第20回「Lively」

   2011/04/01

Googleがアメリカ時間の7月8日(火)、「Lively」という名の新たな3D仮想空間を発表した。”あのGoogleがとうとう仮想空間を!”という衝撃的なニュースは各メディアを駆け巡り、普段あまり仮想空間に触れていない人の興味をもかき立てたことだろう。

【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第20回「Lively」
「Lively」はブラウザベース(IEとFirefox)の仮想空間で、専用ソフトのインストールが必要ではあるがGoogleのアカウントを持っている人なら登録作業の必要もなくすぐにログインすることができる。ということは既に億に達する”ユーザー”を持っているということになり、今後の進化次第では一気にメタバース界の雄に登りつめる可能性も秘めている。
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PCに専用ソフトをインストールしたら、まずは基本となる自分の部屋を作ってみよう。Livelyはセカンドライフのように「世界」が広がっていてそこをユーザーが移動するのではなく、ユーザー個々の「空間」がいくつも生まれ、そこをユーザー同士が訪問し合ってコミュニケーションを深めるというサービスになっている。国内のサービスに例えるなら「ViZiMO」や「ntomo」のような感じだ。
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こちらが基本の部屋。ここに様々なオブジェクトを配置して自分の部屋を作っていく。残念ながら現在はGoogleが用意したカタログの中からしかオブジェクト(全て無料)を持ってくることができない。しかしGoogleには「Google SketchUp」という3D作成ツールがあるので、それと連動してくれることを期待しよう。
ちなみにこのLively、最初からWebとの連動機能が実装されており、画面下に表示されているタグをそのまま自分のサイトやブログに貼れば3D空間をそのままWeb上に表示させることができる。尚、「これでは画面が小さくて見づらい!」と思ったら赤丸部分をクリックしてみよう。すると…
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別ウィンドウが開き、画面サイズを自由に変えることができる。オブジェクトの中には非常に小さいものもあるので、できれば大きな画面で見た方が良いだろう。
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次に自分のアバターを作ってみる。アバターは(比較的)リアルな人間の男女、デフォルメされたアニメっぽい人間の男女、小さな動物と様々なタイプが用意されている。しかし一度決めたらずっと同じデザインのアバターでプレイしなければいけないわけではなく、その時の気分次第でどのアバターも試すことが可能。ただカスタムといっても髪型や体の各部位の色を変えるぐらいでそれほど自由度はない。
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ちなみに筆者は白い猫のアバターを選んだ。動物でも一応服が着られるようになっている。それにしても目つきが悪い…
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洋服はあらかじめ何種類が用意されているが、自分の持ち物にない服を着たい場合は、Livelyのサイトにあるカタログから選んでみよう。
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カタログの中にはアバターのカスタマイズではできないような肌の色(スキン)や髪の毛、服、アクセサリー、着ぐるみが収録されている。全てGoogleが用意したものとはいえ結構デザインは良い。今のところ全て無料なので気に入ったものがあったらどんどんもらってしまおう。
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筆者もカタログから持ってきた服を着てみたのだが、もはや猫ではなく狐になってしまった。デフォルトの状態に比べて耳や尻尾の形状が変わっているのが分かるだろうか?
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基本的にアバター操作に使うのはマウスのみ。アバターを動かしたいときは、アバターの上にカーソルを合わせてドラッグするだけという実に簡単なもの。これなら幼稚園児からお年寄りまで誰でも操作できそうだ。
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次に部屋の飾りつけをする。こちらもマウス操作だけで配置ができるようになっており、あらかじめ持ち物の中に基本的な家具が揃っている。しかしシンプルで一般的なデザインのものしかないので、自分の趣味に合った家具が欲しい場合は服選びと同様カタログで探して持ってこよう。この作業は「SceneCaster」とも通じるところがあり、凝りだすと本当に時間が経つのを忘れてしまう。SceneCasterでは「Google 3Dオブジェクト」のアイテムを使用することができたが、このLivelyでもそれができるようになれば、まさに無限の組み合わせが楽しめるようになるだろう。
