊勢谷友介さんが出演するテレビCM「ウォー・アンセム編」が全世界で展開している広告の中で一番のお気に入りとのこと。これはダウンタウンの浜田雅功さんが小室哲哉さんと組んだユニット「H Jungle with t」のヒット曲「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」を起用した30代以上ドストライクなCMなのですが、Leydon氏は「みんなに自慢したいプロモーション事例の一つ。俳優も演出も歌も最高!外国企業のCMではない、日本の文化に合った内容になっている」と絶賛しました。

こうした独自の広告展開が功を奏してか、「Game Of War」は日本のスマホゲーマーにも着実に受け入れられていますが、当初Leydon氏は日本人プレイヤーにあまり馴染みのないリアルタイムチャットやPvPが受け入れられるかどうか心配だったそうです。ところが蓋を開けてみればそれは杞憂に終わり、「正直ここまでポジティブな反応が得られるとは予想外だった」と喜びを露わにしていました。そこで山内氏がローカライズやカルチャライズについて話を振ると、Leydon氏は「はじめは配信国ごとにローカライズやカルチャライズを行うことも考えたが、今はそれらをやり過ぎるのはよくないと考えている。なぜならその地域ならではの要素や独自の体験をしてもらうために過剰なカルチャライズをすることは、かえってゲームそのもののプレイの妨げになってしまうから。もちろん各国ごとの独自マーケティングは必要だが、ゲーム自体は世界中の人が楽しめる内容にすればいいだけ。」と持論を語りました。

このように運営に強いこだわりを持っているMachine Zone社ですが、現在同社は「Game Of War」1本しかゲームを提供していません。通常であればどんなに”稼ぎ頭”のタイトルがあっても複数のタイトルを同時に開発・運営するもの。売上も十分で本社スタッフも約600人(うち約80%はエンジニア)とリソースには不足していないのに、なぜ同社は「Game Of War」1本で勝負しているのでしょうか?それについてLeydon氏は、「例えば現在の中国には非常に多くのモバイルゲーム企業があり、多くのタイトルがひしめき合っている。そんな中で目先の心配から20タイトルを開発して結果的に1本しかヒットしなかったら?それ以外の19本は全て無駄になる。それなら今ヒットしているタイトルに集中した方がいい。我々は1つの作品に対して徹底的にこだわることを大事にしている。」と語りました。

そして最後に「今後も海外ディベロッパーの日本進出は難しいだろうし、同様に日本のディベロッパーの海外進出も難しいだろう。だが我々は日本のテクノロジーの進化に期待しているし、これからも日本市場を重要視していく。日本市場がさらに成長する中で我々も大きな存在となりたい」と展望と豊富を語り対談を締めくくりました。

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