2月24日(月・祝)に宮城県仙台市の国際センターにて開催された東北圏内の学生を対象としたアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」、午前中の第一部では様々な課題を解決するアプリの開発を競うコンテストでしたが、午後からはゲームを対象とした第二部が始まりました。
【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」~その1~
もともとDA-TE APPs!は、ゲーム&Tech関連企業を誘致し、地方都市でありながらTech立市であるフィンランド・オウル市との連携を強化するなどの施策を行ってきた仙台市が、市内・宮城県内の教育機関と協力し、ゲーム&Tech分野で活躍できる人材育成にも注力する過程で始まったコンテスト。過去5回の開催から多くの学生が巣立っていきましたが、回を重ねるにつれ、再挑戦したり、前回はITサービス部門に出場し、今回はゲーム部門に出場…と、複数回挑戦する意欲ある学生が増えてきました。先のレポート記事にも登場した3年連続優勝の「fishers」もまさにそんな例の一つです。
これからご紹介する「ゲーム部門」は、学生が校内で開発チームを作り、アイデア出しからの企画、実機開発、PRまで何から何まで自力で行ったゲームタイトルを対象とした一般公募の部門で、ジャンルやプラットフォームにも特に制限はありません。さらに今回は通っている学校の授業の一環でSkypeを使用した「遠隔プレゼンテーション」も行われました。
■12星座がバトルし合う「ポコスカホロスコープス」
プレゼンのトップバッターは東北電子専門学校チームが開発したモバイル向け対戦アクションゲーム「ポコスカホロスコープス」。一回のバトルにつき12星座のキャラクターの中から4種類が2対2のチームとなり、生き残りをかけて制限時間いっぱいまで”文字通り”ポコスカ”乱闘するという内容で、羊や牛といった動物からカニ、人間がリングの中で入り乱れるカオスな画面が特長です。
■ケーブルで繋がったキャラクターが協力して戦う「Drei Punkt」
2番手はヒューマンアカデミー仙台校チームが開発したPC向けアクションゲーム「Drei Punkt」(ドライ・パンクトゥ)。赤・青・緑の3人のキャラクターがフィールド上に次々と現れる敵と戦うバトルアクションですが、特長はフィールド中央にある柱を起点にケーブルで3キャラクターが繋がれていること。ケーブルの長さは一定で決まっており、例えば一人が柱の近くに寄れば、その分ほかの2人のケーブルが長くなり動ける範囲が広がります。そのため、3人がそれぞれの動きを見て臨機応変に戦法を考えつつ「協力」し、他のキャラクターの動きを考えて自分も動かなければなりません。
■笛を吹くと子供が寄ってくる音ゲー「ハーメルン」
次は授業の一環でSkypeを介して遠隔プレゼンテーションを行ったWiZ国際情報工科自動車大学校チームのリズムゲーム「ハーメルン」。画面の左側に音符が出てきて、それにピタリと合うようにボタンを押すと笛が吹けるようになり、それを上手く続けると自分のキャラクターの後ろを子供が付いてくるようになります。上手くプレイを続ければ続けるほどどんどん子供が増えていき、その人数を競うという、タイトルどおりお伽話の「ハーメルンの笛吹き」をモチーフとした作品です。
■空の星の代わりにヒトデを集める横スクロールアクション「星ホシイ」
最後のプレゼンテーションは、こちらもSkypeを介して遠隔プレゼンテーションを行ったWiZ国際情報工科自動車大学校チームのPC向け横スクロールアクションゲーム「星ホシイ」。地球にやってきた宇宙人が、海でヒトデを集めて空の星に変えていくという、世界観とデザインにこだわりが感じられるカワイイ作風の作品です。海の中にはサメなどヒトデ採取を妨害するキャラクターもいますが、テンポよくヒトデを集めていくとボーナスが発生するなど、爽快感を感じられるギミックも用意されています。
こうして全チームのプレゼンテーションが終了し、最優秀賞発表と表彰式が行われましたが…
最優秀賞に輝いたのは、ケーブルで繋がれた3人のキャラクターが協力して戦うPC向けアクションゲーム「Drei Punkt」(ドライ・パンクトゥ)を開発したヒューマンアカデミー仙台校チームでした!審査員の講評によれば、「プレイヤーにどう遊んで欲しいか一発で分かる分かりやすさ」「戦略的協力プレイの楽しさ」が決め手で、例年であればもっと審査員同士が議論を重ねるところ、今回は満場一致で最優秀賞に「Drei Punkt」が推されたそうです。見事最優秀賞を勝ち取ったヒューマンアカデミー仙台校チームには、賞状、トロフィー、賞金30万円のほか、今回のスポンサーであるTSUKUMO(ツクモ)とASUSからも賞品が授与されました。
これらのタイトルはいずれも学生たちが普段の学校の授業の傍ら開発した”作品”ですが、せっかく開発したのだから、コンテストに出品して終わりにするのではなく、各種マーケットプレイスにて配信し一般ユーザーのフィードバックを得てさらにブラッシュアップするなど、”公の場”でも発表して欲しいと思いました。
レポート~その3~に続く