イベントレポート レポート

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート

更新日:

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート

2月6日(火)、宮城県仙台市の東北大学の施設「スタートアップガレージ」にて、毎年春に開催されているフィンランド発の大型スタートアップイベント「Slush Tokyo」と東北のスタートアップコミュニティ「OHU ノ MORI」の共催により、フィンランドの世界最大級のスタートアップ・フェスティバル「Slush」の日本版「Slush Tokyo」の学生ボランティアを募るオフィシャルサイドイベント「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」が開催されました。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
イベントのナビゲーターは自身も明星大学に在籍しつつSlush Tokyoのボランティアスタッフオペレーションを務める田村一真さん。

このイベントは、Slush Tokyoのボランティアスタッフを募りつつ地方の学生にもSlush Tokyoやその”本家”のフィンランドのSlushの熱気を伝えるもの。Slush Tokyoは非営利で学生を中心としたボランティアスタッフによって運営されていますが、メンバーは東京在住・在勤者には限っておらず、地方在住の人にも門戸を開放しています(普段のミーティングにはSkypeなどを利用)。今回の会場が東北大学の施設だったこともあり参加者のほとんどは同大学の学生でしたが、日本人の学生だけでなく留学生も多数参加しており、少人数ながらもSlush Tokyoのグローバルな雰囲気に通じるものがありました。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
イベント冒頭、まずはSlush Tokyoの概要や開催意義が説明されました。「Slush Tokyo」は2015年春よりスタートし(当時の名称はSlush Asia)今年で4回目を迎えますが、開催当初より

1.「最初からグローバル」をあたりまえにしたい
2.イノベーションを生むコミュニティを作りたい
3.「スタートアップはカッコいい」を見せたい

の3点を開催意義に掲げていました。というのも、日本国内のビジネス系のカンファレンスイベントは登壇者も参加者も皆スーツを着ていて、スピーチもパワポ資料を見ながらただそれを読み上げるだけで、終わったら名刺交換の行列ができて…という、堅苦しいというかぶっちゃけダサいものがほとんどです。しかし本家のSlushにせよSlush Tokyoにせよ、会場のセッティングから演出まで何から何までスタイリッシュかつバブリーでまるでロックフェスのよう。これは「起業家はロックスターみたいにカッコいい存在なんだ」と目に見える形で示すためで、世界的に活躍する起業家を身近に感じてもらうとともに、キャリア選択の一つとして起業を視野に入れる人を増やす目的もあります。ちなみに本家Slushでは、照明演出に使用するレーザーをフィンランド中から搔き集めてもまだ足りず、EU中のレーザーをレンタルして会場セッティングしているそうです。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
ここで世界の起業家の傾向についてのデータが示されました。海外も日本も起業件数は年々増えているのですが、起業家の平均年齢を見ると、アメリカが40歳、イギリスが44歳に対し日本が47歳と、日本の起業家には”大人”が多いことが分かります。これはネガティブなことではなく、日本では早期退職したり定年まで勤めあげたり、子育てが一段落した後に自分でビジネスを始める意欲旺盛な中高年が多いことの表れですが、やはり他国に比べて起業家すら高齢化が進んでいるのは寂しいもの。Slush Tokyoがこうして積極的に学生にアピールしているのには、ボランティアとして参加することでスタートアップや起業家を身近に感じてもらい、将来の進路として起業を具体的に考えて欲しいという意図もあるのです。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
昨年のSlush Tokyo 17の実績はこのとおり。2日間の会期中に世界中から5000人の参加者、530社のスタートアップ、200人の投資家、250人のジャーナリストが集い過去最高の動員数に達しました。本家Slushの動員数2万人に比べたらまだ規模は1/4ですが、それでも日本国内のスタートアップイベントとしてはかなり巨大と言えます。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
来場者は日本国内在住者だけではなく、海外からも全体の30%にあたる1287社が参加、投資家に至っては64%が海外と日本の投資家より多かったほど。エグゼクティブも30ヵ国・地域から集まり、2人に1人が海外からの参加者でした。このようにグローバルなイベントなので、Slush Tokyoをきっかけとした国をまたいだ投資やパートナーシップ実績も生まれており、Nokiaと仙台市の連携協定もここで実現しました(過去記事はこちら)。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
こうして着実に日本のスタートアップ・コミュニティに影響を与える存在となりつつあるSlush Tokyoですが、その運営は非営利で実務の大半はボランティアスタッフによって行われています。昨年は500人のボランティアがSlush Tokyoを作り上げ、中には高校生スタッフもいたとのこと。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
興味深いのは、このボランティアスタッフでさえ世界中から集まっていること。ほとんどは日本の大学で学んでいる留学生ですが、中にはSlush Tokyoでボランティアをやるためだけにわざわざ日本まで来た人もいたそうです。こうした海外からのボランティアは、本家Slushや自国の”ご当地”Slush(現在は中国とシンガポールでも開催)とはまた異なる「日本ならでは」の雰囲気を求めてやって来るのだとか。

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
どうしても地方に住んでいると東京のビジネス系イベントは遠い存在のように感じてしまうかもしれません。とは言え、海外からボランティアをしに来る人がいて、しかもそれでつつがなくイベントを開催できるくらいですから、同じ国内ならむしろ日本語で打ち合わせできる分ぜんぜん余裕なんじゃないでしょうか。なお、グローバルなイベントですがボランティアスタッフの語学能力に条件はなく英会話も初心者レベルで大丈夫とのことなので、意欲のある東北の学生さんはSlush Tokyoでボランティアしてみませんか?応募ページはこちら

【レポート】Slushの熱気を地方の学生にも発信! 「Sendai × Slush Tokyo Volunteer Info Session」レポート
ところで今回のイベント会場として使用された「スタートアップガレージ」は、2030年までに東北大発のベンチャーを100社排出することを目指している学内施設なのですが、ホームセンターで売られていそうな木材を組み合わせてインテリアが作られていたり、ペイントも手塗りのラフな感じだったり、ホワイトボードに何か書かれていたりと”手作り感”があり、フィンランドのアールト大学内の施設「Design Factory」に近い雰囲気を感じました(訪問レポートはこちら)。いっそアールト大学と東北大学で何かコラボでもすればいいのに!

-イベントレポート, レポート
-, , , ,

Copyright© vsmedia , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.