この「ムーミン～ようこそ！ムーミン谷へ」は、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの作品「ムーミン」シリーズを題材にしたスマートフォン向け箱庭シミュレーションゲームです。とは言え提供しているのは日本のポッピンゲームズジャパン株式会社なので日本語サポートはバッチリです。
ゲームを起動すると、まず最初にアニメ版ではなく絵本風のオリジナルアニメーションが再生されるのですが、とても雰囲気が良くムーミンの世界観を上手く表現しています。
ゲーム中には原作の主要キャラクターが全員登場しますが、スタート時にフィールド上に出てくるのはムーミン、ムーミンママ、ムーミンパパの三人だけ。とりあえず一家で畑仕事や料理作り、日曜大工に励んでレベルを上げ、ゲーム内通貨にあたる「貝殻」を集めていきます。最初に畑で栽培できる作物は意外にもコーヒー豆なんですが、これってフィンランドの国民一人あたりのコーヒー年間消費量が世界一であることにちなんでいるのでしょうか。
コーヒー豆は1分で収穫可能なので、次はコーヒーを作るために生産施設の一つである「焚き火」を開放します。
オーブンを開放するとパイやケーキなどのお菓子類を作れるようになります。
…とまあこんな感じで畑で収穫→もの作り…を繰り返していくとレベルが上がり、それに伴い徐々にできることが増えていきます。こうして収穫した農作物や作った物を何に使うかというと…
様々な場所への「おでかけ」。普通、箱庭ゲームで収穫・生産したものは売買してゲーム内通貨に替えたり、ランキングイベントなどで競うものとして使用されがちです。しかし「ムーミン」では金銭や争いは描かれておらず、従来の箱庭ゲームの定番をそのまま取り入れると世界観が崩れてしまいます。そこで、本作では場所ごとに指定されたアイテムを集めて「おでかけ」するというシステムが取り入れられています。行けるのは「おさびし山」「ヘムレンさんの遊園地」「スノークの家」「フィリヨンカの谷」など原作に登場する場所やキャラクターの家で、でかけるごとに新しいアイテムや有料通貨「ルビー」が入手できたり、稀にキャラクターと会えることもあります。
ゲーム中には20種類のキャラクターと100種類以上のアイテムが登場し、それらを入手するごとに図鑑が埋まっていきます。キャラクターには「友達」「遊び仲間」「仲間」の三段階の仲良しレベルがあり、「遊び仲間」になるとキャラクター個々に設定された生産施設が開放できるようになります。
例えば、スニフと遊び仲間になると海岸で拾い物ができるようになり…
リトルミィと遊び仲間になるとお花畑で花摘みができるようになり、さらにもの作りのバリエーションが増えていきます。
遊び仲間はフィールド上に常駐するようになるので、たくさんのキャラクターと仲良くなればなるほど画面が賑やかになっていきます。ムーミンキャラがわらわらと歩きまわる光景がかわいい！
「貝殻」を貯めていくとフィールドを装飾できるデコアイテムを買えるようになります。デコアイテムも原作に登場した絵をそのまま再現したものが多くあり、それを配置していくと絵本の一場面を再現したかのような空間が出来上がります。フィールドやデコアイテムのデザインは「白」を主線とする独特の作風で統一されており、そのせいか適当に置いてもいい感じに調和します。なお、アイテムの一部にはキャラクターアニメーションが付いているものもあり、タップすると上記のようにキャラクターごとに異なった何かしらの”動作”が再生され、まるで動く絵本のようなシーンが展開します。
有料の「ルビー」で販売されているデコアイテムもあり、気合を入れてレイアウトするとこのように華やかな空間を作ることも可能です。「ガーデニングコンテスト」などプレイヤー参加型のゲーム内イベントも頻繁に開催されています。
豪華なデコアイテムや期間限定デコアイテムの入手には課金が必要ですが、買わなくてもゲームに一切支障はありません。完成した料理やもの、育った農作物を長時間放置していても痛むわけではないし、時間に追われるようなルールでもなく、ガチャ要素すらなく、今時珍しい実にのんびりほのぼのしたゲームです。まあ課金にガツガツしたり時間に神経質になるシステムだったらムーミンの世界観ぶち壊しですからね。是非ムーミンの故郷であるフィンランドでも知られて欲しいタイトルです。ちなみにダウンロード数自体は80万件を突破しています。
ムーミン ほあほあ ぬいぐるみ ムーミンガーデン 高さ20cm
