東京ゲームショウ2008の初日である10月9日(木)、毎年恒例となっている「日本ゲーム大賞」の発表受賞式が行われた。司会担当はこちらも毎年恒例のタレントの伊集院光氏。
「日本ゲーム大賞」とは、1996年度より始まった、ハードの種類に制限を設けずに「公開」 「公平」「公正」 の精神に則り優秀なコンピュータエンターテインメントソフトウェアを選定し表彰するもの。対象となるのは、2007年4月1日~2008年3月31日の間に日本国内でリリースされた全作品で、一般投票と日本ゲーム大賞選考委員会による審査で受賞作品が選定される。
授賞式では、まず選考委員長である東京大学名誉教授で作家の養老孟司氏が挨拶を行い、今年から新設された「経済産業大臣賞」から表彰が行われた。これまで「日本ゲーム大賞」ではゲームソフトだけを対象にしてきたが、今回からゲーム産業の発展に貢献した人物や団体を表彰する賞として「経済産業大臣賞」が新設された。その栄えある初代受賞者に輝いたのは任天堂の宮本茂氏。先日のCEDEC AWARDS 2008に続き特別賞2冠となり、経済産業副大臣の吉川貴盛氏より賞が手渡された。
「映画の世界興行収入No.1はタイタニックだが、ゲームの世界売上No.1はスーパーマリオ!」と吉川貴盛副大臣も宮本氏を讃えた
発表された各賞は以下のとおり。
【グローバル賞(日本作品部門)】
任天堂 はじめてのWii
【グローバル賞(海外作品部門)】
アクティビジョン ギターヒーロー3 レジェンド オブ ロック
【ベストセールス賞】
任天堂 Wii Fit
【特別賞】
アクティビジョン コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア
【優秀賞】
任天堂 Wii Fit
任天堂 スーパーマリオギャラクシー
任天堂 大乱闘スマッシュブラザーズX
カプコン デビルメイクライR 4
スクウェア・エニックス ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
ポケモン ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊
任天堂 マリオパーティDS
カプコン モンスターハンターポータブル 2nd G
セガ 龍が如く 見参!
レベルファイブ レイトン教授と悪魔の箱
コナミデジタルエンタテインメント ワールドサッカーウイニングイレブン2008
【大賞】
任天堂 Wii Fit
カプコン モンスターハンターポータブル 2nd G
上記の受賞作を見てもらえばお分かりかと思うが、もはや任天堂の圧勝と言ってもよいくらいの結果だ。そのため宮本氏は、表彰が終わったと思ったらまた登壇…を何度も繰り返すこととなり、「Wii Fitよりもいい運動になりました」とコメントし場内の笑いを誘っていた。尚、「Wii Fit」は体重計のカテゴリーにも入る商品なので、なんと国内の体重計売上最高記録まで作ってしまったという。
遂にはマリオに変身してしまった宮本氏
大賞は任天堂の「Wii Fit」とカプコンの「モンスターハンターポータブル 2ndG」の2作品が並列受賞となったが、この2作品にはいくつか共通点がある。それは「口コミで良さが広まった」「みんなでプレイできる」、そして「女性に支持されている」という点だ。大賞のプレゼンターはいつもその作品に投票したユーザーの代表者が担当するのだが、今回の代表者は2作品とも女性、特に「Wii Fit」のユーザー代表の方は主婦だった。これこそが昨今のゲーマー層をよく表していると思う。
また、受賞式中に伊集院氏と宮本氏の間で交わされた会話も非常に興味深いものだった。伊集院氏の奥さんは普段はそれほど熱心にゲームをプレイする方ではないそうだが、任天堂のあるゲームに関してだけは「このゲームは私を絶対に裏切らない」とまで言ってプレイするという。それを受けて宮本氏も「最近やっと妻がゲームをプレイしてくれるようになった。妻に良いと評価してもらえるとホッとする」と語っていた。
そもそも主婦は世の中のサービス全てに対し常に厳しい目を持って評価している。つまり、主婦に認めてもらえるサービスとは、即ち広く世の中に認めてもらえるサービスなのではないだろうか。そして主婦は自分が良いと思ったものは他の人にも勧めて情報を分かち合う。それが「口コミ」の自然発生的なバイラルマーケティングとなるわけだ。「Wii Fit」のユーザー代表の方が「(Wii Fitを)近所のママさん達が凄く良いと言っていたので始めてみた」とコメントしていたが、まさにこれを端的に表していると言えるだろう。
因みにゲーマー層が女性などこれまであまりゲームをプレイしたことがなかった層にまで拡大しているのは、何も日本だけに限ったことだけではなく、アメリカなど他の地域でも同様の動きがあるらしい。
今回大賞を受賞した2作品は、そのどちらもがまさに「ユーザー層拡大」に貢献し新たなゲームの時代を切り開いた作品だったと言えるのではないだろうか。
