4月24日(金)、東京・お台場青海にてスタートアップの祭典「Slush Asia」が開幕しました。
もともと「Slash」は毎年11月にフィンランド・ヘルシンキにて開催されている起業家向けのカンファレンスイベントです。2008年の初開催時はわずか200人程度の小規模なイベントでしたが、回を重ねるごとに規模が拡大し、昨年の「Slush14」には世界中から1万4000人もの参加者が集いました。来場者もフィンランド大統領や中国副主席、エストニア大統領といった各国の首脳陣から学生、起業家、投資家、エグゼクティブ、ジャーナリストと多種多様で、もはやイベントを超えて”ムーブメント”と言うべき存在になっているとか。
「Slash Asia」はその名のとおりSlushのアジア版ですが、まず会場が凄かった!
会場が青海駅から見える
会場が設営されているのはお台場J地区と呼ばれている駐車場なのですが、そこにホワイトロックというドーム型のテントが5個も設営されています。
近づくと分かるその巨大さ。これらはイベントが終了したらすぐに解体されてしまうのだとか。もったいない!
会場に入って最初に気づいたのは、一応ビジネス系のカンファレンスなのにそんな雰囲気が欠片も無いこと。むしろロックフェスといった感じです。受付を済ませて1個目のテントに入ると…
いきなりこれ
ランダムに変化するレーザーと照明によるインスタレーションで来場者を迎えるエントランス。もうここでやられてしまいました。
次のテントはハード系スタートアップのブース出展エリア。電動バイクやオープンソースのロボットなど面白いアイテムが出展されています。
サウナを模したミーティングエリア。ここはなんだかフィンランド感がありますね。
そしてここが一番巨大なメイン会場の「KEYNOTE STAGE」テント。なんでしょうかこのバブリーな演出は。ちなみにセッションが始まっても終始こんな演出で来場者の目を楽しませていました。
テントのドーム部分ではプロジェクションマッピングが行われていて超キレイ。
他にも、スタートアップのピッチコンテストのステージや登壇後のスピーカーへのインタビューが行われているエリア等があり、合計5ヶ所で複数のセッションがノンストップで同時進行します。当然ながら全てのセッションを見ることは不可能だし、敢えて何時にどこで誰が出るかといったタイムテーブルも配られず(サイトには掲載済)、来場者は自分が見たいセッションを能動的に調べて取捨選択しなければなりません。そう、Slushって雰囲気や演出だけでなくイベントの形式自体がフェスなんですよね。
9:00のイベントスタートと共に「KEYNOTE STAGE」にSlush Asia仕掛人のAntti Sonninenさんが登場。その瞬間客席から拍手と大歓声が巻き起こり、ここでもまた「バンドのライブかよ!」と思ってしまいました。おそらくSlushは、起業家をアーティストのようにカッコ良く見せることによって「会社設立なんてバンドを組むようなもんだ」と来場者に示しているのでしょう。起業家はロックスターのようにクリエイティブでクールな存在で、バンドを組む感覚で会社を作ってもいいし、もし上手くいかなくてもバンドを解散するように一旦仕切り直せばいい。とにかく「自分で何かやる」ことをイベントを通して若者に促しているのかもしれません。
なお、こんなイベントなので登壇者にもこの場に相応しいスピーチが求められます。日本のカンファレンスによくありがちな「お堅いスーツを着て客席一切無視で用意したパワポ資料とカンペをただ読み上げるだけで最後に『ご清聴ありがとうございました』なんてあっても無くてもどうでもいいスライドを大写しにする」スピーチはNG。Slush Asiaはグローバルなイベントなので日本人であっても英語でカッコ良いスピーチをしなければなりません。なんとなくTEDのスピーチに近い印象です。
さすがギタリストのTakuyaさんは全く違和感がありません。
…とまあこのように、あまりにも巨大且つ多くのことが同時多発している多様性ありまくりのイベントなので、上手くまとめることができずふんわりと写真で現場の雰囲気をお伝えしました。この後さらに「午後編」に続くのでお楽しみに!