【Engage! Expoレポート】「ぶっちゃけ子供向け仮想空間ってどうよ?」—実際に小学生に聞いてみた

   2012/05/07

【Engage! Expoレポート】「ぶっちゃけ子供向け仮想空間ってどうよ?」---実際に小学生に聞いてみた

【Engage! Expoレポート】「ぶっちゃけ子供向け仮想空間ってどうよ?」---実際に小学生に聞いてみた

Engage! Expoの最後を飾ったセッション「What Motivates Kids: A Panel of Kids Tell All」は、これまでのビジネスカンファレンスに前例を見ない「本物の子供の声を聞こう」という”小学生パネルディスカッション”だった。尚、このセッションはEngage! Expoの全セッションを通して最も出席者が多く(もしかしたら朝の基調講演より多かったかも?)、子供たちの発言を大人たちが熱心にメモを取ったり、閉会後も子供たちに対する質問が止まらず場外で意見交換が続けられたりと異様な盛り上がりを見せた。

【Engage! Expoレポート】「ぶっちゃけ子供向け仮想空間ってどうよ?」---実際に小学生に聞いてみた

登壇したのは、それぞれバラバラに選ばれた面識のない8~12歳の小学生6人。まさに現代のデジタルネイティブたちだ。

【Engage! Expoレポート】「ぶっちゃけ子供向け仮想空間ってどうよ?」---実際に小学生に聞いてみた

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セッションの内容は、子供に人気のサービスである(とされている)「Webkinz World」「Club Penguin」「BUILD A BEARVILLE」「Ridemakerz」「KidsCom.com」「stardoll」をとり上げ、”正直なところどうなのか?”子供たちにレビューしてもらうというもの。しかしそこは子供特有の純真さ故か、普通大人だったら「さすがにこれをここで言ったらヤバいだろ」と躊躇するような言葉も彼らには一切関係なし。歯に衣着せぬ辛辣な意見が飛び出した。

まず「Club Penguin」については、「自由にチャットができないのは本当にフラストレーションが溜まる!」とバッサリ。Club Penguinは登録時の年齢で「Ultimate Safe Chat」と「Standard Safe Chat」の2つのフィルタリングレベルを選べるようになっており、Ultimate Safe Chatでは「Hello」「How are you?」などあらかじめ用意された言葉を選択して組み合わせる方法でしか発言できない。また、他ユーザーとのコミュニケーションでも、同じUltimate Safe Chatを選択しているメンバーの発言しか閲覧することができない。これが当事者の子供にとっては非常にストレスなのだという。
また、「有料メンバーにならないと自分の家を持つことができないのは、現実でお金が無いとホームレスになるのと同じで残酷」という発言も飛び出した。これには聴講していた大人も苦笑するしかなかったようで、場内に微妙な笑いが溢れた。
またぬいぐるみの玩具と連動した「Webkinz World」については、「現実で新しいWebkinzのぬいぐるみを買わないとWebkinz Worldで新しいペットが飼えないのは、それだけぬいぐるみをたくさん売ろうとしているからでしょ!ビジネスのにおいがする!」と、なんとビジネスモデルを見抜いた発言が飛び出した。しかし司会者の「みんなWebkinzを何個持っているの?」という質問に対して全員が「4個以上持っている」と回答。サービスを見抜きつつも、それでもやはり「欲しいものは欲しい」という本音が垣間見えた。
因みに、全く文句が出なかったのは「Ridemakerz」と「stardoll」。「Ridemakerz」もWebkinz Worldと同様に現実の玩具と連動した仮想空間だが、「Ridemakerzの車はパーツがいろいろあって好きに組み合わせられるし、音(エグゾーストノイズ)やライトも選んで付けられるのが面白い。それを仮想空間でも同じようにできるところが良い」とのこと。またstardollは「自分の好きな有名人に自分の好きな服を着せられるのが楽しい。さらに有料メンバーになると服そのものも作れるようになるところが好き」なのだという。

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ここで興味深かったのは、一番最初にRidemakerzについて発言したのが6人中2人いた女の子たちだったことだ。その後にstardollの魅力を語ったのもこの2人で、一方男の子はstardollについては一切発言はなし。先に行われたセッション「Where The Boys Are?」とも多少通じるが、やはり仮想空間においては女の子が一歩先を行っているのだろうかと考えさせられた。
尚、「みんな仮想空間をいくつプレイしているの?」という質問については6人全員が「5つ以上」と、「ユーザー登録はどうしているの?」という質問については「ママにやってもらう」「ママに了解をもらってから自分で」が半々という回答だった。さらに6人中4人が「自分専用のメールアドレスを持っている」という。
彼らにしてみれば、仮想空間は放課後に友達と一緒に遊ぶ公園や秘密基地のようなもので、複数の仮想空間をプレイするのは”遊び場”の場所を変えるようなものなのかもしれない。また、ニューヨークのような大都市では治安が悪く、小さな子供たちだけでは遊ばせたくても遊ばせられないし、遊ばせる場所も無いという事情も関係しているようだ。

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それにしても驚いたのは彼らの物怖じししない堂々とした態度だ。大人が大勢いる場所に連れてこられステージに上げられているのにも関わらず、緊張している素振りが全く無く、むしろ指名される前に自分からどんどん手を挙げて積極的に意見を述べている姿が印象的だった。
おそらく時間的にも学校が終わってそのまま親に連れられ会場に直行したであろう彼ら、お互い初対面であるにも関わらずすぐに打ち解け、6人中4人が持参していたRidemakerzのラジコン版を4台いっぺんにVIPルームで爆走させては大はしゃぎというやんちゃ振りを発揮していた(そして静かにしろと大目玉を喰らっていた)。
筆者がソーシャルメディアに詳しくない人に対し子供向けの仮想空間の話をすると、大抵の場合「子供のくせにパソコンを使うなんて」だの「子供のうちからインターネットを使わせたら他人とコミュニケーションできない人間になってしまう」などという意見が返ってくる。しかし今回のセッションに登壇した小学生の姿を見て思ったのは「子供は大人が考えているほどバカじゃない」ということだ。
どんなにPCに向かって仮想空間をプレイしようとも、子供はどうしたって子供同士で繋がりどんな場所だろうが遊ぶ習性を持つ生き物ではないだろうか。また、子供は子供なりに考えて仮想空間を利用しているし、ちゃんと意見や要望も持っている。これからはどんなサービスであれ「子供向けのサービスってこんなもんでしょ?」「子供ってこういうのが好きでしょ?」と頭から「子供のイメージ」を決めてかからずに、子供が何を考え何を欲しているか、真摯に子供自身の本当の声を聞く姿勢が必要になってくるのではないだろうか。

Webkinz
http://www.webkinz.com/us_en/

Club Penguin
http://www.clubpenguin.com/

BUILD A BEARVILLE
http://www.buildabearville.com/

Ridemakerz
http://www.ridemakerz.com/

KidsCom.com
http://www.kidscom.com/

stardoll
http://www.stardoll.com/en/

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