世界で一番よく売れている本「聖書」。この「モーセの海割り」は、そのタイトルどおり「旧約聖書」の「出エジプト記」にある「モーセが迫害されていたヘブライ人を引き連れ、海を割って道を作りエジプトを脱した」という奇跡をパズル化したスマートフォン向けゲームです。各レベルには聖書から様々なスキルを持った預言者が登場し、彼らの力を借りながら追っ手のエジプト軍から逃れ、多くのヘブライ人を向こう岸まで渡すことを目指します。こう書くとふざけたバカゲーのようですが、なんと本作のパブリッシャーは創業70年を超えるキリスト新聞社で、ちゃんと牧師さんが監修されているそうです。
一番最初のステージは「出エジプト記」。旧約聖書そのままです。
各レベルのスタートページが石版風のデザインなのが凝っています。各レベルにはミッションが設定されており、ここでは1分以内に5人以上のヘブライ人を逃せばクリアとなります。
具体的なゲームの内容は、道が描かれたパネルを上手くつないで向こう岸まで通し、追っ手のエジプト軍をうまく避けてヘブライ人達を向こう岸まで渡すというもの。道のパネルはタップするごとに90度回転して向きが変わり、それを上手いこと隣り合った道のパネルと組合せて向こう岸まで渡れる道を作っていきます。感覚的にはパーティゲーム「チクタクバンバン」シリーズにちょっと似ています。
各レベルとも制限時間は1分で、30秒を過ぎると画面が赤くなって急かしてきます。エジプトの軍勢が古代エジプトの壁画によく描かれている横向きのやつだったり、逃がしたヘブライ人の人数に応じて3つ星評価されるなど細部が凝っていて、聖書モチーフながらゲームとしてよく仕上がっています。
一本でもちゃんとした道を作ればヘブライ人は自動的にそこを通って向こう岸へ行ってくれるので、序盤は結構サクサクと進みます。道を何本か通せばミッションの2倍の民を救うことも可能です。
ただしエジプト軍もランダムに出てきてはフィールド上をせわしなく移動しヘブライ人を攻撃してくるので、瞬発力と判断力が問われるパズルゲームとなっています。しかしステージのマップを進むと預言者を召喚できるようになるので、フィールド上に彼らが現れたら積極的にそのスキルを活用しましょう。ちなみに上記の預言者は旧約聖書の「ダニエル書」に登場するダニエル。ライオンの洞窟に投げ込まれても神の力によって襲われることなく脱出し、逆に彼を洞窟に投げ込んだ者達がライオンの餌となったという逸話を持つ人で、それにちなんでライオンでエジプト軍を追い払ってくれます。
アダムとイブを召喚すると、逃げるヘブライ人の人数が一気に増えてミッションをクリアしやすくなります。なぜそんなスキルなのかは察して下さい。
マップを進むごとにフィールド上のパネルのマス目が増え、その分道の組み合わせのバリエーションも増えるうえに登場するエジプト軍も増えていき難易度が高くなっていきます。「出エジプト記」のラストの方は自分が何をやっているのか分からない状態に。
キリスト新聞社は、過去にも聖書を題材にしたカードゲーム「バイブルハンター」を発売したり、キリスト教の教派を擬人化した漫画「ピューリたん」を発表したりと日本ならではと言えるユニークな作品を発表して話題になりました。この「モーセの海割り」は、彼らのモバイルゲームレーベル「聖書コレクションΩ（オメガ）」の第一弾タイトルとのこと。聖書の内容が分からなくてもプレイに支障はないので、どんどん海を割ってヘブライ人を逃しましょう。
