いろいろな仮想空間にログインしてみた コラム

第37回「Synthe」

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前回から随分と間が開いてしまったが、今回は5月16日(土)と17日(日)のに期間限定公開された新しいソーシャルネットワークサービス「Synthe(シンセ)」をとり上げてみたいと思う。

久々に登場した国産の3D仮想空間、それも”アバターカスタマイズ”と”ゲーム制作”というUGC(user-generated content:一般ユーザーが作るコンテンツ)に重点を置いたサービスということで、2日間のテスト期間中、一体どれくらいののテスターがどんな作品をアップロードするのだろうかと期待していたが、蓋を開けてみたら想像以上のクリエイティビティが発揮されていた。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第37回「Synthe」
まずこちらがSynthe起動当初の状態。ワールドの起動と「ゲームツール」「アバターツール」の起動がそれぞれ分かれている。とりあえずワールドがどのような構成になっているのか様子を覗いてみよう。
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一番最初に降り立ったのはアバターショップの前。まずここでアバターを着せ替えるパーツを購入して簡単なカスタムを試してみる。尚、まだテスト中なのでテスターが制作したものも含めアイテムは全て無料(但し次回公開時に一旦リセットされる可能性あり)。
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販売(配布)されていたアバターパーツの一例。テスト1日目の16日(土)の段階でかなりの作品がUPされていた。アバターパーツは全身フルセットのものからウィッグの色違いバージョンや尻尾だけといったパーツごとに分割配布されているものまで様々。印象としては、5頭身アバター用のものより「ねんどろいど」アバター用のものが多いような気がした。
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尚、元になるアバターのタイプはアバター編集画面でいつでもワンタッチで変更可能。1アカウントで男女5頭身アバター及び男女「ねんどろいど」アバターの4種類全てを利用することができる。
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とりあえず筆者は他のテスターさんが作ったペンギンの着ぐるみ(ぐるぐる眼鏡付き)を着て街へ出てみることにした。すると街は……
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こんなことになっていた。どこかで見たことのある制服、どこかで見たことのあるボーカロイド、どこかの掲示板で見たことのあるAA、どこかで見たことのあるような気がする通販サイトの段ボール、棺桶など、もはや人間の形状ではないものも含め多くのアバターが闊歩していた。限定公開に先駆けてアバターデータが公式サイト上で配布されていたとはいえ、テスターの方々の創作意欲と仕事の早さに驚かされるばかりだった。
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また、アバターはキーにモーションと表情を割り当てることもできるようになっている。どのキーを押せばどんな表情でどんなアニメーションを再生するのかを自分好みに組み合わせれば、かなりオリジナリティのあるアバターが出来上がるだろう。

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尚、用意されていたフィールドがとても2日間では回りきれないくらい広かったことも印象に残った。基本的な街のデザインはヨーロッパ風なのだが、一歩街の外に出るとそこには海や山、滝、崖といった広大な自然が広がっており、教会や墓地、うち捨てられた遺跡群、灯台といった雰囲気のあるロケーションもあった。凝ったアイテムを製作した際には是非写真撮影ポイントとして使用したいところだ。
さてフィールドを回ったら今度はモノ作りを試してみよう……と言っても筆者、残念ながらゲーム製作の知識がまるでなく、またUPするほどのモデリングデータも持っていなかったので、とりあえずアバターパーツのテクスチャだけを変更する簡単なカスタムに挑戦してみた。
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とりあえず顔の表情を描いてみる。使用するグラフィックツールはPCの「アクセサリ」に入っている「ペイント」ツールほか無料で公開されているものでも十分OK(筆者はPictBearを使用)。公式サイト上で配布されているテクスチャのテンプレートを元に自分の好きな絵を書いたり柄や色を変更すればよいのだが、正直マウスのフリーハンドではかなり難しい。ちゃんとした作品を作りたければペンタブレットを使用した方が良さそうだ…。
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そしてアバターツールを立ち上げアバター(5頭身の女の子)の素体を表示させる。ここでは分かりやすいように顔のパーツだけを表示させてみた。
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そこに自分で描いた表情のテクスチャをインポートして貼り付けてみたが……かなりビミョー……。やはりペンタブレットを用意しよう……
ざっとプレイしてみての感想だが、これは「仮想空間版コミックマーケットワンダーフェスティバル」とも言えるサービスではないかと思った。
アバターはテクスチャも変更できれば既存のモデリングデータもインポートできカスタマイズの自由度が非常に高い。これは既存のフィギュアをリペイントして改造したり、彫刻してフィギュアそのものを作ったりパーツを作って追加する感覚に近い。さらにサービス内に存在するゲームもユーザーが製作することができる。ワールド内と言ってもゲームは別ウィンドウで起動する形式なので、ログインしている他のユーザーと一緒に遊べる別個のオンラインゲームと捉えた方が良いのかもしれないが、これはコミケで自作ゲームを発表している同人ゲーム作家さんなら腕の見せどころではないだろうか。
UGCを扱う場合はどうしても”版権管理”が重要になってくるが、上手くいけば現在アメリカで女性を中心に大人気の3Dアバターチャット「IMVU」の日本版とも言える仮想空間になるかもしれない。
因みに、たった2日間の期間限定公開中に1600個以上ものアバターパーツがテスターによってアップロードされたという。次回のワールド公開は夏前に行う予定とのことで、それまでアバターツールとゲームツールは引き続き使用可能なので次の公開まで作品を作りためておいては如何だろうか。
Synthe
http://www.synthe-web.jp/
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