「FullDive novel: Innocent Forest」シリーズは、MyDearest株式会社が開発・提供している究極没入型の新感覚VRライトノベルです。当初はGearVR向けに提供されていましたが、現在はOculus RiftおよびOculus Go向けにも配信されており、今回ご紹介する一作目の「灯の鳥」はなんとダウンロード無料!太っ腹!
本作の大きな特徴は、物語のビジュアルが自分の周囲360°に展開しつつ目の前にテキストが表示されるという独特のUIです。物語の「世界観」に没入しながら文章を読み進めていくという体験は、まさにVR時代の新たな読書体験。「文章を読む」という行為自体は従来の読書と変わらないのですが、自分の周りに物語の挿絵が表示されるため、文章を読みつつも、まるで自分自身が物語の主人公になったかのような感覚を味わうことができますす。ビジュアルに囲まれながら小説を読むなんて、真の意味で「ビジュアルノベル」なのではないでしょうか。
最初に登場するのが、様々な形の鳥かごがたくさん飾られているこんな素敵なスタート画面。もうこの”絵”だけで最高ですね。ここでまず日本語か英語のいずれかのテキストを選択します。選択は頭の動きで、決定はコントローラーのトリガーで行います。ちなみに本作は中国Xiaomiの「Mi VR」の発売に合わせ中国でもリリースされました。
MyDearest、VR×ライトノベル「FullDive novel: Innocent Forest」シリーズを中国に展開
選択するとぼうっと光が増す演出も良い!
次に右を向いてスタートを選択。なお、最初に見るこの「鳥かごがたくさんある」風景はただの雰囲気シーンではなくちゃんとストーリーに絡んできます。所謂「伏線」ってやつですね。
テキストは画面中央にこのように登場します。最初は真っ暗ですが…
視界いっぱいに挿絵の世界が広がった!360度見まわすことができるのに、挿絵の作風が手描きっぽいところが「ここは物語の中なんだな」と実感させてくれます。物語の世界観に完全に没入しながら、自分自身が「物語の主人公」になったかのような気分で読書をする贅沢な時間、これまでは自分の脳内でしか味わえませんでしたが、VRならそれを実際に体験できるんですよね。
特定の箇所ではサウンドや出演声優さん達の台詞を聞くこともできます。
ページをめくる時は実際に頭を左右に動かしてトリガーで決定します。頭でページをめくるというのも面白い体験ですね。ページをめくる前にその場でぐるぐる回れば挿絵全体を隅々まで見ることも可能。作風は手描き風ですが、3Dモデルになっている部分もあり、しっかり”そこにある”感じが表現されています。
このように目の前に美味しそうなご飯が出てくることもあり。ここでふと横を見ると…
女の子がいる!彼女はこの物語のヒロイン「ルクレイ」(cv.日高里菜さん)。彼女は主人公が迷い込んだ森に住み、毎日鳥を集めています。果たしてそれは何を意味するのか?鳥は一体何なのか?
終盤には、これまでの雰囲気を覆すかのようなスピード感と浮遊感に溢れた”VRならでは”の演出も登場します。
本作は、例えるならドラえもんのひみつ道具「絵本入り込み靴」をVRで再現したような作品で、体験してみると「実際に『絵本入り込み靴』が実現したらこんな感じになる!」と心底実感できます。これまでの紙の本とは明らかに異なる、しかし電子書籍ともまた違う、全く新しいジャンルのVRアプリです。Oculus Goで初めてVRに触れたという方でもきっと楽しめるでしょう。