AppleのiOS 11に実装されたAR機能「ARKit」を活用した道案内アプリ「HotStepper」が話題になっていたので、フィンランド渡航の機会を利用して実際に現地で使ってみました。このアプリは、iPhoneやiPadのカメラを道にかざしながら歩くと、画面上に3DCGのキャラクターが登場して目的地まで道案内してくれるというもの。しかしその”キャラクター”がクセ者です。
HotStepper from Nexus Studios on Vimeo.
どういうことなの…
そう、このアプリの特徴は、海パン、サンダル、サングラス、帽子のみを身に着けた半裸の小太りなオッサンが、軽快にステップを踏み、さらに時折踊りながら目的地まで道案内してくれること。なぜそんなキャラにしたのか?動くキャラが道を先導してくれるというのは非常に良いアイデアだと思うんですよ。誰かと一緒に歩くことで、地図アプリだけではイマイチ分かりづらい道のりも視覚化されるし。それにしたって、例えばかわいいマスコット的なキャラでも良かっただろうし、水着姿でも女の子のキャラにすればもっと人気が出たかもしれません。なのになぜ小太りのヒゲ面のオッサンなのか?
何はともあれものは試しです。早速アプリを起動してみましょう。
まずアプリを起動したら、周囲の景色を映してカメラに”地面”を認識させます。これを最初にやっておくことでよりリアルにオッサンを出現させられるというわけです。そして地面の認識が終わると…
出てきやがった。ちなみにスクリーンショットではお伝えできませんが軽快なBGM付きで雰囲気もハイテンションでハッピーです。
出てき直後の動画↓
認識が終わるとすぐにパッと出てくるので一瞬驚きます。
次に目的地を設定します。上のスクリーンショットでオッサンの顔が表示されているところが現在位置なので…
そこから地図を移動させ、今回はヘルシンキ中央駅前を目的地に指定しました。目的地が決まったらLet's go!
オッサンは自動的に自分の数歩先を歩き、一定の距離以上離れると「ついてきてる?」と言わんばかりに振り返って後ろ向きに歩いたり、自分が追いつくまで止まって待ってくれます。この機能がなかなか優れもので、例えば車の往来が激しい道で足止めされたり長い信号待ちがあっても急いで追いつこうとしなくて大丈夫です。
さらに道のりに曲がり角がある場合はオッサンのさらに先に矢印が表示されます。次にどう進めばいいのか迷わずに済む親切設計!
……と、道案内アプリとして普通に便利だし、オッサンのアニメーションは滑らかで描画も自然だし、優れたアプリではあるんですよ。しかしよくできているからこそ起動している最中の”絵”が面白過ぎます。
起動中の動画↓
このBGMがまた何とも言えない良い味を出してます。
なお、これを先日訪問したスマホゲーム「Angry Birds」の公園「Leppävaaran Angry Birds-puisto」で起動してみました。
事案発生
むしろこの時誰もいなくてよかった。下手に子供が写り込んでいたらシャレになりませんでした。
…とまあこのように、道案内云々関係なく、いろいろな場所に半裸小太りのオッサンを出現させて面白がるおバカARアプリとしても十分楽しめるアプリです。あと今後、アプリ内課金でキャラクターを増やせたり、キャラクターを着せ替えたりできるようになったらもっと人気が出るんじゃないかと思いました。出来が良いわりにはダウンロードは無料なので、是非皆さんも周囲に半裸小太りなオッサンを出現させてそのシュールな光景をお楽しみ下さい。