2017年1月7日（日）秋田県横手市平鹿町の平鹿町観光協会とGARDEN PROJECTの主催のもと、同町の浅舞地区の公民館「浅舞公民館」にてコスプレイベント「ひらかコスプレイベントⅢ ホワイトガーデン」が開催されました。
このイベントは、秋田県横手市の自然溢れる情景や歴史ある街並み、様々な施設でのロケーションを「ヲタ的に楽しみたい」という発想から生まれたプロジェクトであるGARDEN PROJECTと観光協会がタッグを組んで開催している超・地域密着型のコスプレイベントです。昨年6月に開催された「ひらかコスプレイベント グリーンガーデン」の”冬版”に相当しますが、そこは秋田県内でも豪雪で知られる横手市内のこと、当然ながら会場は屋内です。
【レポート】地域イベントとオタクカルチャーの融合「ひらかコスプレイベント×第36回浅舞公園あやめまつり」
これから写真にてご紹介しますが、会場となった浅舞公民館は、駅もない地区の公共施設とは思えないくらい広くて綺麗であらゆるタイプのイベントに対応できる万能型施設で、むしろなぜ今までオタク系イベントが開催されてこなかったのか不思議に思えてくるほどでした。コスプレイベントだけじゃなく同人誌即売会もできるんじゃないでしょうか？
入口に大書された「主催 平鹿町観光協会」の文字。観光協会が地域活性化の一環としてコスプレイベントを開催するって秋田県ではかなり尖った企画です。もしかして秋田県初かも？
参加費はコスプレイヤー、撮影者、カメラマン、一般参加者いずれも700円で、カメラマンは「撮影参加者」と書かれた腕章を常に身に着けます。それにしても参加費が1000円切ってるって企業主催のコスプレイベントでは考えられない激安価格ですよ。
こちらが会場案内図。公民館は2階まであり、参加者はメインホール、和室、セット付きの部屋、椅子付きのステージ会場で自由に撮影することができました。もちろん男女更衣室もバッチリ完備。6月は野外（公園）で自然をバックに撮影を楽しめましたが、今回は室内ならではの撮影を楽しめるというわけです。
なお、パンフレットの協賛一覧には町内に拠点を置く企業・店舗の名前がズラリ。これが後々効いてくるのでした。
田舎の公民館と言うと、「ショボい」「ダサい」「古い」「汚い」といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし先にも書きましたが、この浅舞公民館は非常に状態が良く、また設備が整っているので普通に”絵”になる写真を撮ることができました。
このメインホールの豪華な天井！アオリで撮ったらいい感じの背景になりそうです。
和風コスプレの撮影に重宝する床の間付き和室スペース。実際に刀剣乱舞のコスプレイヤーさんが多数利用されていました。
それに加えて…
床にレッドカーペットが敷かれているやら…
様々なタイプの撮影ブースが用意されているやら…
ステージ会場にはスモークマシン2台と照明まで用意されているやら。
何度も書きますが、これは地域の観光協会が主催するコスプレイベントです。それでこのサービスって至れり尽くせり過ぎ！
至れり尽くせりと言えば、コスプレ衣装や小道具をなにも持っていない！でもコスプレしたい！という参加者向けに、その場でなりたいキャラクターを選択してコスプレできる「コスプレ体験プラン」も用意されていました。これは良心的！今いるコスプレイヤーの方々が楽しめる場を作るのと同様、今までコスプレに縁もゆかりもなかった人たちにコスプレを知ってもらい、そして好きになってもらう機会を作ることも非常に大切ですしね。コスプレイヤーおよびコミュニティ双方の育成にも効果的なアイデアだと思いました。
15：00からは入場時に参加者全員に配布されたパンフレットに記載されていた番号を使用した「新春大抽選会」が行われました。賞品は、漬物、饅頭などの銘菓、りんご、りんごジュースといった町の名物いろいろ。そう、全てパンフレットに記載されていた協賛企業・店舗が提供した商品です。それにしても「漬物やら饅頭やらを持ち帰れるコスプレイベント」って何なんでしょうね一体。ちなみにりんごはりんご箱2箱分を大放出したそうです。
