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【レポート】全国に先駆け一番乗り!スマホアプリ開発ハッカソンコンテスト「SPAJAM 2018」仙台予選レポート

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4月28日(土)~29日(日)の二日間、NTTドコモ東北支社にてスマートフォンアプリを2日間のみで開発するハッカソンコンテスト「スマートフォンアプリジャム2018(通称SPAJAM)」の仙台予選が開催されました。

【レポート】全国に先駆け一番乗り!スマホアプリ開発ハッカソンコンテスト「SPAJAM 2018」仙台予選レポート

「SPAJAM」は一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムとスマートフォンアプリジャム実行委員会が2014年より毎年開催しているチーム戦のハッカソンコンテストで、本戦で優勝したチームにはシリコンバレーを視察できるスペシャルツアーをはじめとする特典がプレゼントされます。また、そもそも”スマートフォン(Smartphone)アプリ(Apps)を開発するJam”だから「SPAJAM」という通称のはずなのですが、それを温泉(SPA)にかけて本当に温泉で本戦を開催しているのもこのコンテストの特徴で(今年はCOLONY箱根で開催)、チームでの開発勝負だけでなく、オープニングパーティや温泉旅館ならではの食事、そしてもちろん温泉も併せて楽しめます。ちなみに今年は全国6地域9会場(札幌、仙台、東京、東海、大阪、福岡)で予選が実施されますが、ここ仙台は全国に先駆け一番乗りでの開催となりました。

【レポート】全国に先駆け一番乗り!スマホアプリ開発ハッカソンコンテスト「SPAJAM 2018」仙台予選レポート
参加チームの皆さん。やはり地元の学生が多かったですが、普段は別の地域で働いていて出身が仙台という社会人チームの参加もありました。

予選のスケジュールは以下のとおり。

【第1日目】
9:30  開場
10:00~ 開会(挨拶・趣旨説明・テーマ発表)
10:20~12:00 アイデアソン
12:00~20:00 ハッカソン

【第2日目】
10:00~13:00 ハッカソン
13:00~ プレゼン(各チーム、質疑含め10分程度)
審査・表彰式
17:00~ 交流会

各予選ごとにアプリのテーマが設定されており、それに沿ったアプリになるようアイデア出しから初め、合計25時間でちゃんと動くアプリを1本作らなければならないというなかなかハードなスケジュールです。仙台予選のテーマは「観光」。日本国内の観光客を対象とするのか?それとも外国人旅行者か?旅行時の困りごとを解決するアプリにするか?はたまた旅行をさらに楽しくするアプリを作るか?ただ「観光」とお題を出されても迷ってしまいますね。

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ということで、まずは思いついたアイデアを片っ端から書いていくアイデアソンをやるのですが、それらをよ~く見てみると…

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「投票でケンカをなくして楽しい観光をしよう」

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「観光地での喧嘩解決を的確に行う」

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「観光地でけんかさせないアプリ」

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仙台の開発者は旅先でそんなにケンカしてんのか!
…と、全体的に問題解決型アプリのアイデアがたくさん出てきていました。

このアイデアソンのあと、28日(土)12:00~29日(日)13:00までガッツリ開発。会場の都合上、2日間まるまる缶詰になるわけではありませんでしたが、ほとんどのチームは帰った後も開発を行っていたようです。

こうして開発されたアプリはこちら!

■観光写真の”楽しそう感”で対決する「観光対戦」(チーム:WD)
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チーム「WD(ワールドドミネーション)」は、”観光”と言っても実際にはあまりたくさんの場所を周ることはできず、だからこそ数少ない観光をより一層楽しいものにしたい、という観点から、旅行先で撮影する写真を使い、同じスポットを観光した他の人達とどちらがより楽しめたかを勝負する対戦アプリ「観光対戦」を開発しました。

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「観光対戦」は、アプリを起動して楽しそうな雰囲気が感じられる観光写真を撮り、その後、端末のGPS機能を使ってその地域の写真を撮っている”対戦相手”を検索、見つけた対戦相手の写真と”勝負”して勝敗を決するという内容。画像認識にはGoogleCloudVisionを使用し、どちらの表情がより楽しんでいるかを数値化して競い合います。つまり「笑顔」がたくさんある写真の方が有利になるというわけですね。

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このように画像認識により「楽しみ度」が数値として示され、それがより多い方が勝ちとなります。笑顔の数が多い方が有利になるので、一緒に旅行している仲間との集合写真を撮ると勝てる確率が上がりますが、もし一人旅の場合でも、そこら辺にいる他の人と一緒に撮って勝負することもできるので、それにより旅先での出会いとコミュニケーションを創出する狙いもあるのだとか。

■感情を読み取って観光地をオススメする「感情アテンダー」(チーム:YBOYと仲間たち)
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チーム「YBOYと仲間たち」は、旅先での様々なトラブルにより仲間内で嫌な空気になってしまい、旅がネガティブな思い出として記憶されてしまう問題に着目し、その嫌な空気を素早く払拭できるような「空気を良くするスケジュール」を提案するアプリ「感情アテンダー」を開発しました。

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「感情アテンダー」もまた画像認識技術を活用しており、その時のユーザーの表情から感情を分析して、それに合った旅のスケジュールを提案します。例えば悲しい顔をしている時は一旦落ち着くために喫茶店を、楽しい表情の時はもっと盛り上がるために娯楽施設をと、その土地ならではのスポットをオススメしてくれます。

