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【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた

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2018年4月に、私の故郷である秋田県横手市増田町に子供向けの無料のオープンソース・プログラミング道場「CoderDojo増田」が発足し、5月19日(土)にその第2回目が開催されました。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた

CoderDojo」は、7~17歳の子供(地域により異なる場合あり)を対象にしたプログラミング教室で、2011年にアイルランドにてJames Whelton氏とBioll Liao氏の2人が始めたことをきっかけに世界中に広がり、日本では2012年4月に初開催、現在は世界85カ国・地域に1,600以上の道場が存在し、日本国内だけでも全国に133以上の道場があります。この活動の一番の特徴は、「完全無料」で「地域の人がボランティアで行っている」こと。最近は日本でも2020年に小学校でプログラミングの授業が必修化されることもあり、新たな習い事として有料のプログラミング教室が既にいくつか出てきていますが、そんなご時世でもCoderDojoは無料&ボランティアのままです。
CoderDojoで学べる内容は道場ごとに異なり、学べる内容が選べるところもあります。例としては…

・アニメーション・ゲーム制作
・アプリ開発
・3Dモデリング
・電子工作、IoT、ロボティクス

などなど。ざっくり言うと「プログラミング学習とそれを使ったものづくり」が学べる場所というわけです。しかし学校や世間一般の習い事教室と異なるのは、「先生」が「生徒」に「教える」のではなく、参加者が「これをやりたい!」と自発的に活動し、参加者同士で学び合い、教え合う場所であること。一応大人のメンター(指導者)はいますが、あくまでも参加者のやりたいことをサポートする役割で、上の立場から一方的に教え込むようなことはしません。ちなみにCoderDojoには専用の用語があり…

・Dojo(道場) - プログラミングしに来る場所
・Ninja(ニンジャ) - 参加している子供達
・Mentor(メンター) - ニンジャの指導者
・Champion(チャンピオン) - Dojoの運営者

と呼びます。なぜアイルランド生まれの活動なのにこんなに日本テイストなんでしょうか?創設者2名の趣味?

なお、秋田県におけるCoderDojoは県庁所在地の秋田市に次いでなんとここ横手市増田町が2ヶ所目!市の中心部ではなく、それどころか平成の大合併で吸収されてしまった駅すらない小規模な町に秋田県内で二番目のCoderDojoがあるって何気に凄くないですか?開催場所はこんなところ↓

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
一見昔ながらの商家のように見えますが、ここは蔵付きの古民家をリノベーションした町の観光案内施設「ほたる」。一階では町の特産品やおみやげグッズ等を販売していますが、実は二階に町民向けのレンタルスペースがあり、まずはここを拠点に募集人数「4人」という少人数からスタート。レトロな建物の中でプログラミングを学ぶギャップがまた面白いですね。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
この会場の利点は、基本的に会議室なので最初から長テーブルと椅子、ホワイトボードが用意されており使い放題なことと、さらにスクリーンまで常設されていること。そのためPC画面をスクリーン上に大映しにすることができます。どうせなら書いたプログラムが実行されるところを大画面で見た方が楽しいですからね。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
CoderDojo増田が現在対応しているのは、MITメディアラボが開発した子供向けプログラミング学習環境「Scratch」。日本語表記にも対応しており、ブロックを組み合わせることでコードを書き、それによってあらかじめ用意されている画像素材やサウンド素材を動かすという視覚的に分かりやすいUIでプログラミングの基本的な考え方や構造を学ぶことができます。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
まだ4月に立ち上がったばかりなので参加者(小学生)は今のところまだ一組。でも今回を含めわずか2回の受講で全く未経験の状態からScratchの「書き方」をほぼ覚え、試行錯誤しながら挙動を確認するまでになっており、子供の学習スピードの速さに驚かされました。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
こちらがScratchの画面。コードの種類ごとに色分けされており、それぞれのコードを組み合わせて自分が動かしたいように書くというプログラミングの一連の流れを学ぶことができます。

【レポート】子供に無料でプログラミングを教える「CoderDojo」が秋田県横手市増田町に発足 その第2回目に行ってみた
Scratchは初期の段階から外部プログラムや機器と連動させられる機能を持っているため、「Scratchでコードを書いて実物のロボットを動かす」なんてこともできます。ゆくゆくはこのタミヤ製のプログラミングロボット「CAM -PROGRAM-ROBOT」を動かしてみるメニューも計画中とのこと。

2年後に控えた小学校のプログラミング必修化に先駆け行政レベルで子供のSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematicsの略)教育を推し進める施策を行っている自治体もありますが、残念ながら横手市および秋田県のIT事情は東北の中でもかなり残念なレベルです。しかしだからといって何もしなければ教育格差と情報格差、経済格差はますます広がり、そのシワ寄せは全て子供・若者に向かいます。ただでさえ日本最速で人口流出と少子高齢化が進んでいる秋田県に於いて、これがどんなに悲惨なことかは言わずもがなでしょう。

…ということで、現在CoderDojo増田では参加者の”ニンジャ”はもちろんのこと、何かしらプログラミングができる大人のメンターも大募集中です。いずれも増田町民には限っていないので、我こそは!と思う方は是非CoderDojo増田の公式サイトかFacebookページよりアクセスしてみて下さい。

既に6月のスケジュールも決定しており、次回は6月24日(日)9:30~11:30より同じく観光案内所「ほたる」2階にて開催予定です。「プログラミングについて全然知らない!」という初心者でも大歓迎なので、少しでも興味のある方は是非おいで下さい。詳細および参加申し込みはこちら

・CoderDojo増田 vol.3
日時:6月24日(日)9:30~11:30
場所:増田の町並み案内所「ほたる」
参加対象:
7~18歳の小中高生、保護者(両親、祖父母等)、ボランティア(年齢不問)。 12歳以下の参加者には保護者が同伴する必要があります。
必要なもの:
ノート・パソコン。先着1名までは会場で利用機器を無料でお貸しします。申込フォームの回答に「PCの貸出を希望する」を選択してください。尚、会場ではFree Wi-Fi を使用いたします。
内容:
会場にメンター(指導者)が1~2名常駐し、ボランティアの方々とともに、参加している小中高生のプログラミング体験指導・サポートします。 年齢や進み具合に応じた教材が、冊子、ビデオ、ウェブページなどの形で提供され、また、会場で実践しながらの説明が行われることもあります。
その他:
12歳以下の参加者+ご両親で参加の場合も、ここでの参加は1名の募集枠でカウントします。

申し込みページ
https://coderdojo-masuda.doorkeeper.jp/events/74754

 

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