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【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」~その1~

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2月24日(月・祝)、宮城県仙台市の国際センターにて、東北地域で学ぶ学生を対象としたアプリ開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」が開催されました。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs!」

「DA-TE APPs! 2020」は3日間にわたって開催される東北最大のスタートアップフェスティバル「SENDAI for Startups! 2020」のプログラムの一つであり、そのスタートを切る第一日目のイベント。新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今、同フェスティバルもギリギリまで開催するか否かが検討されたそうですが、幸い東北ではまだ感染者が出ていないこともあり、できる限りの対策を講じて全日程が決行されました。

「DA-TE APPs!」とは、宮城県仙台市と仙台・東北のIT産業振興を行うコンソーシアムのグローバルラボ仙台が若手人材育成支援事業の一環として主催している学生向けのアプリ開発コンテストです。東北の若手IT人材を育成し、かつ東北での起業を志す有能な人材を発掘することで、東北のIT産業振興を図ることを目的としており、今年で開催6回目を迎えます。当初はゲームアプリの開発のみを対象としていましたが、一昨年よりゲーム以外のアプリ開発も対象としたため、その分エントリーする学生チームも増え丸一日のイベントとなりました。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
午前中の第一部「ITサービス部門」では、身近に存在する様々な「課題」を解決するアプリを開発した学生チームのプレゼンテーションおよび表彰式が行われました。いずれのチームもグローバルラボ仙台が主催する無料開発塾「ITサービス企画開発塾」を受講し、2019年9月から約半年の間ブラッシュアップにブラッシュアップを重ねてきた強者揃い。その道のりは険しく、残念ながら途中で脱落してしまった参加者もおり、最終的には当初の申し込みの約半分のチームしか生き残ることができませんでした。

■野菜の写真からオススメのレシピを教えてくれる「Recipe+」
【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
プレゼンのトップバッターはAIコミュニティ「全脳アーキテクチャ若手の会」の東北支部が開発したAIレシピアプリ「Recipe+」。冷蔵庫の中に入っている野菜の写真を撮ると、AIがその種類と鮮度を判定し、オススメのレシピを提案してくれるというアプリで、野菜を追加するとそれに応じてさらに新しいレシピを提案してくれます。開発にあたっては、まず野菜の写真、それもいろいろな種類および鮮度の写真を集めなければならず、友人知人にお願いして開発用の写真を集めるのが大変だったそうです。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
レシピの提供に関しては、既に仙台市内の料理店や東北大学病院とも提携しており、マネタイズとしては基本利用は無料にし、レシピ提供店の店主からのレクチャーや食材管理機能、追加コンテンツの利用は月額課金にするサブスクリプション型を想定しており、3月にβ版の配布を開始し、4月に仙台市内での販売を、10月にスマートコンロなど他製品に特化したバージョンの開発を想定しています。同チームでは、ユーザー獲得に応じてさらに鮮度モデルの向上などを実施し、ゆくゆくは世帯ごとにおける食品売れ行き予測や味付けの好み推定もできるようにすることを目指しているとのこと。

■地方就活生の格差を解消するアプリ「setsuna」
【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
次のプレゼンはチーム「snoop」が開発した就活支援マッチングアプリ「setsuna」。現在、就活において採用企業が一人一人と面接するだけでなく、複数の就活生をグループに分けて課題やテーマを設定し、ディスカッションや作業をさせる「グループワーク」の導入事例が増えています。そこで当然就活生もグループワークの予行練習をしなければなりませんが、地方だとそもそも学生数が少ないため「初対面同士」というグループワークの状況を再現するのが難しく、またグループワークの練習をしたい学生同士の時間を融通するのも大変です。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
「setsuna」は、グループワークのテーマを決め、そのテーマで練習をしたい学生をマッチングするアプリ。大学の学食で使用することを想定しており、隙間時間に気軽にテーマを決めて参加者を募り、練習を終えた後にはお互いのフィードバックを投稿できる機能もあります。
マネタイズは3段階からなる年間契約の課金制で、無料ユーザーは使用期限なく利用できるものの練習の場の構築回数制限は3回まで、データ閲覧制限は最新1件のみ。年500円のユーザーは使用期限は1か月、場の構築回数は無制限、データ閲覧制限は1か月分+最新1件×目標比較データ。年1500円のユーザーも使用期限と場の構築回数は500円のユーザーと同じですが、データ閲覧は1か月分+全データ×目標比較データが可能となっています。

