東京国立博物館、株式会社電通国際情報サービス、クウジット株式会社が、3社による「トーハクなび共同研究プロジェクト」の取り組みとして、現在公開中のAndroid向け博物館ガイドアプリ「トーハクなび」に新たにAR(拡張現実)技術や高精度測位技術を利用したガイドメニューを実装した。併せて東京国立博物館の来館者に3 月3 日まで「トーハクなび」導入済みの端末無料貸出サービスを実施する。
今回新たに実装されたのは、AR技術を利用した演劇仕立てのコースガイド「トーハク劇場コース」と高精度測位による展示品別のガイド「日本美術体験型コース2階」。「トーハク劇場コース」は、館内に設置されたARマーカーに端末のカメラをかざすと画面上にバーチャルな俳優が現れ、演劇仕立てのガイド映像が再現されるというもの。映像コンテンツは昨年夏に同博物館で開催された子供・ファミリー向けのガイドツアーをベースにしたもので、「縄文・祈りの造形」「仏像に託された祈り」「近代絵画・作者の表現としての作品」の3つが収録されている。「日本美術体験型コース2階」は、屏風や絵巻など比較的大きな作品が展示されたエリアを展示室ごとに解説するガイドと、同一ケース内に飾られた複数の作品を種別ごとに解説するガイドを、2つの屋内測位技術を連携させることでスムーズに出し分けるというもの。根付/印籠/櫛(くし)/簪(かんざし)の4種類の作品が同一ケース内で展示される本館10室では、ISIDが研究開発中の近接領域の屋内測位技術「Place Sticker®」を利用して1m程度の間隔で並んでいる展示品を識別し、展示品の種別に応じたガイドを提供する。クウジットの持つ位置測位エンジン「PlaceEngine」との連携により、展示品のサイズや来館者の動線に応じたガイド提供を実現ている。
なお、東京国立博物館、ISID、クウジットの3社による 「トーハクなび共同研究プロジェクト」は、2014年3月末まで継続するとのことで、今後も、位置情報やARを活用した新たな体験型コンテンツの提供を行っていくとしている。