セメダイン株式会社が、AgIC株式会社の第三者割当増資を一部引受け同社の株主になった。
AgICは東京大学の川原圭博准教授(AgIC社の技術アドバイザー)の研究成果をベースに銀ナノインクを用いた電子回路のプリント技術を事業化し2014年1月に設立された企業。銀ナノインクのペンと専用紙で簡単に電子回路を描くことができ、家庭用のプリンタでも電子回路を印刷できる技術を応用し、電子回路のプロトタイピングのためのツールの開発・製造を行っている。昨年3月には、クラウドファンディングプラットフォーム「Kickstarter」にて銀ナノ粒子インクを利用して市販の家庭用プリンタで電子回路を簡単に印刷できる「AgIC Print」キットの開発資金を募集し、見事目標金額を達成して製品販売を実現した。
セメダインは、今回の出資を梃子とした一層の関係強化により事業拡大を加速させる予定で、特に主力製品の一つである、一般的な電子部品等や紙、布、シリコンゴムなど様々な素材へ回路形成・部品実装できる導電性ペースト「セメダインSX-ECAシリーズ」の特性とAgICの電子回路設計技術により、各素材への回路形成方法や接続方法のさらなるノウハウの蓄積を進め、医療・介護、スポーツ、ヘルスケア、スマートハウスはじめ建築建材などの分野においても展開を図るとしている。
なお、両社は導電性ペースト『「X-ECA」のみを用い、布に直接回路形成、LED実装した衣装「着るセメダイン」共同開発し、2016年1月13~15日に東京ビッグサイトで開催された「第2回ウェアラブルEXPO(ネプコンジャパン 2016)」に出展している。