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「Virtual World-Conference 2007」セッション3:これから何が起きるのか?

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セッション3ではここまでの現状と事例をふまえ、仮想世界の将来と可能性が予測された。非常に多岐にわたる話題が展開されたため、ここではまだ紹介していないパネリストの方の話題を中心にお伝えしたい。

博報堂DYグループの勝野正博氏は、「ユーザーにサービスを提供するだけの一方的な立場ではなく、ユーザーのそばにいて共存する」ことが、意味を持つという。変化の早い仮想世界ビジネスにおいて、その変化についていくためには「to C ではなく、with Cが重要」と語った。

カンファレンスの当日にオープンした「Tokyo ZERO番地」を運営する株式会社SUNの奥井宏太朗氏は同サービスのコンセプトのひとつは「リアルとバーチャルの垣根を取り払う」ことだと語った。同サービスではセカンドライフ内で購入した商品が実際に配達される。しかし、会場でも指摘があったように、単なる購入であればセカンドライフで行う必然性は低い。同氏はこれを認めたうえで、この手法がどういったサービスに合っているかを模索していくと語った。同社ではこれ以外にもリアルとの連動を計画しているという。
また、新氏からは仮想世界ビジネスが抱える課題として、リピーターの問題が指摘された。リピーターをいかに確保するかは継続的にサービスを行っていく上で、当然ながら非常に重要な要素となるものだといえる。

ソフトバンクモバイル株式会社の野中耕治氏は、セカンドライフは参入したという意識はあまりなく、他の広告手法に比べ、安価だったのがひとつの理由だと話す。ディティールを立体で見せたり、チャット時に携帯電話で話すジェスチャーをする携帯電話を配布するなど、数々の試みを行っている。そしてやはり「日本のキャリアで初というのもあった(笑)」と明かす。また、7月13日にセカンドライフの日本語ベータ版が出た後、1週間でアクセスが2.5倍になったという。日本語ベータ版の影響を知ることができる貴重な情報だ。
最後に「5年後の仮想世界」というお題で各パネリストが見解を述べた。

様々な側面から語られる中、CNET Japan の西田隆一氏は「やはり、より物理的なものに制約を受けなくなるという面からいえば、仮想オフィスのようなコラボレーションツールになると便利」と語った。一番イメージしやすいだけに、実現性も高いかもしれない。
その他、「アバターが個人の人格を代表するものになるか、まったく異なるものになるか」という点に興味があるという勝野氏は、しかし「電子メールアドレスの例を見ても、こうしたツールが普及し始めてから実生活に浸透するまでの期間として5年はまだ短い」と語る。
また、仮想世界が実生活に浸透するには、法律上の位置づけなど様々な現状課題をクリアしなければならないという指摘もされた。
三淵氏は現在、2D(画面)で表現されている仮想世界は無理があると話し、3Dのまま見ることができるようになれば、よりリアルに近くなるだろうという。そうなれば社会的課題のシュミレーションとしての機能もより期待でき、現実世界の課題を意識するための「気づきのインフラ」となる可能性を秘めていると語った。
あらゆる視点で仮想世界について語られた本カンファレンスには多くの気付きを与えられたが、やはり各議論が時間不足となってしまったのは惜しい点だ。また、できるならば懇親会などによって、参加者同士の情報交換が行われる場が設けられればさらに意義を高めることができそうだ。カンファレンスによって生まれた気付きがさらに膨らむ相乗効果が生み出せれば面白い。
Virtual World-Conference 2007
http://www.virtualworld-conference.net/
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