■店員さんに気軽に「ありがとう」を伝えられる「So Tip」
【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
次は一昨年、昨年とDA-TE APPs!連覇を達成している強豪チーム「fishers」が開発した、気軽にお店の店員さんに「ありがとう」を伝えて評価できるアプリ「So Tip」。既存のサービスでは、店舗のスタッフの評価システムはその店舗の中で完結していましたが、顧客がアプリで気軽に店員さんに「ありがとう」を伝えられるサービスを提供することで、評価に「外からの目」を入れスタッフのモチベーションアップをはかると共に、店舗に新しい顧客とのエンゲージメントの機会を提供します。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
店舗が導入する際は、アプリへアクセスするためのQRコードを店内に設置するだけ。来店した顧客は、アプリ内で評価したいスタッフの写真をタップすることでそ「ありがとう!」を送ることができます。ちょうどSNSで気に入った投稿にいいね!するようなもので、店舗側はどのスタッフにどれだけ「ありがとう!」が送られたかを簡単に把握することができます。加えて、アプリ内の店舗アカウントから顧客をSNSやWebサイトに誘導したり、アンケートやクーポン機能を利用することも可能。顧客は「ありがとう!」を送るごとにポイントがもらえ、それを貯めることで店舗からサービスを受けたり、アンケートに答えることでクーポンをゲットすることができます。

■自分の体をリモコンにできるSDK「Mecrnライブラリ」
【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
最後のプレゼンは、チーム「hogehoge」が開発した、体の動きでアプリやガジェットを操作できるようにする開発者向けのSDK「Mecrnライブラリ」。彼らは2019年12月に開催されたIoTハッカソンイベント 「Web×IoTメイカーズチャレンジ in 仙台」に参加し、顔の動きでページをめくれるロボットアームを開発して見事優勝し、今回のプレゼン権を獲得しました。しかしDA-TE APPs!出場にあたり、彼らはロボットアームというガジェットをブラッシュアップするのではなく、それを動かすためのアプリを他の開発者も利用可能なSDKとして作り込むという作戦に打って出ました。

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【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
「Web×IoTメイカーズチャレンジ in 仙台」で開発したロボットアームは、顔を左右に動かすことで本のページがめくれるというものでしたが、IoTガジェットだけでなく、ゲームや端末の操作、障害者向けの補助ガジェットと様々な分野での可能性があることに着目し、動作検知操作が可能なアプリの新規開発、および既存のアプリへの機能追加が行える開発者向けSDK「Mecrnライブラリ」にすることにしたとのこと。これを使えば、画面をスクロールしたり、動画の再生と停止をコントロールしたり、電子書籍のページをめくったりと、アプリ内の操作を画面に手を触れずに行うことができるようになります。

こうして全チームのプレゼンテーションが終了したあと、審査時間も兼ねた休憩が挟まれ、最優秀賞発表と表彰式が行われましたが…

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」
最優秀賞に輝いたのは、気軽にお店の店員さんに「ありがとう」を伝えて評価できるアプリ「So Tip」を開発した「fishers」でした!なんと3年連続優勝の快挙!ユーザーも簡単に使え、店舗側も容易に導入できるという手軽さと、顧客誘導やアンケート、クーポンの配布などビジネス展開も行える具体性などが評価されたようです。
「fishers」には賞状、トロフィー、賞金30万円のほか、今回のスポンサーであるTSUKUMO(ツクモ)とASUSからも賞品が授与されました。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」

今回の各チームのアプリとプレゼンテーションで印象的だったのは、それぞれの利用シーンが非常に具体的で、かつマネタイズまで考えられていたことです。このコンテストへの出場まで間に合わせて終わりなのではなく、この後も開発とブラッシュアップを重ね、リリースして実際にユーザーに使われるようになったらまた面白い展開になるのではないか?という「その先」にも期待したくなる内容でした。残念ながら優勝を逃してしまったチームの皆さんも、是非ここで終わりにするのではなく、アプリのリリースおよびユーザーからのフィードバックを得るところまで続けて欲しいと思います。

【DA-TE APPs! 2020レポート】コロナに負けず今年も開催!東北最大級の学生向けアプリ&ゲーム開発コンテスト「DA-TE APPs! 2020」

レポート~その2~に続く

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