賞品授与のシーンがとにかくシュール。
私も浅舞婦人漬物研究会の田舎漬けセット（農林大臣賞受賞）を頂いてしまいました。参加費700円を支払ってもこうしてお土産を頂いてしまっては＋－0で実質無料です。
抽選会では平鹿町観光協会の会長さんと…
平鹿地域局長の局長さんの挨拶もありました。お二人によれば、このイベントは今回で3回目を数えますが、今後も継続して開催し「秋田県でコスプレと言えば平鹿町」と言われるくらい定着させていきたいとのこと。
抽選会の後も独自企画は続きました。
平鹿町は、毎年冬に県の天然記念物に指定されている樹齢500年超のケヤキの大木”槻の木”とその周辺を3万5000球のイルミネーションで彩るイベント「槻の木光のファンタジー」を開催しているのですが、そこでもコスプレ撮影できるというのです。しかも現地まで送迎バス付き。実際は公民館から歩いて移動しようと思えばできる程度の距離なんですが、如何せんこれはコスプレイベント、そのままの姿で外に出ることはできないし、そもそもこの時の気温は1°だったのでどっちみち歩いて移動はできません。
送迎バスに乗る前にはホッカイロも無料提供されました。何から何まで本当に至れり尽くせりです。
こちらが町提供の送迎バス。今回は横手駅から公民館までの送迎サービスも行ったとか。駅もなくバスの路線もろくすっぽ整備されていない地方では参加者の移動を支援する交通サービスも必須です。
こうして送迎バスで「槻の木光のファンタジー」の会場に到着したのです……が、幸か不幸かこの時期の秋田県には珍しく超！晴天で、通常なら暗くなるはずの16：00を過ぎても明るいまま。もうちょっと日が暮れないとイルミネーションが映えません…
会場ではプロカメラマンによる撮影サービスも提供されました。確かに暗い場所でイルミネーションと人物をどちらも綺麗に撮影するには技術力が必要ですからね。
17:00頃になってやっとイルミネーションが映える暗さになりました。気温1°のなか一時間も待つのはかなりキツかったですが、それも吹っ飛ぶくらいフォトジェニック！インスタ映え確実！
んふ～（きれ～い）
よく見たら槻の木に隣接する民家の軒先までイルミネーションで光り輝いていました。
それどころか神社の御神木までイルミネーションだらけ！これは撮影がはかどります。
こうしてイルミネーションとの撮影は19：00まで行われました。冬コミの極寒地獄なんて目じゃないくらい寒かったですが、通常のコスプレイベントでは絶対に撮影できない特別なショットが撮れたことでしょう。
イベント終了後にスタッフの方々にお話を伺ったところ、今回は前回の「ひらかコスプレイベント グリーンガーデン」を上回る約150人もの参加者が来場し、横手市外はおろか秋田県外から来た人もいたそうです。年明け早々、秋田県のこの時期・気温でこれだけ集客できたなんて、普通に考えたら地域活性化施策の成功例として横手市報のネタになってもおかしくない事例です。
これ市報だぜ？横手市報1月1日号、思い切ったなぁ。 pic.twitter.com/dkifkoXy2k
— 横手かまくらＦＭ☆77.4MHｚ☆ (@FM_Yokote) 2017年12月28日
そういえば今月の市報はTwitterで話題になってましたね。
昨年と今回と2回取材させて頂きましたが、産官が連携しこれだけのサービス・環境を提供しているコスプレイベントは秋田県を超えて東北全域でもかなり珍しいのではないでしょうか。秋田県および東北のコスプレイヤーさんは是非これからも秋田県横手市平鹿町にご注目下さい。
あと「槻の木光のファンタジー」はコスプレ云々関係なく普通に見応えがあるので秋田県南のインスタグラマーさんはよかったら行ってみて下さい。場所はこちら↓
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