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こうして一応一通りの家具を配置してみたがどうも殺風景過ぎる。ということで他のユーザーの部屋を見に行きインテリアの参考にさせてもらおう。
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試しにLivelyのサイトで「Japan」と検索してみたところ、各種媒体で報道された影響もあるのか既に日本人ユーザーが製作したと思しき部屋がたくさんヒットした。ここから気になったところにアクセスしてみよう。
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こちらのお部屋は床にYouTube動画を貼り付けてダイナミックな演出をしていた。偶然かもしれないがこの時集まっていたのは全て2等身の動物アバターで、なんだかセカンドライフでタイニーアバター同士で集まって会話する感覚に似ている。
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尚、チャットエンジンにはGoogleのコミュニケーションツール「Google Talk」が使われているのだが、現時点では日本語をそのまま打ち込んで喋らせようとすると文字化けする現象が発生する。なのでここは少々面倒だが、メモ帳などに一度日本語の会話を打ち込みしてそれをコピーして「Ctrl+V」で貼り付けるという作業でチャットしてみよう。そうすれば問題なく日本語が表示されるようになる。
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こちらは雪原の空間を使った部屋。氷の上に置かれた額縁の中に入っているのは外部サイトから貼り付けられた画像。こうして元々Web上にUPされているデータを簡単に3D空間に持ってこれるというのは便利だし面白い。ギャラリー系のサイトを運営している人ならこの機能を利用して3Dギャラリーを作ったら面白いのではないだろうか?ここら辺は「インターネットアドベンチャー〔iA〕」とも通じるところがある。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第20回「Lively」
ここでしばらく日本人ユーザー同士で会話をしていたら、突然ロシア人ユーザーが訪れた。さすが世界中にユーザーがいるGoogleなだけあってセカンドライフ並にボーダレスだ。そこで…
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急遽Google翻訳のページを開き、チャットの文面をコピー&ペーストして訳しながら会話。少々時間がかかってしまったが何とかコミュニケーションできた(?)。このGoogle翻訳、チャット時に自動的に立ち上がるようなシステムも実装してくれないだろうか。そうすれば海外の人とのコミュニケーションもかなり気楽にできるようになると思うのだが。
以上、ざっとではあるがLivelyをプレイしてみて思ったのは、セカンドライフとは別モノのサービスではないかということだ。セカンドライフとLivelyを比較して大きく異なる点は、「ユーザー自身がもの作りできるかどうか」だろう。確かにアバターの容姿からアイテム、土地に至るまで全てを自由自在にカスタムできるのがセカンドライフの魅力の一つではあるが、全ての人間がもの作りをしたいわけではないだろう。むしろ、もっと簡単に手軽に仮想空間を体験してみたいという人の方が世の中には多いのではないだろうか?
その点、このLivelyはIEとFirefoxで動き、自分の部屋をそのままサイトやブログに貼り付けることができる。その部屋作りも用意されているアイテムを選択して組み合わせるだけなので誰でもできる。一からものを作ることまではしたくないが、選択する程度ならやってみたいと思う人もいるだろう。また、YouTubeの動画や画像を簡単に利用できることも魅力だ。言うなればLivelyは「Webを違った角度から楽しむ」サービスであり、基本的にはセカンドライフとは違うタイプのサービスなのではないだろうか。
しかし、Googleは既に多くのツールやコンテンツを提供している。現在はまだ立ち上げたばかりで簡単な機能しかないが、今後Googleの他の機能と組み合わさればその進化は限りない。例えば、前述したとおりGoogle SketchUpが使えるようになればユーザー自身がオブジェクトを制作できるようになるし、Googleグループと連動すればコミュニティを立ち上げることもできる。また今は各ユーザーの部屋という「空間」しかないが、それがGoogle Earthと連動して「世界」を持ち、自分のアバターでGoogle Earth上を歩けるようになったら……と想像すると、これはもう既存の仮想世界の魅力を全て兼ね備えた最強のサービスになる可能性もある。
はたしてGoogleは壮大な仮想空間計画を立てているのか?それとも「ちょっと変わったものをリリースしてみた」だけなのか?いずれにせよこのLivelyの動向からしばらくは目が放せない。
尚、セカンドライフSNS「NaviSL」にこのLivelyのコミュニティを立ち上げたので、よかったら参加してみてほしい。
【NaviSL公認】Livelyコミュニティ
http://sns.navisl.jp/?m=pc&a=page_c_home&target_c_commu_id=1109
Lively
http://www.lively.com/
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