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デモでは悲しそうな顔1人、楽しそうな顔2人から「もっとみんなで楽しみましょう」と仙台市内の遊園地「八木山ベニーランド」がオススメされました。その時の感情を起点に、嫌な空気を払拭するという問題解決だけでなく、予定外の思わぬスケジュールの提案やまだ知らない観光スポットとの出会いも狙ったアプリなのだそうです。

■知らない観光地をクイズで知ることができる「未知見知観光クイズ」(チーム:Zeal II)
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チーム「Zeal II」は、まだあまり知られていない知名度の低い観光地をまずは「写真」という視覚情報から知ってもらい、それに名前や場所といった情報を付随させるクイズアプリ「未知見知観光クイズ」を開発しました。

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プレイは簡単で、アプリ画面で示された画像を見てその所在地を答えるというものですが…どの写真にも具体的に県名を特定できる要素はまるでなく、実際にそこに住んでいる人でなければ特定不可能なものばかり。でもすんなり正解できるかどうかはさほど問題ではなく、むしろ間違えたことで「この県にはこんな場所もあるのか」と知ってもらうことこそがこのアプリのポイントです。

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それぞれの観光地の写真にはWikipediaやGoogle Mapsが紐づけられており、タップして詳細情報をチェックしたり細かい所在地やアクセスを知ることができます。さらに今後は都道府県の公式サイトから写真を入手し、リンクの情報や風景の魅力を引き上げたいという展望もあるとのこと。

■旅人と地元民を結びつける「Meshi tomo」(チーム:スマホアプリ開発科)
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チーム「スマホアプリ開発科」は、「ご飯が一人で寂しい時がある」「一人だと入りづらい店がある」といった一人旅の悩みを解決するマッチング系アプリ「Meshi tomo」を開発しました。ズバリその悩みの解決方法は…

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「二人にします!」
単純明快!

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具体的な使い方は、Google Maps上で近くにいるユーザーを探し、メッセージを送信してご飯に誘い、地図を使って合流するというもの。ぶっちゃけ既にある位置情報連動型の出会い系アプリとそんなに変わらないんじゃないか…という気もしますが、あくまでもこのアプリは「旅行」を切り口にしているのが特徴。今後は性別や年代などでのフィルタ機能を実装し、一人旅・またはグループ旅と地元民を繋げる「CtoC」や一人旅と一人旅応援店を繋げる「CtoB」といった旅人と地元民を繋げることも想定しているとか。

■お土産を画像から解説する「DETECTIVE NANAKO」(チーム:全脳アーキテクチャ若手の会東北支部)
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チーム「全脳アーキテクチャ若手の会東北支部」は、画像認識技術によってお土産の名前やその特徴を外国人観光客向けに説明するアプリ「DETECTIVE NANAKO」を開発しました。

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画像認識でそれが何なのかを教えてくれるアプリは既にありますが、日本のご当地お土産は種類が多く、それぞれ形状も名前も特殊なので一つ一つを正確に識別するのはほぼ不可能。そのうえ品名のほとんどは日本語で、地方に行けば行くほど他言語のPOPも掲示されておらず、外国人観光客も日本語が分からなければ検索して調べることができません。

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「DETECTIVE NANAKO」は、画像にタグ付けを行い独自のモデルを作成し、そのモデルと画像の特徴量を比較して、どのモデルにより近いかを判断することができるWeb APIサービス「Custom Vision Service」を活用し、仙台のお土産を認識して英語で説明を表示します。例えばこの写真の最中にもちゃんと「Beans jam filledied waffle(豆のジャムがつまったワッフル)」と説明文が出ていますね。

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なお、このチームは外国人と一緒に住んでいる友達に協力してもらい、時間が限られていたにも関わらずプロモーションビデオ的なものまで制作し、審査員からも高く評価されていました。

出場チームはこれら5組で、ゲーミフィケーション的なものから問題解決型と見事にアプリのタイプが被らずバラエティ豊かなラインナップとなりました。この中で最優秀賞に輝きいち早く本選出場の切符を手に入れたのは…

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観光写真で対戦する「観光対戦」を開発した「WD(ワールドドミネーション)」でした!複数人数で撮った写真ほど得点が高くなるゲーム性、勝利時にポイントを獲得することでアプリ利用のモチベーションにつなげる工夫、さらに観光旅行に付加価値を付け、現地での出会いの創出をも考えられている点などが評価されました。加えて、プレゼン時に寸劇を交えて観光地での対戦を分かりやすく表現したことも勝利のカギとなったようです。ハッカソンイベントはアプリの完成度だけでなく最後のプレゼン力も試される場なんですよね。

他にも、優秀賞としてお土産解説アプリ「DETECTIVE NANAKO」を開発した全脳アーキテクチャ若手の会東北支部が選出されました。こちらは「外国人観光客に対するおもてなし」という問題解決型アプリとしての必要性や、写真を撮るだけというシンプルなUIなどが評価されました。

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出場者の皆さん二日間お疲れ様でした!

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最優秀賞に輝き全国最速で本戦出場を決めた「WD(ワールドドミネーション)」の皆さん。本戦も頑張って下さい!

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