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【Slush Tokyo 2019レポート】パンツからICTブイまで何でも揃っていた仙台市ブース

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既に何度もレポート記事等で書いていますが、宮城県仙台市は「日本一起業しやすい街」を目指して様々な起業家支援施策を行っている都市で、かつフィンランド・オウル市と友好都市協定を締結しており、「起業」「フィンランド」というキーワードと密接な関係にあります。そのためか、Slush Tokyoとも初期の頃から(立ち上げ当初の名称はSlush Asia)パートナーで、すっかりブース出展の常連です。今回も仙台市内および宮城県内に拠点を置く多種多様なスタートアップと共同ブースを出展しました。

■株式会社JDSound
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んふんふ!(DJ Nameko!)

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こちらは昨年も出展した株式会社JDSoundのコーナー。昨年出展したUSBバスパワー形式の完全自律型コンパクトスピーカー「OVO」は、その後さらにクラウドファンディングで1億円にも届くかというほどの資金調達に成功し遂に出荷を開始。カラーバリエーションも増え、着実にユーザーを増やしています。
今回は「OVO」の他にも、これとほぼ同じサイズのこれまたコンパクトなポータブルDJシステム「Monster GODJ」を出展。これは世界初の完全自律型ポータブルDJシステムだそうで、完全電源オフからわずか2秒で高速起動し、いつでもどこでも使いたい時にすぐに使えるのが特長です。超低消費電力設計により、連続再生可能時間はなんと12時間以上。これと「OVO」があれば、野外のキャンプやパーティ、ちょっとしたイベントでも気軽にDJプレイが楽しめるというわけです。ちなみに偶然にも上の写真にもある「レアなめこぬいぐるみ」にピッタリなスケール感でした。

■株式会社クラウドセンス
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こちらは株式会社クラウドセンスのコーナー。同社は東北大学発のスタートアップで、AIとクラウドを活用した在宅胎児心電モニターシステムを開発しています。同社によれば、現在病院で使用されている胎児用の心電モニターはあまり精度が良くなく、医師個人の職人的な経験と勘に頼っているため診断にバラつきがあり、帝王切開の約60%は実はしなくてもよかった症例であることが多いとのこと。それでも通える距離に産婦人科がある地域はまだマシな方で、地方では過疎化により医師や病院自体がどんどん減り、それに伴い妊婦が安心して出産できる環境がなくなりつつあります。

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そこで同社では、妊婦が家にいながら胎児の健康状態や陣痛予兆を把握できるクラウド型胎児心電計測定システムを開発。ブースで展示されていたのはプロトタイプでしたが、このようなセンサーを直接腹部に貼ることで母体心電と胎児心電を計測し、そのデータを解析エンジンで分析。さらにデータを同システムと連動するスマホアプリでも閲覧できるようにし、そのアプリから妊婦が直接担当医に相談できる仕組みも開発しています。同社ではこれを実用化することで、妊婦自身が直接自分と胎児の健康状態を把握できるようにするとともに、早産を50%減、帝王切開を30%減、脳性麻痺を50%減にすることを目指しています。

■株式会社コー・ワークス
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こちらは株式会社コー・ワークスが提供するモジュールブロックの「Tibbo-Pi(ティーボパイ)」。まるでブロック玩具のようにカラフルでコンパクトなモジュールを組み合わせることで、簡単にセンシング基盤の試作をしたり、IoTモノづくりを学ぶことができます。そのPOPな見た目と簡単な使用法、使いながら機能の変更や拡張が可能な便利さから、既に仙台高等専門学校のイベント「仙台高専ジュニアドクター育成塾」の体験教材として使用されるなどの事例もあります。

【Slush Tokyo 2019レポート】パンツからICTブイまで何でも揃っていた仙台市ブース
モジュールブロックは、グレイが「ダイレクトI/Oブロック」、青が「I/Oブロック」、緑が「Inputブロック」、紫が「Outputブロック」、黄色が「電源ブロック」、オレンジが「コネクタ・センサー」と機能ごとに色分けされており、種類は全59種。一個あたり250円と子供でも買いやすい値段に設定されており、まさにブロックを組み合わせて遊ぶ感覚でIoTモノづくりをすることができます。

【Slush Tokyo 2019レポート】パンツからICTブイまで何でも揃っていた仙台市ブース
ブース内には、「Tibbo-Pi」で製作されたAI表情認識マシンが展示されていました。これは、上部に取り付けられたカメラが前に立つ人の顔を認識し、そこから性別や年齢、眼鏡の有無、表情の種類およびそれぞれのパーセンテージを判別するというもので、実際に試してみたらかなり正確に判別できていました。敢えてレトロテイストに作られた”ガワ”も良い雰囲気!

