いろいろな仮想空間にログインしてみた

第23回「MILU」

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今回は、8月7日(木)よりαテストを開始した3Dオンラインゲーム「MILU(ミル)」を取り上げてみたいと思う。しかしこのサービス、”オンラインゲーム”とは言うものの、自分のアバターをカスタムしてワールド内に入り、魚釣りや採集などのカジュアルゲームを通じてゴールド(仮想通貨)をGETし、ユーザー同士でチャットでコミュニケーションを楽しんだりといった機能が備わっているとのことで、これらを見るとどうも先行している「POKIPOKI」と印象がかぶる。

というわけで、POKIPOKIを取り上げておきながらこちらを取り上げないのは不公平になるので、この「MILU」もコミュニケーション系のサービスと位置づけ紹介したいと思う。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第23回「MILU」
MILUは韓国のグレイトフルデイズ社が開発・運営しているサービスで、2008年1月にα版を、5月にβ版をリリースしており、既に大人の女性を中心に10,000名を超えるユーザーがプレイしているとのこと。日本では8月7日(火)~8月25日(月)までの19日間αテストを実施するという。
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アバターのデザインは、同じ韓国発のサービスである「ntomo」や「POKIPOKI」と比べて頭身が高く大人っぽいデザインだが、やはり顔はどこかアニメっぽい。子供向けのショーに出てくる顔だけかぶり物の人というか、セカンドライフで言うところの「アンリアル系アバター」といったところだ。しかし目や眉毛のパーツ、髪型、髪の毛と肌の色、基本的な服装と結構細かく設定できるので、設定次第ではリアル寄りのデザインにすることは可能。
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そしてこちらが一番最初に降り立つMILU第1ワールド「白ひげ鯨村」。しかしいきなり服を着ていない!…ということであわてて「所持品」の中から服を選んで着るはめに。所持品の中に入っているアイテムを使用する際はアイテムのアイコンの上で右クリックして「使う」を選択すればOK。
MILUの世界は多くの島々で成り立っているのだそうだが、今回のテストで公開されているのはこの「白ひげ鯨村」だけ。しかし結構広く案内係のNPCもたくさんいるのでそんなに退屈することはないだろう。
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とりあえず島を一周してNPCに語りかけてみる。一部まだ利用できない機能があるものの、MILUの世界のだいたいの概要は分かってくる。ちなみにこのMILU内のNPC、話しかけてウィンドウを開くと「いらっしゃいませ」、閉じると「ありがとうございました」と礼儀正しくボイスで挨拶してくれるのだが、声優が演技している声ではなく、なんだかコンビニやデパートの店員の挨拶のような”素人臭さ”がありいやにリアルだ。
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島の周りを散策しているとテストユーザーがたくさん集まっている釣り場に出くわした。今のところMILU内でできるゲームは釣りだけなので、ログインしているテスターはほぼ全員ここに集まって釣りをしているようだ。ということで筆者も早速挑戦してみる。
尚、MILUの便利な点は、現時点で詳細なチュートリアルが公式サイト内に掲載されていること。エリアの説明から操作方法、ゲームのやり方をはじめ、韓国人ユーザーが撮影したスクリーンショットまで見ることができる。なのでもし分からないことがあっても公式サイトを見れば迷うことはない。
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デフォルトの状態で既に基本的な釣竿と餌が「所持品」の中に入っているので、早速それを使って釣りに参加してみる。尚、釣りは良い釣竿や餌を使うほど楽に良い魚が釣れるようになる。また稀に魚以外のアイテムが釣れることもあるとのこと。釣った魚は釣り場にいるNPCに売れば換金してくれる。
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池の中に釣り針を垂らして、魚がヒットすると…
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画面が水中の様子に切り替わる。マウスをドラッグして暴れる魚を押さえつけ、画面下の魚の体力ゲージ(緑のゲージ)が0になるまで枠の中に収め続ければ見事釣り上げることができる。魚の鼻先を常に枠内に収めるように押さえつけるのがコツだ。
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見事初釣果!しかし釣った魚はわずか7.36cmしかないオイカワ(値段:6ゴールド)。そんなにたいした魚ではない。同じ魚でもニジマスなどはかなり良い魚のようだ。
それにしても「釣り」がこれだけ人気があるのはなぜだろうか?先行しているmeet-meやダレットワールド、POKIPOKIにも「釣り」の要素があり、セカンドライフ内でも釣りのコンテンツが人気を呼んでいる。さらに大抵のオンラインゲームにも「釣り」機能が実装されている。いつか「仮想世界における釣りの面白さ」を分析してみるのも面白いかもしれない。
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そして釣りを切り上げ、また島の散策に戻る。今度は村のショッピングエリアをのぞいてみた。ショッピングエリアには様々な店が並んでおり、一部まだオープンしていないところもあったが、とりあえずアバターに着せる服や靴、小物類は一通り買えるようになっていた。
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しかしフォーマルドレス専門店にあるものはやはり高価で簡単に買える値段ではない様子…
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「MILU(ミル)」の世界観はヨーロッパ風の村に魔法などの要素もあり、どことなくファンタジー風ではあるが、アイテムのデザインは現実に売っていてもおかしくないような現代風。やはりこういった部分が大人向けということだろうか?
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尚、まだオープンはしていないが、楽器店やペットショップ、コスプレ専用ショップ、下着店などかなり多彩なショップがあり、より細かい設定でMILU内の生活が楽しめるようだ。
さらにMILUには貯めたゴールドを貯金しておける「銀行」の機能と、仲良くなった他のユーザーと結婚できる「役所」があるのだが…
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銀行でNPCに貯金の重要さを説かれ…
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「役所」で結婚は慎重に決めるよう説かれてしまった。もしかしてこれは若者のためのシリアスゲームなのかもしれない…。
尚、MILUは一人だけでプレイしても良いが、他のユーザーと”パーティ”を組んでプレイすると個人でプレイするよりもレベルアップが有利になったりアイテムの交換などがやりやすくなったりする特典があるとのこと。その代わり、ユーザー同士、もしくはモンスターなどと戦う要素はない。つまり、他者と戦わずに「共生」することがテーマのオンラインゲームというわけだ。
現時点ではまだテスト中なので、「釣りゲーム」と「ファッションゲーム」「3Dアバターチャット」の要素しかなく何とも言えないが、やはりアバターのデザインや服飾アイテムのデザインを見るに、ntomoやPOKIPOKIよりも対象年齢は高そうだ。
ちなみにグレイトフルデイズ社では、チャット機能に同時翻訳機能が付いた、韓国のユーザーとコミュニケーションができるバージョン「KJ MILU」の提供も予定しているという(「MILU(日本版)」と内容は同じ)。海外のオンラインゲームやコミュニケーションサービスが日本版としてローカライズされる場合、大抵は別サーバーで運営され全く別もののサービスとして提供される。しかしせっかく「コミュニケーション」が主体となったサービスなのだから、人種や国境を越えたコミュニケーションができた方がよりサービスそのものを生かすことができるだろう。ユーザーによっては、「韓国人と交流したい」「韓国語を勉強したい」という理由からログインする人たちもいるかもしれない。
そう考えると、「MILU」はオンラインゲームといいながらもその試みはセカンドライフなどのボーダレスな仮想世界に近いと言えるのではないだろうか。
MILU
http://www.milu.jp/
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