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【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート

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【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
8月3日(日)、東京ビッグサイト西ホールにて日本最大のガレージキットの展示・販売イベント「ワンダーフェスティバル2008[夏]」(通称ワンフェス)が開催された。

「ガレージキット」とは、プラスチック素材で大量生産される模型(プラモデル)に対し、樹脂やソフトビニール、低融点金属などで比較的少量生産されるフィギュアなどの模型を指す。原型を製作した原型師の名前が明示され、プラモデルの生産に比べて簡易な複製方法で生産されるのが特徴で、メーカーが生産したものもあるが個人でも製作することができる。
フィギュアや模型のイベントというと一部のマニア向けのものではないかと思われがちだが、実際は大手玩具メーカーから造型関係の専門学校や研究会、さらには模型やフィギュア以外のジャンルの造型作家なども多数出展しており、さながら”立体作品の祭典”の様相を呈している。
【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
立体作品と仮想世界と一体何の関係があるのか?と疑問に思っている読者も多いかもしれない。しかし今回は「バーチャル」と「リアル」を繋ぐ存在と言うか、「バーチャル」から「リアル」を取り出す「3Dプリンタ」が出展されていた。今年5月に開催された「Virtual World Conference&Expo2008」でも一際来場者の目を引いていたこの機械、ワンフェスではどのような反応があったのだろうか。写真を中心にレポートしてみたい。
【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
3Dプリンタを出展していたのは、3次元形状を活用する会「3D-GAN」。3次元産業界の発展を図るため設立された非営利団体で、現在21団体が会員として参加している。
同団体のブースでは3Dプリンタ「ZPrinter450」で製作された作例フィギュアを展示するだけでなく、なんとプリンタの実機も展示。CGやCADのデータで指定されたテクスチャ情報まで読み取り、石膏がベースとなった粉末素材から自動的に色付きフィギュアを作り出す工程は、自分の手で作品を作るモデラーにとってはかなりインパクトのある光景ではなかっただろうか。
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こちらは展示されているCGイラストを元に製作されたフィギュア。「Virtual World Conference&Expo2008」で展示されていた各種仮想世界のアバターのフィギュアはかなり小型のものだったが、こちらは全長30cm~40cmはあろうかと思われる大型のもの。髪の毛の先や細かいアクセサリーパーツ、剣もシャープなラインで成型されている。
【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
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(C)Studio Meets
こちらは「Virtual World Conference&Expo2008」でも展示されていたフィギュアだが、随分と躍動感溢れるポーズになっている。このようにアバターが動いている様子を、まるでアニメーションのように連続したフィギュアにすることもできるという。尚、胸像タイプのフィギュアは販売も行っているとのこと。
機械でここまで彫刻されてしまうと、もう人間のモデラーはやることがなくなってしまうのではないかとちょっと心配になってしまう。実際にブースに足を止めていく人たちは、自分の手で模型を製作するというモデラーよりも、3DモデリングをしているCGクリエイターの方が多かったという。やはりPC画面の中にある”データ”が実際に手にとって見られる作品になるというのは魅力的に写るらしい。
しかし、だからといって「3Dプリンタはモデラーの敵だ!」と断ずるのは早計だろう。実は一から自分の手でフィギュアを彫刻する際、「こんな作業、機械があればもっと早く簡単にできるのに…」という場面が結構あったりする。例えばロボットなどメカ系の作品を作る場合、全体を構成するパーツの大半は左右対称なので同じものを2つ作らなければいけない。しかしその片方をデータ化して3Dプリンタで複数個出力できるようにすれば、かなりストレスなく製作できるようになるだろう。
また、3Dの仮想世界を「3Dモデリングツール」として捉えれば活用の可能性はもっと広がる。例えばセカンドライフを「商品開発の場」とし、複数人でミーティングをしながらその場でフィギュアのデザインを考え、作り、最後にテストピースを3Dプリンタで出力して細部を検討する…という活用例も考えられる。
元来、CGやゲーム、映像、仮想世界など「画面の中のコンテンツ」と、模型製作や造型など「人間の手で作る立体作品」は全く異なる世界、正反対の分野だと見られがちだった。しかしどちらも「人間が作った作品」である以上、分けて考えること自体が無意味であり、むしろ両者が歩み寄ることによって新たな可能性が生まれ、「ものづくり」そのものが活性化するのではないだろうか。
また、仮想世界の中にいるアバターを実物のフィギュアにして外の世界に出すことは、純粋にまだ仮想世界を知らない人に向けたアピールにもなる。仮想世界を「既にあるもの」に置き換えて、リアルとバーチャルを繋げる試みはもっと例があってもいいだろう。
尚、この3Dプリンタ「ZPrinter450」は、秋葉原UDX内にある3D-GANの事務局兼ショールームにも展示されている。興味のある人は一度見に行ってみるとよいだろう。
【イベントレポート】”バーチャル”から”リアル”を取り出す試み---ワンダーフェスティバル 2008[夏]レポート
あとご存知の方も多いだろうが、今回のワンフェス開場時に東京ビッグサイト西ホールの1Fから4Fを繋ぐ上りエスカレーターが逆走する事故が発生した。事故に見舞われた方々の一刻も早い回復をお祈りする。また関係当局及び各メディアは、先入観や偏見にとらわれず正確な調査・報道をしてもらいたい。
3D-GAN
http://www.3d-gan.jp/
ワンダーフェスティバル
http://www.kaiyodo.co.jp/wf/
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