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【速報現地レポート】携帯電話からセカンドライフにアクセス!? 3Di社がサンノゼで計画を発表

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【速報現地レポート】携帯電話からセカンドライフにアクセス!? 3Di社がサンノゼで計画を発表

10月10日、アメリカ・カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Virtual Worlds Conference and Expo」にて、3Dインターネットを対象としたサービスを開発する3Di株式会社が自社の2案件について記者発表を行った。会は開始後、司会から来場者に対する挨拶が述べられたあと、3Di代表取締役副社長である竺振宇氏(写真中央)から2案件について説明が行われた。説明後に質疑応答が行われたが、20分にも渡って様々な視点からの質問が行われ、参加者の関心の高さを印象づけた。本記事ではその模様をお伝えしたい。

■オープンソース仮想空間サービス「Jin-sei」、ミクシィが新卒採用に活用
既報の通り、3Diはオープンソースを活用した仮想空間サービス「Jin-sei」を開発した。オープンソースベースの仮想空間は世界初であるという。事業展開については、直接個人ユーザーの登録を受け付けて会員を伸ばす方法ではなく、企業に向けて企業独自の仮想空間制作を行うBtoBの形態をとっている。
竺氏は、日本でも報道されたSNSサービス「mixi(ミクシィ)」による海外からの新卒採用を目的とした独自の3D仮想空間「ミクシィ・リクルーティングオフィス(仮称)」について触れ、「これが最初の事例となる」と述べた。
後に行われた質疑応答は仮想通貨の有無やオープンソースコミュニティへの関与の度合い、ビジネスモデルなど、多岐に渡った。
同じ日本の仮想空間サービスということでココアの「meet-me」との違いについての質問に対し、竺氏は「meet-meは非常にきれいで、日本的なものになっていることに感心している」と評価した。セカンドライフは、これまでよく「日本人向けでない」という声があり、こうした日本人をターゲットに特化した展開は(課題もあるが)有効なひとつの選択といえそうだ。
対して、Jin-seiはBtoBでプラットフォームが提供され、独自の仮想空間としての世界観は提供先企業によって決定される。基本的にmeet-meとは展開のモデルが異なるため、競合というよりも互いに別の方向に進む形になるのではないかという考えを示した。
また、提供モデルについての質問に対しては様々なケースがあるとしながらも「システムをそのまま提供する形や、将来的にはサーバ運用も当社が行い、ライセンス料をいただくという形も考えられる」とした。

「今の2DのWebと3Dの間にある大きな段差に『階段』を」
次に竺氏はセカンドライフにWebからアクセスすることができるサービス「Movable Life」を紹介した。
3D仮想空間サービスなどの3Dインターネット活用分野はまだ爆発的な普及までには至っていない。この理由のひとつとして、竺氏は「現在の2DのWebと3Dインターネット活用の間の変化が大きすぎてユーザーがついてこれない状況がある」と指摘。「(Movable Lifeは)2DのWebでセカンドライフのような3D仮想空間にアクセスできる環境を作ることで、その段差にいわば『階段』をつけることを目指した。2DのWebと3Dの仮想空間の連携を行う第一歩と位置付けている」と述べた。
Movable Lifeはグローバル展開を視野にいれ、英語版からのリリースになっているが、「日本での展開については携帯電話が成功のキーになると考えている」とし、対応を計画しているという。また、現在はセカンドライフのみだが、「Jin-sei」を始めとして他のサービスとの連携も検討していることを明らかにした。
対企業、対ユーザー、それぞれの3D仮想空間活用を後押しする各サービスがリリースされた。Jin-seiはBtoBモデルの確立、Movable Lifeはキーとなる携帯対応、といったようにそれぞれ大きなチェックポイントが控えている。今後の動向に注目したい。

世界初、3Diがオープンソースをベースとした仮想空間Jin-seiを開発~他社へ販売・OEM提供するBtoBモデルで展開~
http://www.ngigroup.com/jp/press/2007/10/001204.html

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