Slush Tokyoには企業や団体、地方自治体による大小様々なブースが出展していましたが、その中でも最も”日本ならでは”なプロジェクトやプロダクトが多く展示されていたのがこちらのパナソニックによる「100BANCH」共同出展ブースでした。
「100BANCH」とは、パナソニックが創業100周年を迎えることを機に構想がスタートした”未来を作る実験区”で、若い世代と共に次の100年につながる新しい価値の創造に取り組むための活動を行っています。東京・渋谷にイベントスペースやワークスペース、ダイニングキッチンを設けた拠点を構えており、ここで若い起業家に各分野のトップランナーによるメンタリングの機会を提供するなどの支援を行っています。
■子供向け木製ロボット「HACO」
こちらは株式会社Yokiが開発する木製のロボット「HACO」。オープンソースで作れ、そのため5万円未満という学生でも手が届きそうな低価格を実現。現時点では学生のプログラミング学習用の教材として展開しており、ロボットを動かすためのプログラミングから、実際にロボットを組み立て、色を塗ったりパーツを加えたりする工作まで「もの作り」の全工程を学べる教材として活用されています。
こちらがHACO開発用のプログラミングソフト。子供向けプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」のようにブロックを組み合わせるビジュアルプログラミング形式ですが、その横にリアルタイムにコードも表示されるのが特徴。これで子供たちはプログラミングの基本的な考え方から実際のコードの書き方まで学ぶことができます。
■漫画っぽい翻訳機「Fukidashi」
こちらは漫画のセリフを表示する「吹き出し」の形をした翻訳機で、その名もズバリ「Fukidashi」。京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab の櫛勝彦教授と情報工学専攻の岡夏樹教授の学生グループ、およびパナソニックが共同で取り組んでいるプロジェクトで、言語の壁によって自然なコミュニケーションが生まれにくい海外出身の方との会話の中に、相手に話しかける”きっかけ”を提供することで何気ないカジュアルな会話や交流を生むことを目指しています。
使い方は、会話の際にスタンドを付けて顔の傍に置き喋るだけで、本当に漫画の吹き出しのようです。音声認識で会話を翻訳し、相手側に向いたディスプレイに翻訳したテキストを表示します。
実機をよく見ると実際はAndroidタブレットなんですが、これが最初から吹き出しの形をしているのがシュール&インパクトあり過ぎ。これを持ち出して会話すれば、確かに会話も弾みそうです。
■オシャレなふんどしを世界に!「ふんどし部」
この100BANCHブースで最高の場所に出展していたのがこちらの株式会社ふんどし部。既にふんどし界隈では有名なスタートアップで、ふんどしの世界的展開を目標に、パッケージデザインからこだわったファッションアイテムとしてオシャレなふんどしの製造・販売やコンサルティングを手掛けており、昨年10月には世界初のふんどしファッションフェスティバルも開催しました。なお、ブース前に立っているのはマネキンではなく、同社CEOの星野雄三さんです。
ブースでは実際にふんどしの販売も行っていましたが、フィンランドから来た本家Slushのアンバサダーが10着まとめ買いしていったそうです。これからフィンランドでふんどしが流行るかも?
また、海外からの参加者にもふんどしを履かせまくっていたそうで、全日程終了後にはブースでこんな記念撮影も行っていました。スタートアップフェスでこんな光景が見られるとは、確かに日本ならではですね。