公正取引委員会（以下公取委）が、株式会社ディー・エヌ・エー（以下DeNA）に対し独占禁止法第19条の規定に違反する行為を行っていたとして排除措置命令を行った。
公取委によれば、DeNAはMobageにソーシャルゲームを提供しているディベロッパーに対しGREEにソーシャルゲームを提供しないよう要請し、従わない場合にはMobageのサイトにリンクを掲載しないなどの妨害措置をとったとのこと。排除措置命令の概要（抜粋）は以下のとおり。
２ 違反行為の概要
ディー・エヌ・エーは，特定ソーシャルゲーム提供事業者（ 注３）に対し，ＧＲＥＥ（注５）を通じてソーシャルゲームを提供した場合に当該特定ソーシャルゲーム提供事業者がモバゲータウン（ 注６）を通じて提供するソーシャルゲームのリンクをモバゲータウンのウェブサイトに掲載しないようにすることにより，ＧＲＥＥを通じてソーシャルゲームを提供しないようにさせていた。３ 排除措置命令の概要
(1) ディー・エヌ・エーは，前記２の行為を行っていない旨を確認すること及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を，取締役会において決議しなければならない。
(2) ディー・エヌ・エーは，前記(1)に基づいて採った措置を，モバゲータウンを通じてソーシャルゲームを提供している事業者及びグリー株式会社に通知し，かつ，自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) ディー・エヌ・エーは，今後，ソーシャルゲーム提供事業者に対し，他の事業者の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスを通じてソーシャルゲームを提供した場合には当該ソーシャルゲーム提供事業者がモバゲータウンを通じて提供するソーシャルゲームのリンクをモバゲータウンのウェブサイ
トに掲載しないようにすることにより，他の事業者の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスを通じてソーシャルゲームを提供しないようにさせる行為を行ってはならない。
(4) ディー・エヌ・エーは，今後，次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 自社の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスに係るソーシャルゲーム提供事業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定
イ 自社の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスに係るソーシャルゲーム提供事業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての，役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査