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【TGS2017】何もないはずなのに柔らかい…東北学院大学とケイズデザインラボがVRで「ナマコ」に触れる触覚インタラクションを出展

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【TGS2017】何もないはずなのに柔らかい…東北学院大学とケイズデザインラボがVRで「ナマコ」に触れる触覚インタラクションを出展

VR空間内のものや人に実際に触れることができたら…VRコンテンツを体験したことのある人なら誰でも一度は考えたことがあるでしょう。そんな「夢の技術」を実現したVRデモが東京ゲームショウ2017のVR/ARコーナーに出展されていました。ただしそれは「ナマコ」東北学院大学ケイズデザインラボが共同で研究開発した触覚インタラクションです。

【TGS2017】何もないはずなのに柔らかい…東北学院大学とケイズデザインラボがVRで「ナマコ」に触れる触覚インタラクションを出展

こちらがブースのセッティング。VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)とともに木の板と3D SYSTEMSのロボットアーム「Geomagic Touch」が置かれており、来場者はVR HMDをかぶってGeomagic Touchに装着されている木の棒をペンを持つような感覚で握って動かすことでナマコとふれあうことができました。

【TGS2017】何もないはずなのに柔らかい…東北学院大学とケイズデザインラボがVRで「ナマコ」に触れる触覚インタラクションを出展

ナマコとのふれあい時間は約3分で、その間、ざらざらしたナマコの表面がツルツルになったり、硬さが変わったりと異なる触感を楽しめました。普段Geomagic Touchは3Dモデリングツールでの彫刻や医学生の手術の練習などの”作業”に使用されるものですが、このデモの興味深い点は、VR空間に於けるナマコの3DCGの変化とGeomagic Touchが完璧に連動していたことです。ナマコの柔らかさはGeomagic Touchの挙動が作り出しているものですが、それをギュっと押し込むと、VR空間内にいるナマコの体もギュっとへこんで体表のテクスチャもそれに追従します。なお、ナマコの3DCGは本物のナマコを3Dスキャンして作ったそうで、体表の細かい模様に至るまでリアルに再現されていました。

それにしてもなぜナマコなのか?ブースで聞いてみたところ、その着想は水族館の「ふれあいコーナー」だったとのこと。水族館のふれあいコーナーは、水槽越しに生物を見るだけの通常の展示とは違い、実際に生物に触ることでダイレクトに生物の生態について学ぶことができる子供に人気のコーナーです。しかし本物のナマコはデリケートな生き物で、長時間水のないところに出しっぱなしにしたり、強く押したりなど手荒に扱うとすぐに弱って死んでしまいます。そこで、いくら触っても大丈夫で、かつ「触ったらいけないものを敢えて触る」楽しさを考えた結果、ナマコというモチーフに行きついたのだとか。現時点では特に具体的な展開は決まっていないとのことでしたが、これが水族館の展示に導入されたらきっと子供は大喜びするんじゃないでしょうか。

それにしてもこの”ナマコ触覚VR”、周りに派手なゲーム系のブースが立ち並んでいるなか、ただテーブルにVR HMD、モニター、Geomagic Touch、木の板が置かれているだけのシンプルなセッティングにも関わらず待機列60分待ちとかなりの人気ブースとなっており、「VR+触覚」に対する来場者の興味・関心の高さが伺えました。

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