「Alto’s Adventure」は、いわゆる”エンドレスラン系”と呼ばれる、決まったゴールが存在せず障害物を避けたりアイテムを取ったりしながら延々と自動生成されるコースを進んで距離とスコアを競う横スクロールアクションゲームです。本作は走るのではなくスノーボードで雪原を滑るのですが、特徴的なのはグラフィックのアート性が非常に高いこと。なんでもゲーム開発経験のないイラストレーターが創作意欲をぶつけまくって作ったゲームとのことで、デザイン自体は極限まで削ぎ落とされたシンプルなものなのに景色がとにかく美しく、何度もプレイしているうちに徐々にスノボを続けたいのか美しい景色を眺めたいのが分からなくなってくるほどです。
スタート画面をタップすると即ゲームスタート。逃げたラマを追ってスノボで坂を滑走するという設定で、ラマに追いつくとスコアが加算されます。
雪原上にはコインがあり、それを集めることでショップでお助けアイテムを購入することができます。
急な崖のようなところで画面をタップ&ホールドすると空中で一回転(バックフリップ)できます。このようにトリック(技)を決めてもスコアが加算されるのでチャンスがあったらどんどんやりましょう。
しかしタップ&ホールドを止めるタイミングを見誤るとクラッシュしてゲームオーバーになってしまいます。ゲームオーバーになると進んだ距離はそこで一旦リセットされまたスタート地点からやり直しになってしまいます。
トリックが成功するとスピードアップすると共にスカーフ(マフラー?)が伸びます。スピードがつくと次のジャンプやトリックの浮力が稼げるのでコンボを決めやすくなります。
たまに万国旗やアーチが出てくるので、その上に乗る(グラインド)とさらにスコアが加算されます。乗っている間は障害物にぶつかったり谷に落ちたりするアクシデントもないのでラクチン♪
しかも万国旗の上に乗って滑ると旗が進行に従いポロポロ落ちてきてなんだか気持ち良いです。
トリックを連続で決めてスコア加算とスピードアップをした後だと、通常なら障害物となる岩も体当たりで砕くことができます。
もちろんラマも忘れずに回収しましょう。
以上が本作の基本的な遊び方ですが、何より魅力的なのはゲーム内に「時間の経過」と「天候の変化」があることです。プレイしているとその時間に応じて徐々に日が暮れてきます。
日が沈むにつれてあたりが薄暗くなり、雪が降り…
完全に日没
時には雪ではなく雨が降り、雷が鳴ることもあります。
そして夜が明け…
森の中を滑り…
町を抜けて…
また夕方になり…
三日月が登るとともに雨が降り…
お天気雨になることもあり…
晴れた日には星空も見えます。
遺跡と思しきものもあり。
綺麗な朝焼け…
などなど、息を呑むような美しい景色の連続です。時間と天候、コースの組み合わせは本当に多種多様で、どの景色も同じものはありません。こうした美しい景色との一期一会が楽しめるのが本作の最大の特徴です。
あと、エンドレスラン系ゲームは長距離を進むごとに難易度が高くなるものですが、本作にも当然難易度を上げるギミックが仕込まれています。それは「長老を起こす」というイベント。だいたい2000メートル以上進むとテントが現れ、それを飛び越えると驚いて起きた長老がもの凄い勢いで追いかけてきます。
クラッシュしなくても長老に追いつかれた時点で即ゲームオーバーになってしまうので、とにかくトリックをたくさん決めてスピードアップし距離を離さなければなりません。
ゲーム中にはいろいろなクエストが設定されており、それをクリアするごとにレベルアップしていきます。
一定数レベルアップするごとに様々な特性を持つプレイヤーキャラが開放されていき、最初のキャラとはまた異なるプレイが楽しめるようになります。
雰囲気ゲーはアート性が一番、ゲームとしての面白さは二の次というタイトルが多いですが、これは雰囲気も良ければゲームそのものも面白いという良作です。一回始めたらついつい何度もプレイしたくなる中毒性すらあります。是非プレイしてみて下さい。iOS版は480円ですがAndroid版は無料です。