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【速報レポート】REMIX07 TOKYO「セカンドライフのマーケティング心理学」

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 【速報レポート】REMIX07 TOKYO「セカンドライフのマーケティング心理学」
基調講演の後、昼休憩を挟んでから、会場である東京国際フォーラムのB・D・Gエリアの各所にてさまざまなカンファレンスが開催された。
その中の一つ、野村総合研究所システムコンサルティング事業本部社会ITマネジメントコンサルティング部主席研究員の山崎秀夫氏による「セカンドライフのマーケティング心理学~エクスペリエンスとコミュニティマーケティング~」をレポートしたい。
 【速報レポート】REMIX07 TOKYO「セカンドライフのマーケティング心理学」
山崎秀夫氏
山崎氏は歌舞伎における女形の「虚構の身体」を例にとりあげ、「人がセカンドライフの中で自分の分身であるアバターになり切っている時、現実世界とは違う別の人格になっている」ことを強く述べ、セカンドライフに参入する企業はまずこのことを最初に理解しなければならないことを強調。
当初強い期待を寄せられていた「アメリカンアパレル」が最近セカンドライフから撤退したニュースも合わせて考えると、仮想世界の中でアバターを通して別人になり切っている人に、いきなりリアルライフの商品を売ろうとしても上手くいくわけがない。
重要なのは、仮想世界とリアルライフをリンクさせる「シナリオ」。
山崎氏は、チェチェンイツア遺跡をセカンドライフ内に再現してアバター用のマヤ民族衣装を配布したメキシコ旅行協会や、映画「300」「ダイ・ハード4.0」のシーンの一部を再現するプロモーションを展開したイギリスのマーケティング会社、セカンドライフで恋人に花を贈るとリアルライフでも花を届けてくれるサービスを展開しているスイスコム、アバター用の靴で実際の靴のカスタマイズもシミュレーションできるリーボック、PCのカスタム設計ができるデルなどの参入企業を例に挙げ、 「現実の商品を売りつける」のではなく、「アバターの顔から背景に存在するリアルの人の顔への橋渡しシナリオ」の重要性を語った。
 【速報レポート】REMIX07 TOKYO「セカンドライフのマーケティング心理学」
山崎氏曰く、現在セカンドライフを利用したマーケティングで効果があるのは、旅行や映画、音楽などの分野で、商品を売る物販は向いていないとのこと。やはり、いきなり実物を販売して利益を出すビジネスモデルは苦戦しているようだ。それだけユーザーを「巻き込む」シナリオ作りが物販では難しいということだろうか。
山崎氏の言葉で印象的だったのは、「セカンドライフは徹底したDIY型のサービス。自立的・能動的な人には楽しい世界だが、ちょっとmixiをやっているくらいの受け身な人には冷たい世界」というもの。
確かに、「何でもあり」「自分の工夫次第で何でもできる」世界というのは、一見可能性に満ちて楽しそうに見えるが、実際には何も知らない、何も無い、知り合いや友人もいない世界にポンと放り出されたら、多くの人は戸惑ってしまうだろう。
山崎氏は「コミュニティと連携するといった工夫が必要」と説明していた。
日本でも多くの企業が参入し、セカンドライフ内でさまざまなマーケティングを展開している。はたしてそれらは受け身的なユーザーも巻き込めるほどのコミュニティに成長するのだろうか?
まだまだ参入企業の模索は続きそうだ。

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