学生の皆さん、夏休みの宿題はもうお済みですか？8月もそろそろ終盤に差し掛かり、夏休み終了まであとわずかです。ちなみにここ秋田県は昔から他の地域より1週間くらい早く夏休みが終わるため、学校では既に二学期が始まっています。秋田県は学力日本一で知られていますが、きっと子供達は「頭なんか悪くていいから休ませろ！」と思っていることでしょう。
さて、今回は夏休みの自由工作をさっさと終わらせるのにピッタリな子供向けハンドメイド玩具「3Dドリームアーツペン」をご紹介したいと思います。
私が購入したのはレッドが1本入った「PET SET」。
この「3Dドリームアーツペン」は、樹脂にLEDライトを当てて硬化させ立体物を作ることができる3Dプリンティングペンです。3Dプリンタ用のフィラメントを使用し、高熱で溶かして押し出しグルーガンのように立体物を作れる3Dプリンティングペンが既にいくつかリリースされていますが、それだと非常に高温になるため子供には危険です。それに対しこの「3Dドリームアーツペン」は光で樹脂を固めるので発熱せず安全なのが特徴。特殊な樹脂がセットされた専用のペンと可視光線LEDを採用した「マジカルライト」、様々な絵柄の見本が記載された「デザインシート」で構成されており、デザインシートの絵に沿って専用ペンから樹脂を出してラインを引き、マジカルライトを約1分間照射することで樹脂が固まり立体となります。ライトはUVではないとのことですが、どういった原理で樹脂が硬化するんでしょうね？
試しに円を描いてみたところ。パッケージの写真のように色付きグルーくらい色が濃いと思っていたのですが、実際のところ樹脂は透明度が高くクリアーレッドといった感じでした。樹脂の粘度は「UVレジン以上グルー未満」程度で、樹脂として粘度は高いものの硬化させずに放っておくと徐々に広がってのっぺりしてしまいます。またグルーガンと同様に均一な綺麗な線を描けるようになるには結構慣れが必要です。
ライトを当てると瞬時に硬化が始まりますが、完全硬化までにはやはり説明書のとおり1分必要でした。ライトの当て方が足りないと硬化してはいるもののベタついた質感になってしまいます。なので広範囲に描いてからライトを当てるのではなく、狭い範囲を描いたら小まめにライトを当てた方が造型しやすいでしょう。
完全硬化したところ。硬化した後はカチコチになってハードタイプのUVレジン程度の硬さになるんじゃないかと勝手に思い込んでいましたが、意外にも多少の曲げ伸ばしに耐えられる柔軟性がありました。こちらも粘度と同様「UVレジン以上グルー未満」といった感じです。
…で、ここまで試してひらめいた。これでドール用の仮面が作れないかと。私はこのサイトの運営の他に仮面作家としても活動しており、人間や人形用の仮面を作ってはイベントで販売しているのですが…
作品例。株式会社ボークスが販売する「スーパードルフィー」という人形に合わせて仮面を作っているのですが、どういうわけかレアなめこぬいぐるみのなめこ（通称インスタなめこ）にもピッタリなんですよ。
その作品製作の素材としてこの「3Dドリームアーツペン」を応用できるのではないかと思いつきました。私が買ったセットは線を描いて動物を作るデザインシートしか入っていませんが、そもそも樹脂なんだから広い「面」を作ることもできるはずです。しかも瞬時に硬化が始まるのだから、薄い面の造型も可能なはず…
ということで、スーパードルフィーのヘッドにアルミホイルを被せて「3Dドリームアーツペン」を”塗って”いくという作り方を試してみました。ここでアルミホイルのシワは敢えて気にしません。これが後々良いアクセントになっていきます。
だいたい2cm四方を塗ったらライトを照射するという方法で少しずつ「3Dドリームアーツペン」の面積を広げていきます。なるべく均一な面になるよう均して塗るのがポイント。
そしたら10分かかるかかからないかという短時間で仮面の土台が完成！もちろんちゃんと硬化しています。
次に表面にネイルアートやアクセサリー製作などに使用するデコ用のステッカーを貼って装飾していきます。
そのままだと質感がバラバラで統一感がないうえにステッカーが剥がれる危険性があるので、上からステッカーを保護する形でまたうっすらと「3Dドリームアーツペン」を塗り、すぐにLEDライトを照射して硬化させます。つまりステッカーを樹脂でサンドして”封入”するというわけです。先にも書きましたが、「3Dドリームアーツペン」の樹脂は着色されているものの見本の写真よりもかなり透明感があり、うっすら塗っただけだとほとんど透明でステッカーを塗りつぶすようなことはありません。
そして形を整え、裏に布を貼れば仮面の基本的な形は完成です。アルミホイルのシワがいい感じにムラになり模様のようになりました。なんだか手作りガラスのような質感です。
最後に縁にブレードを貼って装飾し固定用のリボンを付けて完成！1枚あたりの製作時間はだいたい1時間くらいで、もう同人誌即売会前日に突発コピー本を作る感覚で速攻で造型作品が作れてしまいます。もちろん夏休みの自由工作だって余裕で1日で済ませられます。今から東急ハンズあたりに走れば週末までには確実に何か作れるでしょう。
実際にドールのヘッドに着けてみたところ。
他の形の仮面も作ってみました。
それにしてもこの「3Dドリームアーツペン」、子供の玩具だけにしておくにはもったいない商品です。大人のクリエイターのハンドメイド素材としても充分活用できます。もしかしたらもう作品に使用しているクリエイターもいるかもしれませんね。今回私はレッド以外のカラーも試してみたくなりました。オススメ！
