Slush Tokyoへの国内地方自治体のブース出展といえば、先にご紹介した仙台市と福岡市が常連という感じでしたが(福岡市は本家Slushにも参戦)、今回初めて横浜市が出展していました。
現在横浜市ではIoTを活用したビジネス創出に向け、企業や起業家同士の交流・連携、プロジェクト推進、人材育成に注力しており、それらのハブとなる「IoTイノベーション・パートナーズ(I・TOP横浜)」を立ち上げました。I・TOP横浜の事務局は横浜市、横浜企業経営支援財団、三菱UFJリサーチ&コンサルティングから成り、プロジェクト提案から横浜市の関係部局との連携までワンストップ対応を行うとのこと。既に同市内では、企業の垣根を越えて様々な手作りガジェットや新製品が集結する体験型交流イベント「横浜ガジェットまつり」や、エンジニア向けの交流&勉強会イベント「エンジニアサポートCROSS」といったイベントが定期開催されており、新たなアイデアやチャレンジャーが集うコミュニティが形成されています。同市も福岡市や仙台市と同様に「IT・起業の街」を目指しているようですが、”IoT”と明確に特色を出しているのが面白いですね。今回ブース内で紹介されていた企業・製品もほとんどがIoT系でした。
■移動できる省スペース授乳室「mamaro」
横浜市中区に拠点を置くTrim株式会社が開発する「mamaro」は、ソーシャルメディア上でもよく話題になる日本に於ける「授乳室の少なさ」を解決する省スペースの完全個室型授乳室です。可動式で180×90×200cmのスペースがあればどこにで置くことができ、構造的には電話ボックスに似ているかもしれません。
省スペースとはいえ中の設備は充実しており、椅子や照明、モニター、利用状況を感知するセンサーが設置されています。例えば乳幼児の他にもうちょっと大きな子供も連れている…なんて時もみんなで椅子に座れるし、モニターで提供されている動画を見て時間を潰すこともできます。店舗・施設の敷地内に設置する際は、施設案内やイベント情報案内、セール情報などのオリジナルコンテンツを配信することも可能です。既に企業やデパート、自治体の施設で導入されており、設置場所や利用状況は授乳室・おむつ替え検索地図アプリ「Baby map」でチェックできます。
■風呂×ストレッチな防水エクササイズバイク「furost」
横浜市都筑区に拠点を置く株式会社コレッドが開発する「furost」は、お風呂の中で使える防水エクササイズバイクです。加速度センサーなどユーザーの利用状況をモニタリングできるセンサーが内蔵されており、さらに専用のスマホアプリとBluetooth連携し、毎日の利用時間やペダルを漕いだ活動量、消費カロリーを計算してそのデータを記録することができます。
それにしてもなぜお風呂の中でエクササイズをするのか?それは水の中だと適度に水圧の負荷がかかり、普通にペダルを漕ぐよりも高い運動効果を得られるからです。そのため1日の利用時間はわずか5分程度でよく、日々気軽に続けられるのだとか。既にAmazonなどのECサイトで販売されています。
■猫のヘルスケア用IoTトイレ「TOLETTA」
横浜市青葉区に拠点を置く株式会社ハチたまが開発する「TOLETTA」は、猫の死因のトップである「腎不全(慢性腎疾患)」の初期症状である多尿・体重減少の症状をモニタリングし、猫の健康情報を管理できるスマートフォン連動型の猫専用ヘルスケアトイレです。腎不全は不治の病ではありますが、早期発見し適切な治療を行えば、進行を遅らせ寿命を延ばすことができます。これは愛猫家にとっては家族の健康と同様に重要なことではないでしょうか。
使い方は簡単で、ただ猫が毎日使うトイレをこれに替えるだけ。猫がTOLETTAに入るたびにその回数や体重の増減を自動で測定し、そのデータを日々アプリに記録し「カルテ」を作ります。またカメラも付属しており、猫の顔を撮影・識別することができるので、多頭飼いの家庭でも猫ごとにデータを記録することができます。まだ一般販売は始まっていませんが、2018年8月8日(世界ねこの日)の発売を目指し現在「TOLETTAニャンバサダー」を募集しています。興味のある方は製品の公式サイトから詳細をチェックしてみて下さい。