7月22日より日本でも「Pokémon GO」(iOS/Android)が配信され、今では人気も一段落した感がありますが、私は未だにレアポケモンを1匹もGETできていないという体たらくです。というのも私の住む秋田県は日本全国で最もポケストップが無い県として知られており、ボールの確保が難しいのはもちろんのこと、ポケモン自体もなかなか出現しないからです。以下はリリース当日に秋田県横手市にある私の家でアプリを起動した時のスクリーンショットなんですが…↓
無。
ポケモンがいるかどうかの前に、まずあるはずの道がマップに描かれてませんからね。途中で切れている道の先にもちゃんとアスファルト舗装された道路や隣家があるのに。このように現状ではまだ地域格差が激しいのですが、そもそも秋田県横手市なんて田舎の山間集落で「Pokémon GO」をプレイするのはかなりハードです。だってガチでこんな場所を歩かなければならないのですから。
※全て家から徒歩5分圏内の近所です。
もうポケモンを見つける前に熊を見つける勢いで本当にシャレになりません。秋田県内でまともに「Pokémon GO」をプレイするにはもはや重課金しか手はないのか?!………と思っていたところ、ある日突然集落内の一部分がポケストップだらけになっていたのです!
横一列に並ぶポケストップとジム3箇所。
そこは…
「真人公園」
この公園は1917年(大正6年)に造園され来年で開園100周年を迎えるそこそこ歴史の古い公園で、造園当時は私の先祖を含む集落の住民が工事に携わりました。山を背景に人口沼が掘られ、園内には桜、梅、アヤメ、ツツジといった様々な樹木が植えられており、「日本さくら名所100選」に選定されるなど秋田県内ではそれなりに有名なところです(詳しくはWikipediaを参照)。ただし周辺には駅、バス停、高速道路などの主要な交通インフラがまるで無く、車で自力で行くしかないというアクセスの悪さも相まって近年急速に荒廃しつつあります。私も子供の頃はよく遊びに行っていましたが、今では子供自体が地域におらず、休日でも無人状態の寂しい場所になっています。
子供は減ってるけど熊なら増えてる。それが秋田県。
ところが、今回ポケストップを確認しに久しぶりに公園に遊びに行ったら、なんと明らかに「Pokémon GO」をプレイしていると思しき家族連れのお客さんが結構いたのです。しかもそのついでに普通に公園で遊んでいるし!
まあ公園で子供が遊んでいて凄い!と驚いている時点でどうかと思うんですがね。
また驚いたことに、ポケストップとジムがあるだけでなく、公園内の敷地に入った途端にポケモンが大量出現するのです。残念ながらこの時はレアポケモンはGETできませんでしたが、それでも普通にゲームとして楽しめる程度にはサクサク出てきました。
上手い!と思ったのは、公園の脇にある干上がった川にコイキングが出てきたことです。川の干上がり感とコイキングのビチビチしたモーションが実にマッチしていました。
沼のほとりでピジョン発見!ポッポから進化させる手間が省けました。
さらにその後アスレチック(冒険コース)エリアに行ったらニドラン♀が出現。
なお、このアスレチックエリアにはこの公園の一つ目のポケストップがあります。それは…
アスレチックエリアの順路を示した案内図でした。こういうのもスポットになるんですね…
ここから公園のメイン広場に行く道のりでもレアではなかったものの多くのポケモンがGETできました。
メイン広場に近いためか、おそらくここが一番人気のポケスポット。ちょうど”ルアーモジュール”が使われていたのですが、それは…
「リンゴの唄の歌碑」
この公園のある集落は終戦直後に戦後初の映画「そよかぜ」のロケ地として使用されたことから、それを記念し公園内に映画の主題歌「リンゴの唄の歌」の記念碑が設置されているのです。
一方、このすぐ近くにある「日本さくら名所100選」の記念碑はジムになっています。
ここから大量のポケストップとあと2つあるジムにも行けます。ズラっと一列に並んでいたポケストップ、それは…
「三十三観音遊歩道」
この公園の敷地内には三十三体の観音像が配置され遊歩道として整備されているのですが、そのうちの幾つかがポケストップとジムに設定されていたのです。
ただしここで注意しなければならないのは、スポット化されている観音像はあくまでも「公道近くに配置されている」もののみであること。つまり道から離れた公園内や山の中にある観音像はスポットではないのです。
だからうっかり公園内の山の麓から三十三観音遊歩道に入るのは非常に危険です。こんな険しい登山コースを歩かされた挙句スポットでも何でもない観音像を延々と見るハメになります。
ちゃんと公園内を通っている道路沿いからも遊歩道に入れるので、まずはマップ上でスポット化されている観音像の位置をチェックしてから歩くようにしましょう。
…と、この写真を撮ってる時にもポッポが出現。ちょうと案内看板の上にいるようないい感じのスクリーンショットが撮れました。
観音像ポケスポットはこんな感じ。これらからはモンスターボール以外に卵もよく出てきました。
観音像遊歩道の途中にあるこの紀功碑もポケストップになっているのでお忘れなく。
遊歩道は山の裾野に沿って切開かれているのですが、こんな感じに芝生が敷かれ平らに整備されているためとても歩きやすいです。
遊歩道から見える景色も雄大で良い眺めです。今はまだ一面緑ですが、もう少ししたら紅葉も楽しめるようになります。
途中ちょっと生い茂った山道になりますが…
それを抜けるとまたポケストップ観音&ジム観音が出てきます。この遊歩道の便利なところは、ただ一本道を行ったり来たりするだけでモンスターボールと卵、その他アイテムがてんこ盛りに貯まることです。あちこちスポットを探して歩きまわる必要がなく、ただ延々と一本道を歩くだけなので分かりやすくてとても楽。私はここを一往復しただけでモンスターボールを50個以上補充できました。公園全体を歩き回れば1日で100個補充することも可能です。ここにいればモンスターボール切れの心配はまずありません。
それにしてもなぜこんな山間集落のど真ん中にある寂れた公園がポケモン天国になっているのでしょうか?それはもともとここが「Ingress天国」だったからです。
真っ暗闇の中に燦然と輝くポータル群。公園は複数のポータルが生えた「ファーム」になっていたのでした。
「Pokémon GO」のマップデータは「Ingress」を基にしています。つまり「Pokémon GO」をちゃんとプレイしたければ、まずその地域にIngressエージェントを増やしてコミュニティを醸成しなければならないということなのでしょう。
あと公園内の伊藤園自販機は抜かりありませんでした。
この「真人公園」は交通の便が悪いのが難点ではありますが、ドリンクとアイスの自販機があり、近くには休憩できる温泉や山荘もあるので熱中症の心配はないかと思われます。秋田県南のポケモントレーナーの皆様は是非お越し下さい。
真人公園のイベント情報はこちら(増田町観光協会)
http://masudakanko.com/