2月22日(金)~23日(土)の二日間、東京ビッグサイト西ホールにてフィンランド・ヘルシンキ発祥の世界最大規模のスタートアップ・フェスティバル「Slush Tokyo 2019」が開催されました。
※本レポートには「おさわり探偵 なめこ栽培キット」シリーズのなめこが頻繁に登場しますがステマではありません。ただ単に私が好きで持ち歩いているだけです。
早いもので今年で5回目を迎えるこのイベント、”Slush”(英語で霜やみぞれ等の意味)という名称とは裏腹に、日本ではいつも春に開催されており、もはやTech系の起業クラスタの間ではすっかり知られたイベントとなりました。
それにしても、個人的に今回のSlush Tokyoは非常に残念な日程でした。というのも私、現在は宮城県仙台市在住なのですが、毎年2月の仙台市は”起業月間”と言ってもいいくらい産官学連携のもと毎週末市内のどこかで何かしら起業系のイベントが開催されているのです。つまり今回のSlush Tokyoとは日程もネタも丸かぶり!せめてあと1週間でも開催日程がずれてくれていたら…ということで、今回は日程の都合上残念ながら1日目しか取材することができませんでした。
んふんふ(しかも仙台市はSlush Tokyoのパートナーで毎回ブース出展しています。今回街のイベントとSlush Tokyoのブースの双方に対応しなければならなかった市役所は今頃屍累々といった様相でしょう。)
前回と今回の大きな違いは、イベントを主催する一般社団法人Slush Tokyo(スラッシュ東京)の代表交代です。昨年10月、Slush Tokyoのファウンダーで看板的存在だったAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン)さんに代わり、新CEOに古川遥夏さんが、新COOに柿嶋夏海さんが就任。ちなみに本家フィンランドのSlushおよび他の”ご当地”Slushである上海とシンガポールの代表も女性で、これでSlushの全ての代表が女性となりました。
CEOとCOOがいずれも女性に交代したことを受けてか、基調講演には初の女性の東京都知事である小池百合子氏が登壇。Slushはいずれの国も公用語は英語なので、登壇者は誰であろうとも英語でのスピーチが必須。小池知事も勿論全編英語で基調講演を行いました。
Slush Tokyoは毎年トレンド的なものがあるのが特徴で、昨年は”ブロックチェーン/フィンテック祭”と言ってもいいくらいセッションも出展ブースもそれらに関連したものが多かったですが、今回はそれほどでもなく、フードテックや医療など生活に根差したサービスや技術が多く見受けられました。
なお、最近の日本発のTechネタでアツいジャンルと言えば…
んふんふ!(そう!VTuberです!)
2日目の2月23日(土)、Slush Tokyo 2019の最後を締めくくるステージとして、メインステージにて人気バーチャルYoutuberのKizuna AIさんによるライブが披露されました!残念ながら私は見ることができなかったのですが、コンテンツ・キャラクター系やVR系のイベントではない世界的なビジネス系イベントにVTuberが登場って何気に凄い事例ではないでしょうか?なんとかこのVTuberムーブメントがフィンランドをはじめとする欧州にももっと広まって欲しいものです。
以下は会場の一部を収めた写真になります↓
ただセッションを行ってブースを並べるのではなく、会場内に現代アート作品を並べてシャレオツなギャラリーのように装飾するのもSlushの特徴。それはSlush Tokyoも同様で、会場のあちこちにサイバーな雰囲気の作品が展示されていました。これらはフィンランドのアーティストの方が描いた作品。近くに設置されたブラックライトで鮮やかに発色し、会場の雰囲気をより一層盛り上げていました。
こちらも蛍光カラーをふんだんに使用したオブジェ作品なんですが、よ~く見ると材料はバラバラに分解されたFAXのパーツで、ペーパーパラダイムに対するルサンチマンを表現した作品ではないかと勘繰ってしまいました。Die FAX Die!!
そうしたサイバーな作品が展示されている一方、このように森を思わせる植物でいっぱいなステージもあれば…
組子細工で装飾したステージもあり…
ミーティングエリアは木のブランコだったり…
日本とフィンランドに共通する森林文化と「木」の文化を反映したかのような場所もあり、その対比が醸し出す雰囲気も非常に面白かったです。
んふんふ(フェスご飯の定番タコライス)
これはもう何度が書いていることですが、Slushは敢えてバブリーでキラキラでパリピな雰囲気を全面に押し出した「ロックフェス」なんですよね。ミュージシャンの代わりに起業家や投資家がステージに登場してクールに英語でスピーチをキメるロックフェス。こうして新しいビジネスに挑戦する人をロックスターのように見せ、「場」そのものをロックフェス風することで「会社設立なんてバンドを組むようなもんだ!だからバンド感覚で何かビジネスをやれ!」と、起業を夢見ている人、特に若者をアジっているのでしょう。
これから少しずつ実際に見ることができたブースのレポート記事をUPしていきますのでどうぞお楽しみに!