【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例

 

Virtual World Summit 2007の後半では、国内における最近のセカンドライフ参入事例が紹介された。
まずトップバッターは早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授である安藤紘平氏。同氏より「早稲田大学ヴァーチャル映像スコーレの説明「早稲田大学、学生育成のためのセカンドライフ利用」が行われた。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
氏は現在は早稲田大学の教授を勤めているが、かつて天井桟敷に在籍し、故寺山修司氏の勧めにより映画を撮り始めたという映画監督。トノンレバン国際映画祭短編部門グランプリ、ハワイ国際映画祭銀賞、スイス・モントルー国際映像祭アストロラビウム賞と受賞歴も多数。
氏曰く、人材育成にはまず何よりも実際に映像を作ってみることが大切だという。しかし現実には、映画制作には莫大な資金が必要になるうえに撮影機材やキャスト、衣装なども手配しなくてはならないので労力が多い。
しかし、セカンドライフならスタッフやキャスト、ロケ地、小道具やカメラワークなども自由自在に操れるので現実世界よりはるかに少ない予算と労力で映像を作ることができる。
そのため氏は、映像製作を勉強する学生達のためにセカンドライフ内に「早稲田大学ヴァーチャル映像スコーレ」をセカンドライフ内に建設することにしたという。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
同氏は、「このヴァーチャル映像スコーレを、学生同士で自由にコミュニケーションを行える映像開発拠点にしたい。映像が好きだという人、映像を作っている・学んでいる人など、様々な種類の人がワイワイガヤガヤと意見を交換できる場所にしたい。そしてそこからストーリーを紡げていけたら素晴らしい」とコメント。
いずれは映像撮影のロケ地として、他の地域のSIMも使わせてもらえるよう提携していきたいと語った。
次に、株式会社ローソンのサービス本部郵政ビジネス部部長の野田和也氏による講演「ローソンが考えるリアル+バーチャルワールドビジネス戦略」が行われた。
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ローソンは、まだ正式にオープンはしていないものの、「Walker Island]群島の中に仮想店舗を建設している。
同社では、現実世界と仮想世界の間の顧客誘引のアシストと利便性のアシストを行いたいとしており、例えば、同社の商品「からあげクン」を製造するアトラクションを作り、うまく製造することができたら現実世界のローソンで使えるからあげクンクーポンを発券するというような試みの行っていきたいとのこと。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
尚、同社は現在ユニバーサルスタジオジャパンと協力して仮想世界ならではのコンテンツを企画中とのこと。来年に正式に展開するとしており、今後どう展開するか楽しみなところだ。
そして最後の参入事例紹介は、株式会社角川書店のメディア部副部長である矢野健二氏による、同社発行のアニメ雑誌「NewType」の仮想世界における展開「ガンダムエース・ニュータイプ等アニメ・コミックとのバーチャルワールドシナジービジネス」の説明だった。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
まず最初に同氏により同社が発行しているアニメ雑誌「NewType」の誕生から現在までの歴史が説明された。
同誌は現存するアニメ雑誌の中では3番目に古い老舗的雑誌で、1985年の発刊当時、それまで売り上部数トップだった他誌を追い抜き一気に売り上げトップに上り詰めたのだという。
同誌はビデオデッキの普及に伴う「個人によるアニメ番組の保存」を踏まえ、アニメ番組だけでは得られないコンテンツの提供を積極的に行い、さらにインターネットが出現した後はWebによるコンテンツのデジタル化と携帯サイト開設にいち早く着手したという。現在同誌は翻訳されて韓国語版と北米版も出版されているとのこと。
これらの変遷を踏まえた上で、同社は今後デジタル化と国境のボーダレス化を仮想世界の中で展開していきたいとしている。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
矢野氏は「仮想世界の中で同人誌即売会や声優さんによるイベントを開催したり、アニメの世界観を再現したエリアを作りたい。アニメの世界の中に入り込むよりももう一段高い次元でアニメファンに喜んでもらえるようなコンテンツを作っていきたい」と語った。
尚、同社もまだ未完成ではあるがセカンドライフ内に施設を建設中のようだ。
【Virtual World Summit 2007レポート】国内における最近のセカンドライフ参入事例
日本のアニメ・コミック・ゲームなどのサブカルチャーは世界的にも高い評価を受けており、もはや日本の主要産業と言ってよい。これらの優れたコンテンツが仮想世界と連動するようになれば、同氏が解説したように仮想世界をプラットフォームに国境のボーダーレス化も現実のものとなるかもしれない。
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