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【レポート】第17回産業用バーチャルリアリティ展

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【レポート】第17回産業用バーチャルリアリティ展
6月24日(水)~26日(金)の3日間の日程で、東京ビッグサイト東ホールにて日本のバーチャル リアリティ業界最大の専門技術展「産業用バーチャルリアリティ展」が開催されている。

”産業用”ということで、普段あまり目にする機会が無く且つ高価な機械・システムが多数展示されているのだが、3Dをより臨場感を持って体験できる機器・デバイスがずらりと並んでおり、今後の仮想世界や3Dインターネットを考える上でも非常に参考になるイベントだ。
今年の出展ブースの中で面白かったものをいくつかご紹介したい。
マジで怖い!仮想現実で高所恐怖症克服?!
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こちらはクレッセントのブースにて体験デモが行われていた「体験型高所恐怖症克服シミュレーションシステム」。靴と腰にセンサーを取り付け頭にヘッドマウントディスプレイを装着することにより、体験者の視界に疑似的に”火事になった高層ビルの部屋”を映し出す。頭を動かすとそれに合わせて画面も動くので違和感なく仮想世界に没入できるのだという。デモの内容は「火災が発生したビルの部屋から壁伝いに外へ出て脱出路に向かう」というものなのだが、ヘッドマウントディスプレイで完全に仮想世界の中に没入する形になるので”高さ”がよりリアルに感じられるらしく、デモ中に本気で悲鳴を上げる体験者が続出していた。
まるでGTA 自分で作った道路で大暴走
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こちらはフォーラムエイトのブースで体験デモが行われていたドライブシミュレータ。3D仮想空間上に自由に道路を建設し、その上を車で走ることができる。道路には横断歩道や白線などを描き込むことができるほか、周りに並木や建物などのオブジェクトを配置して”景色”も自由に作ることが可能。炎や煙を配置して火事や事故の現場を再現することも可能だ。
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さらに「シナリオ」を設定して作った道路の上に自動車や通行人を置き、実際にどのような交通の流れになるのかをシミュレーションできる。その自動車の中から好きなものを選んで”乗車”し運転することができるのだが……自動車免許を持っていない筆者は片っ端から通行人を轢くは対向車に正面衝突するはでえらいことになった。
飛び出す図鑑に解説書に…
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昨年と比べて今回の出展でとりわけ目立っていたのは「オーギュメンテッド・リアリティ(AR:拡張現実)」に関するデモが増えていたことだ。こちらのケイ・ジー・ティーのブースでは、Webカメラを通して見るとボーリングで遊べるフライヤーや、PC画面全体が「水槽」になり魚が泳ぎ出す「飛び出す図鑑」、解説書に触れることで実際にモデルを動かすことができる「飛び出す解説書」など様々なARが展示されていた。こんな図鑑や解説書なら”読むのが面倒”といった問題も解決できそうだ。
気分はジュラシック・パーク
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極東貿易/電通国際情報サービスのブースでは「動く恐竜の標本」のデモが行われていた。一見よくある恐竜の骨格模型だが、これをディスプレイを通して見ると骨格の上に生きている恐竜の3Dモデルと解説が重ねて表示される。さらに恐竜は床を歩いたり台の上によじ登ったりとアクティブに動き回り、学習用教材として使用したら子供に喜ばれそうな内容だった。
もはやゲームにコントローラーは不要?!
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こちらはカネスタのブースで行われていた距離画像カメラのデモ。リアルタイムに人物の手や体の動きをジェスチャーとして認識し、それをゲーム操作に反映させることができる。上記画像は体の傾きで飛行船の角度を、手の動きで翼のはばたきを操作しているところ。
先日、L.A.で開催されたE3でもMicrosoftが体の動きでゲームを操作できるXbox向け新機能「Project Natal」を発表して話題となったが、今後はゲームにコントローラーは必要なくなり、”ゲームでフィットネス”する時代がやってくるかもしれない。
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また今回の産業用バーチャルリアリティ展では「モーションキャプチャ」に関する出展も目立っていた。こちらのアムテックスのブースでは新たなモーションキャプチャのシステムを紹介。モーションキャプチャと言うと、ちょっと前までは体じゅうにカメラとコードを着けて…というイメージだったが、今ではボディスーツもかなりシンプル・ワイヤレスになり、専用スタジオ以外の屋内外でも使用可能となった。
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さらにこの「マルチ2D ビデオ・カメラ・システム」ではボディスーツも不要。カメラ・センサーのみで人物の動きをリアルタイムにとらえ、3DCGなどに反映させることができる。普段着のままで自然に動けるので、イベントでの一般来場者も参加できるアトラクションなどに応用できそうだ。
この他にも各社様々な展示・デモンストレーションを行っていた。普段は触れることのできない最新のデバイスを体験できるまたとない機会。会期はまだ一日残っているので、興味のある人は是非足を運んでみよう。
産業用バーチャルリアリティ展
http://www.ivr.jp/
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