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一発屋で終わらないためのコンテンツ設計を考える

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SecondLifeなど各仮想世界では日々新たなSIMやコンテンツが登場しており、当サイト上でもニュースという形で毎日報じている。こういったニュースを見ていると、一発屋で終わってしまうのでは?と感じるコンテンツが多い。なぜならSIMは通常の観光地ほど広いわけではなく、10分もあれば回りきれてしまうからだ。
それではどういったコンテンツであれば何回も来訪してもらえるのだろうか。いくつかリアルな場所を列挙し分析をしてみたい。
まずは観光地を例に挙げることにする。国内観光地の代表格として京都を取り上げたい。京都は相当広い面積を持ち、数多くの名所・店が立ち並んでいるため1回でまわりきることはまず不可能である。1年もたてば新しい店が増えるし、季節ごとの変化も大きいため、同じ名所ですら2回、3回と訪れる可能性がある。すなわち「膨大なコンテンツ」と「変化」は再訪を促す要素と言えるのではないだろうか。
次に全く違う例として、ゲームセンターを分析してみよう。ゲームセンターは毎日通う人も多く存在する再訪率が高い場所である。ゲーム自体の人気や楽しさももちろん再訪率に影響するが、同じゲームを何回もやることでなんらかの慣れや上達を感じることが楽しみにつながっているのも、再訪の要素の一つではないだろうか。例えば格闘ゲームはやればやるほど上達し、強い相手に勝ったりかっこよく勝つということが可能になる。その楽しさが再訪の源泉というわけである。以前どこかのコラムで日本人は経験値をためてレベルを上げるゲームを好む傾向があると書かれていたのを見たが、同様の考え方から来ているものと思われる。ここでは「再訪によってより楽しみが増える」ということがひとつの要素とまとめたい。
最後にスーパーマーケットを例として挙げる。スーパーはほとんど売っているものに変化はないが、唯一頻繁に変化するのが価格である。 ”火曜日のみ1個100円!” といった文言がチラシを見ればいくらでも載っている。彼らはこういった引きを用意することで店舗への来訪を促しているわけだが、SIMでは特に何か販売していない限りこの方法を使うのは難しい。ではどうするかというと、「時間軸の限定感」を出すのである。最初に挙げた「変化」と似ているが、たとえばプリクラのようなキャプチャを撮影できるスポットを用意し、曜日ごとに背景のデザインを変えるというアイデアがこれにあたる。
ここまで述べてきたようにSIM運営は観光地やゲームセンターやスーパーマーケットへのお客さん誘致と似ている点が多いので、リアルで行われている手法を大いに取り入れることをお勧めしたい。なお、こういった手法を行う際に一番気をつけなければいけないのは、「いかにしてその試みをユーザーに知らせるか」ということである。誰も知らなければ、すべての仕掛けに意味はないのでご注意を。
倉森聡

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