■アンデックス株式会社
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アンデックス株式会社はソフトウェア開発やコンテンツ開発、アプリ開発などを手掛ける企業ですが、2014年から「水産業へのIT利活用」に取りも組んでおり、磁場の漁師、NTTドコモ、セナーアンドバーンズとの4者間で「ICTブイ」を使用した海洋情報の自動計測と、連動するスマートフォンアプリを使ってのリアルタイム情報閲覧システムを実用化しています。同システムは2016年3月より実証実験を開始し、翌2017年10月にサービス化してリリース。既に現場での導入次実績もあり、海苔の養殖現場で使用されているそうです。

【Slush Tokyo 2019レポート】パンツからICTブイまで何でも揃っていた仙台市ブース
具体的なシステム構成は、ICTブイで水温や塩分濃度を測定し、そのデータをドコモの通信ネットワークを使用してクラウドサーバーへ送信し、現場の漁師がスマートフォンアプリ「ウミミル」から各情報を閲覧するというもの。データはアプリ内の「日誌」に記録され、日々の業務のログを線グラフや表にして一覧することも可能。これにより、漁師は経験や勘ではなくデータの分析によってリスクを軽減し、品質の向上や計画的な生産、コスト削減を狙えるようになるほか、アプリ内の日誌・掲示板機能を使用して日々の業務を他の漁師と共有することもできるようになります。これは、ノウハウを他者と共有できるだけでなく、次世代へ”伝承”することもできるということ。細かなことですが、こうした「情報のデータ化・デジタル化」は、どんな職業・職種であれ次世代の人材育成には不可欠になっていくでしょう。

■ザミラ株式会社
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ザミラ株式会社は、仙台市ではなく宮城県最南端の町・丸森町に拠点を置き、「赤パンツ」の製造・販売”のみ”で世界展開まで見据えているスタートアップです。ちなみに丸森町は東北の消滅可能性都市の一つで、同社は丸森町の地域振興施策「まるまるまるもり」プロジェクトに参加する地域おこし協力隊の高野真一さんにより2018年5月に設立されたばかりの企業。設立されてからまだ1年も経っていませんが、仙台市の老舗デパート「藤崎」のバレンタイン商戦で期間限定販売を行った際、同店のパンツの販売記録を塗り替えるほどの売上を叩き出し、じわじわと知名度とファンを獲得しています。
なぜ同社が「赤パンツ」にこだわるのか?それは同社が「下着は人の意識を変える」という仮説から始まっているからとのこと。従来のイメージだと、赤い衣料品は高齢者のお祝いの品というイメージが強いですが、同社では年齢に関係なく着用できるよう「赤パンツ」のイメージをスタイリッシュに一新。またイタリア製の立体編み機を使用してウエストを締め付けるウエストゴムをなくしたり、着用者が常に「前向き」になって欲しいという意味を込め、どちら側からも履ける前後のない構造にしたりと、様々なこだわりを詰め込んでいます。

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んふんふ(加えて、どんな体型の人でも履けるよう、柔らかくストレッチのある超伸縮素材を使用してS~3XL(ウエスト約71cm~約121cm)までの人が着用できるフリーサイズ仕様になっています。確かによく伸びる!)

【Slush Tokyo 2019レポート】パンツからICTブイまで何でも揃っていた仙台市ブース
パッケージにもこだわっており、ただビニール袋に入れるのではなく、こんなちょっとレトロな紐で閉じるタイプの蝋引き封筒を使用しています。これはシワが入れば入るほど独特の渋い風合いになるので運搬の際のダメージを気にしなくてもよく、そのままプレゼントにも使用できる優れもの。
これをただの「赤い色のボクサーパンツ」と見ると、一体何が珍しいのか?と不思議に思うかもしれません。しかしそれが販売されるまでに至った背景や、製造の過程に込められたこだわりを知ると、ただのパンツを越えた魅力を持つ商品に見えてきます。商品を売るということは、ただ”ブツ”だけを売るのではなく、売り手のこだわりとストーリーを売ることでもあるんですね。この「赤パンツ」は公式サイト内(https://www.zamila.jp/products/red1)でWeb通販もしており、価格は1枚3600円(税込)。気になった方は是非チェックしてみて下さい。

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