ニューヨークで開催されたカンファレンスイベント「Engage! Expo」の展示エリアには合計40社を超える企業が出展していたが…現在の経済状況を反映してか、ブースの装飾は正直に言うとかなりショボかった。そんな中から、パッと目を引くようなブースやこれまで紹介したことのない企業のブースをご紹介したい。
日本国内から唯一出展していた株式会社プレミアムエージェンシーのブース。今回の出展に合わせてプレスリリースが出された「MAJUA」の新機能のデモンストレーションが行われていた。雨や雪の粒の遠近感や地面に雪が降り積もる感じが自然で非常にリアル。またアニメ調のオブジェクトとリアル描写のアバターを一緒に表示できるようになった。これはアニメやコミックのコンテンツとのコラボレーションに便利そうだ。
続いて超美麗なハイエンド3D仮想空間「Blue Mars」を開発中のAvatar Reality社のブース。残念ながらβテストの開始時期は3ヶ月ずれてしまったそうだが、その分機能面が強化されているようだ。ハイクオリティなグラフィックの中で大量のアバターが闊歩している”絵”は非常にインパクトがあり、多くの人が足を止めていた。なんでもサーバー側の負荷テストでは600人のアバターが同時に動作できたとのこと。
今回の出展社の中では一番派手なブースだった仮想世界プラットフォーマーの老舗Active Worlds。最近特に目立った発表はないものの、90年代から3D仮想世界プラットフォームを提供し続け、2007年には他のサービスに先駆けてFacebook用アプリを提供したりと時代を先取りした動きをしてきたため、最近また再評価の声が高まっている。画面とPOPを見た限りでは以前に比べグラフィックがかなり向上していた。
会場に入って真っ先に目につく最高の場所に出展していた仮想世界エージェンシーのElectric Sheep Company。今回は同社独自のプラットフォームである「WebFlock」をアピールしていた。現在までにテレビドラマ「Lの世界（The L World）」のアバターチャットと玩具連動型の男の子向け仮想空間「Ridemakerz」のプラットフォームなどに採用されている。ちなみに上記写真でRidemakerzの説明をしているのは一昨年Virtual World Summitで来日した同社バイス・プレジデントのバレリー・ウィリアムソン氏。
2006年の設立当時小学校5年生だったアージャン・メータ氏が立ち上げた、仮想アイテム売買市場を運営するPlaySpan社。イベントの開催日が平日だったため残念ながら社長はいなかったが（学校があるため）、今回のイベント出展に合わせ、同社では独自に調査した仮想世界経済と小額決済についてのレポートを発表した。レポートはサイト上からダウンロードできるようになっているので、興味のある方は見てみては如何だろうか？