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【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

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今年は「会場を歩けばXRに当たる」状態だったフィンランドのスタートアップ・フェスティバル「Slush 17」、実際に体験したXR系出展ブースの様子を片っ端からお伝えするレポート(その2)です。

(その1)はこちら

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
こちらは台湾から参戦したARスマートグラスの開発を手掛けるスタートアップのChaseWindのブース。同社のARグラスの特徴は「自転車専門」であることで、サイクリストが使用している既存のサングラスに取り付けられるようになっています。主な搭載機能は、Bluetooth接続、GPSナビゲーション、ボイスチャット、SOSアラートの通知、速度表示、心拍数表示、動画撮影・ストリーミングなどで、野外で一人で活動しがちなサイクリストの万が一のときの身の安全を守るためのIoTガジェットです。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
サングラスに取り付けて前方を見ると、このように視界に今自分が何キロで走っているかなどの情報が表示されます。この写真ではちょっと分かりづらいですが、レンズ自体は小さいながらもクリアに見え、かつ視界を遮らないギリギリのサイズに収められています。なんでもCEOのWilliam Suさんが実際に自転車で転んだことをきっかけに開発に着手したのだとか。既に台湾を超え米シリコンバレーでも活動しており、IoT関連のアワードの受賞経験もあるそうです。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
こちらはフィンランドで60年以上の歴史を持つ石油会社のnesteが提供している、昔ながらのコマとマップを使ったボードゲームとシムシティ的な街づくりシミュレーションゲーム、ARを組み合わせた子供向けの教育ゲームで、小学校の社会の授業に活用されています。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
使うのは、紙のマップと様々な施設のコマを収めたカプセル、専用アプリをインストールしたスマートフォン/タブレットの3つ。コマは3Dプリンタ製のようです。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
コマのカプセルの蓋にはそれぞれ異なるデザインの模様が描かれていますが、これがARマーカーとなっており、マップ上の使いたい場所に置いてアプリを起動した端末のカメラで読み込むと…

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
蓋のARマーカーを認識し、画面上に各施設の概要が表示されました。こうして子供たちは実際にマップ上にコマを置くことによって施設ごとの役割や使用の際のメリット・デメリットを知ることができます。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
例えば、街の人口を手っ取り早く増やしたい場合は家やマンションをガンガン建てればいいし、住民の満足度を高めたければ文化施設やスポーツ施設を建設すればいいですが、そうすると維持のため電気の使用量が増え、それをまかなうための発電所がたくさん必要になります。しかし風力発電はクリーンだけれども風任せでコストの割には電力の安定供給ができず、火力発電は安定供給できるけれども石炭が必要で二酸化炭素も排出する、原子力発電は事故が起こったら大惨事になる危険性があり、水力発電をするには落差のある川が必要…と、どれも一長一短あることが分かります。石油会社が敢えてこうした教育ゲームを提供しているのは、石油という限りのある資源を扱っているからこそ持続可能な仕組みづくりとその教育に貢献しようという企業理念があるからでしょう。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
Virtual Forestは、ヘルシンキ大学の研究チームとフィンランド森林科学省、同国のIT企業のtietoとのコラボレーションによって開発・提供されているHTC Viveを使った”森林間伐シミュレーション”。同国の魅力の一つである美しい森を維持するには、若い木にも十分に日光が行き届くようにある程度育った木を適度に伐採して隙間を開け、切った木を材木として売らなければなりませんが、やたらめったら切ったところで利益は上がりません。このVirtual Forestでは、どの木が間伐に適しているか?またどの木を切れば材木としていくらで売れるか?をシミュレーションすることができます。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
VRの森は、実在する森をドローンで計測してそのデータをもとにUnityで再現したそうで、なだらかで苔むしたところがあるかと思えば、起伏が激しく岩がむき出しになった荒々しいところもあったりと様々。体験者はVRの森の中をワープして間伐できる木を探します。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
Viveコントローラーをポインターのように木に向けると、その木が材木として売れるまで育っているか?売ったらいくらになるかが視界に表示され、伐採する際はコントローラーをチェーンソー代わりにして切ります。切る際はいちいちチェーンソーのような音まで出て雰囲気はバッチリ。このコンテンツは現時点では森林所有者向けの森林計画トレーニング的なものだそうですが、将来的にはVR空間をプラットフォームに材木の売買まで行えるようにする計画とのこと。

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)

【Slush 17レポート】どのエリアを歩いてもXRだらけ! Slushで見かけたXR系ブースのレポート(その2)
3D BEARは、3Dモデリングからそのデータを使ったAR、VR、3Dプリンタ出力、それを使った電子工作と"3D"に関するモノづくりの全てを子供たちに教えるヘルシンキ拠点の教育プラットフォーム。これまでにフィンランド国立教育庁や同国内の小中学校、高専、図書館とコラボレーションしてワークショップを実施しているほか、現在はフィンランドを超え米カリフォルニアのパロアルト高校の授業にも採用されています。学校や団体に所属していなくても、7日までならサイトから無料お試しが可能になっています。

この他にもまだまだXR系ブースがあったので次は(その3)にてご紹介致します。

Slush 17全レポート記事はこちらから
2017年フィンランド渡航に関する記事はこちらから

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