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【イベントレポート】Wiiリモコンでアバター操作。日テレ汐留島体験!

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今年開局55周年を迎える日本テレビ放送網株式会社(NTV)は日本テレビタワーで3月12日(水)から14日(金)まで、デジタル放送と次世代放送システムの技術展示会「デジテク 2008」の一部で、セカンドライフを使った番組の紹介を行った。

同社はこの展示会を大きく5つに分類しており、セカンドライフの応用は、そのなかの「放送メディアの未来」というカテゴリに入る。「様々な放送サービスとビジネス展開」というサブタイトルがあるように、ワンセグクーポンやワンセグデータ放送領域での広告表示実験など、放送メディアとしての新たな取り組みが示されているところに、セカンドライフの番組制作は位置している。
同社が水曜日の深夜に地上波でレギュラー放送している番組『デジタルの根性』はセカンドライフの中で撮影しているが、今回の展示会ではセカンドライフ内のスタジオである“汐留島“という場所で、実際にアバターを動かして体験できるデモを実施。約 4000 ×約 2000ドット(4K×2K)の超高精細液晶テレビで映し出される汐留島は想像以上に鮮明な世界だった。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
デジタルシネマのような汐留島
スクリーンの前で説明員をされていた日本テレビ技術統括局技術戦略センター技術開発部 安藤聖泰氏は来場者に対しアバターを操作しながら汐留島を一回りしてみせる。リアルではありえないカメラワークもセカンドライフの中では可能であり、6軸マウスを使用することで更に滑らかな動きだ。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
これが噂の6軸マウス
更に日産XTRAILのSIMにテレポートしたあとは、スノーボードの巨大ジャンプ台を見せながら、セカンドライフの操作方法や楽しみかたを説明する。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
日本テレビ技術統括局技術戦略センター技術開発部 安藤聖泰氏
「セカンドライフでは、みんなでアトラクションを楽しむことができますからメディアの特性として何時間もこの中にいられるんです。モニターの性能が高ければ、ここまでキレイに表現できますしね。だからこそ、滞留時間に合ったコンテンツを用意する必要があります。」とし、セカンドライフの同SIMへの接続人数限度については、「人数制限というのはテレビで言えば、番組観覧と同じようなものです。限りがあります。なので汐留島では、セカンドライフの中でピーク時で毎月1000台くらいテレビを無料で配ってます。そのテレビはそれぞれユーザーがセカンドライ内の自分の部屋に置いたり、お店に置いたりしてくれますが、そのテレビに向けて、こちらからは現実世界の最新ニュースを配信しているんです。現実のテレビと一緒です。もうひとつ面白いのは、この配布したテレビ自体にメーカー名を入れることができる仕組みを設定しました。なので、テレビメーカーの広告にも使用できるかもしれませんよね。」との説明に来場者は関心を寄せていた。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
モニター前は常に人だかり
同じく、人々の関心を寄せていたのはWiiリモコンでのアバター操作だった。リモコンを上に向けると上に、下に向けると下に、シフトを押すと前進する。キーボードやマウスを使っての操作よりも安易で、より自分自身とアバターがシンクロできるのか、体験者は自分の体も同時に動かしながらリモコンを操作していた。
「外部機器からでも操作ができることを証明するために遊びで作っただけなんですよ」と安藤氏は語るが、操作性の安易さは、初めてセカンドライフに触れる人にバーチャルワールドを親しみやすくさせていたようだ。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
Wiiリモコン
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
リモコンを上にするとアバターは上に飛ぶ
また、会場にはモニターの前だけでなく、人々の足を止めているものがあった。模型である。 
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
50cm×50cmのプリム模型
最初にセカンドライフでモノを作ろうとしたときに出てくる正方形のプリムをリアルに再現したものだ。50cm×50cmの大きさの立方体は実際に見てみると思ったより大きい。その上には三角錐や輪っかの積み木が置いてあって、セカンドライフ上でどうやってモノが組み合わされて作られているかを表現していた。モノ自体は実にシンプルなものだが、なかなかバーチャル上のモノの大きさを現実には見ないので、面白い試みだったと思う。
また隣では、以前、インタビューの際に拝見させて頂いた番組ディレクター用のスイッチャーが出ているPCや、セカンドライフ内でのゲーム開発ツール「Adventure System」を使った「汐留島ガイドツアー」や、実際の番組の舞台裏を説明したVTRが流されていた。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
アバターを動かすT部長こと土屋氏
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
番組ディレクターの操作するPC画面
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
番組収録に使用しているカメラ用PC
「番組制作は約30名のスタッフで行っていますが、出演者の席はあえてパーテーションで区切り、リアル側で話させないようにしてます。(番組最後の)反省会までは本当に会わないんですよ。ゲストの方にいらして頂いたときも同様に分かれて座って頂いてます。」そう話すのは当日説明員をされていた同番組のCGデザインを担当する茶園純子氏。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
大勢の番組スタッフ
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
リアルでの収録スタジオの席図
「最初は出演者の誰もがセカンドライフをしたことない状態。慣れるために汐留島を散歩しました。最初はモノレールのところで馬場アナウンサーがアバターの頭をひっかけたり、千原Jrさんがモノレールに乗らずにレールのところを歩いたりしてましたが、今では想像付かないくらいみなさん上手に操作されてます。」と裏話を聞かせてくれた。
と話をうかがっていると、丁度、番組に出演されている馬場典子アナウンサーがセカンドライフ内と同じように頭にアンテナをつけて会場に姿を現しアバターとの2ショットを披露。周囲を和ませていた。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
番組出演者の馬場典子アナウンサー
今回の展示会では、在京キー局の放送技術・番組制作を支える技術が日々進化し研究されていることが会場の熱気と共に伝わってきた。そして更に次世代の放送システムへの取り組みや放送メディアとしての未来を考え、多くの新しいことにチャレンジしていく同社の取り組みには多くの関心が寄せられている。日テレ的な展開に今後も注目していきたい。
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
番組を支える3ショット
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
Virtual World of the Year 2007の話題部門大賞のトロフィー
・・・最後に
【レポート】日本テレビが取り組む技術研究テーマの展示会(デジテク2008にて)
インワールドからデジテクを取材しにきた弊社編集長と茶園さん操作のアバター

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http://www.secondtimes.net/special/003_2008_virtual_world/20081214_2008_virtual_world_02_02.html
Virtual World of the Year 2007話題部門大賞 デジタルの根性
http://www.secondtimes.net/sp/vwoty2007/winner.html#win_03

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