関連記事:
【CEDEC 2008レポート】任天堂の宮本茂氏が特別賞を受賞---CEDEC AWARDS 2008
参考:
Hand over the controller, girl gamers say(REUTERS)
授賞式では、まず選考委員長である東京大学名誉教授で作家の養老孟司氏が挨拶を行い、今年から新設された「経済産業大臣賞」から表彰が行われた。これまで「日本ゲーム大賞」ではゲームソフトだけを対象にしてきたが、今回からゲーム産業の発展に貢献した人物や団体を表彰する賞として「経済産業大臣賞」が新設された。その栄えある初代受賞者に輝いたのは任天堂の宮本茂氏。先日のCEDEC AWARDS 2008に続き特別賞2冠となり、経済産業副大臣の吉川貴盛氏より賞が手渡された。
「映画の世界興行収入No.1はタイタニックだが、ゲームの世界売上No.1はスーパーマリオ!」と吉川貴盛副大臣も宮本氏を讃えた
発表された各賞は以下のとおり。
【グローバル賞(日本作品部門)】
任天堂 はじめてのWii
【グローバル賞(海外作品部門)】
アクティビジョン ギターヒーロー3 レジェンド オブ ロック
【ベストセールス賞】
任天堂 Wii Fit
【特別賞】
アクティビジョン コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア
【優秀賞】
任天堂 Wii Fit
任天堂 スーパーマリオギャラクシー
任天堂 大乱闘スマッシュブラザーズX
カプコン デビルメイクライR 4
スクウェア・エニックス ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
ポケモン ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊
任天堂 マリオパーティDS
カプコン モンスターハンターポータブル 2nd G
セガ 龍が如く 見参!
レベルファイブ レイトン教授と悪魔の箱
コナミデジタルエンタテインメント ワールドサッカーウイニングイレブン2008
【大賞】
任天堂 Wii Fit
カプコン モンスターハンターポータブル 2nd G
上記の受賞作を見てもらえばお分かりかと思うが、もはや任天堂の圧勝と言ってもよいくらいの結果だ。そのため宮本氏は、表彰が終わったと思ったらまた登壇…を何度も繰り返すこととなり、「Wii Fitよりもいい運動になりました」とコメントし場内の笑いを誘っていた。尚、「Wii Fit」は体重計のカテゴリーにも入る商品なので、なんと国内の体重計売上最高記録まで作ってしまったという。
遂にはマリオに変身してしまった宮本氏
大賞は任天堂の「Wii Fit」とカプコンの「モンスターハンターポータブル 2ndG」の2作品が並列受賞となったが、この2作品にはいくつか共通点がある。それは「口コミで良さが広まった」「みんなでプレイできる」、そして「女性に支持されている」という点だ。大賞のプレゼンターはいつもその作品に投票したユーザーの代表者が担当するのだが、今回の代表者は2作品とも女性、特に「Wii Fit」のユーザー代表の方は主婦だった。これこそが昨今のゲーマー層をよく表していると思う。
また、受賞式中に伊集院氏と宮本氏の間で交わされた会話も非常に興味深いものだった。伊集院氏の奥さんは普段はそれほど熱心にゲームをプレイする方ではないそうだが、任天堂のあるゲームに関してだけは「このゲームは私を絶対に裏切らない」とまで言ってプレイするという。それを受けて宮本氏も「最近やっと妻がゲームをプレイしてくれるようになった。妻に良いと評価してもらえるとホッとする」と語っていた。
そもそも主婦は世の中のサービス全てに対し常に厳しい目を持って評価している。つまり、主婦に認めてもらえるサービスとは、即ち広く世の中に認めてもらえるサービスなのではないだろうか。そして主婦は自分が良いと思ったものは他の人にも勧めて情報を分かち合う。それが「口コミ」の自然発生的なバイラルマーケティングとなるわけだ。「Wii Fit」のユーザー代表の方が「(Wii Fitを)近所のママさん達が凄く良いと言っていたので始めてみた」とコメントしていたが、まさにこれを端的に表していると言えるだろう。
因みにゲーマー層が女性などこれまであまりゲームをプレイしたことがなかった層にまで拡大しているのは、何も日本だけに限ったことだけではなく、アメリカなど他の地域でも同様の動きがあるらしい。
今回大賞を受賞した2作品は、そのどちらもがまさに「ユーザー層拡大」に貢献し新たなゲームの時代を切り開いた作品だったと言えるのではないだろうか。
関連記事:
【CEDEC 2008レポート】任天堂の宮本茂氏が特別賞を受賞---CEDEC AWARDS 2008
参考:
Hand over the controller, girl gamers say(REUTERS)