いろいろな仮想空間にログインしてみた

第24回「OZWorld」

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meet-meダレットワールドPOKIPOKI、そして最近もレポートしたMILUなど、なぜか仮想空間では「釣り」の要素が人気らしい。そもそも大概のMMOには釣り機能が実装されており、セカンドライフでも最近釣りシステムを導入するSIMが増えている。しかし、それを既に2002年から行っていたサービスがあった。それが今回とりあげる「OZWorld」だ。

【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第24回「OZWorld」
「OZWorld」は、韓国のOZ INTERMIDIA社が開発した韓国発の3Dコミュニティサービスで、日本国内では株式会社エヌ・イー・ジーが提供している。元々は「Jside Virtual Society」という名前で2002年よりサービスを開始し、以来順調に運営を続け2005年に現在の「OZWorld」にサービス名を変更した。
主なサービス内容は、釣りをして仮想通貨「ゴールド」を稼ぎ、アバター用の服飾アイテムを買って着せ替えたり、家を買って家具を足し自分の部屋をカスタムしたり、他ユーザーとチャットなどで交流して友人や恋人を作ったり…というもの。さらに結婚システムまで実装されており、ショップでウェディングドレスとタキシードを買ってパートナーとバーチャル結婚式も行える。
日本では昨年よりセカンドライフが話題になったこともあってか、急に注目され始めた感のある3D仮想空間だが、韓国のゲーム業界では「目的のないMMO」「まったりコミュニケーション系MMO」としてかなり早い時期から提供されてきたということだろうか。
さらに特筆すべきは動作環境。なんと3Dのサービスでありながら必要スペックが「OS/windows98以上 CPU/Pentium 166Mhz メモリ/64MB HDD空き容量50M以上」であることだ。これなら低スペックPCでも楽々操作できるだろう。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第24回「OZWorld」
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ログインした当初はこのような画面が表示される。他のサービスのようにソフトを起動した直後にアバターのカスタマイズ画面が出るわけではなく、自分のアバターデザインを事前に選択する余地もない。ここから魚釣りで仮想通貨を貯めてアイテムを買い集め、徐々にカスタムしていくというわけだ。尚、現在はオリンピックシーズンということで国旗とユニフォームの上下がもらえるらしい。

基本的にアバター操作はキーボードの方向キーで、チャットやジェスチャー、アニメーション再生などは画面の上下に表示されているアイコンをクリックすれば行えるようになっており、だいたいの感覚である程度は操作することができる。
しかし少々クセがあり慣れるのに時間がかかるのが「視点移動」。他のサービスのようにアバターの動きに従って視点が動くのではなく、完全に画面に視点が固定されて、その中をアバターが動くようになっている。他のサービスで「アバターとの一体感」を味わった後ではかなり違和感があるのは否めない。尚、画面のズームや角度変更、スナップ撮影も画面上部にあるカメラのアイコンをクリックして行う。
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そしていよいよメインコンテンツの「釣り」に挑戦。釣竿もデフォルトで装備されているが、アイテムには全て使用期限がありそれが切れると消えて無くなってしまう。なので服の期限が切れると下着姿になってしまうし、釣竿の期限が切れると収入の道が絶たれてしまうので、最初のうちはとにかく釣りに精を出すしかなさそうだ。
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水辺全てが釣りスポットというわけでもなく、釣れる場所と釣れない場所、さらによくヒットする場所といろいろあるらしい。とりあえず人がたくさん集まっているところを目安に適当な場所を探そう。
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釣りは餌の種類で釣れる獲物も変わってくる。筆者がやった限りではミミズの方がよい魚が釣れた。稀に空き缶や靴といったどう見てもゴミでしかないものも釣れたが、一応換金は可能だった。
尚、OZWorldはMILUと同様に公式サイト上にかなり詳しいチュートリアルやスクリーンショットが掲載されているので、不明な点があってもサイトを見ればすぐ分かるようになっている。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第24回「OZWorld」
また、OZWorld内にはセカンドライフで言うところの「メンター」やSIMによって導入されている私設セキュリティスタッフに相当する「フェアリー」と呼ばれるボランティア・ユーザーが存在する。初心者の疑問や相談に応じたりトラブルや嫌がらせ行為に対応するのが彼らの仕事とのこと。もしどうしても分からないことや困ったことがあったら彼らに相談してみるのもよいだろう。
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魚が釣れたらウィンドウの右下にある「処分」からどんどん換金していく。しかしどの魚も1~3ゴールドと結構安い。高価な魚を釣るにはもっとランクの高い釣竿を使わなければならないらしく、とにかく数を稼がないと先に進めないようだ。
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さらに釣りを続けたり他ユーザーと活発に交流することにより徐々にレベルも上がっていく。OZWorldには「階級」のシステムもあり、社交性が高くなると、「人間界」、「中間界」、「神聖界」、「天上界」、「マスター」と階級が上がり、さらにそれぞれ、「市民」、「騎士」、「男爵」、「子爵」、「伯爵」、「侯爵」、「公爵」、「王」に分類され、上に行けば行くほど豊かな生活を楽しむことができる。何気に格差社会のようだ。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第24回「OZWorld」
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だいたい100ゴールド前後の金額が貯まったところで、新しい服を買いに町のショッピングエリアへ移動する。ショップはファッションアイテムを売る店だけでなく、釣具店やインテリアショップ、家電ショップ、花屋など様々なショップが取り揃えられている。またファッションアイテムも、カジュアル系やセクシー系、HIP HOP系とジャンル別に分けられている。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第24回「OZWorld」
ただ、どのアイテムも初心者が買うには高価で、各ユーザーのレベルに合わせて着られる服と着られない服の区別まであり、やはり最初のうちは選択の自由はあまりないようだ。とにかく釣りをしながら他のユーザーとチャットをして交流しないことには先に進めないらしい。
OZWorldは比較的早い時期に始まったサービスなので、さすがに最近の3Dコミュニティサービスと比べるとグラフィックや操作性には難があるかもしれない。
しかし、特に明確な目的を持たず、純粋に他ユーザーとのコミュニケーションを楽しむには良いサービスだろう。特に、ユーザーが積極的に自分から行動を起こしたくなるよう誘導する「階級」というシステムが面白い。敢えて「格差」を設けることにより、ユーザーのちょっとした優越感をくすぐるというわけだ。
尚、OZWorldには専門のSNS「Ozy」も存在する。完全招待制となっているので、参加したい場合はOZWorld内で友達を作って誘ってもらおう。
OZWorld
http://www.ozworld.jp/
OZWorld専門SNS「Ozy」
http://ozworld.free-club.net/

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