「カードでつくる しあわせなくに」は、5枚まで手元に置ける様々なカードを駆使して自分の国家を運営し、経済の仕組みを学べるAndroid向けシミュレーションゲームです。プレイヤーは自国の国民から集めた税金を使ってガチャを回し、ランダムに出てくるカードで国の方針を決めていきます。住みやすい国になれば早く人口が増えて税収も増し、さらにガチャを回して新しいカードをGETできますが、失敗すると国民の満足度が上がらず人口もなかなか増えない…。シンプルでかわいい見た目とは裏腹に、その内容は結構シビアでリアル。ちなみに2D部分のグラフィックにはご覧のとおり全て「いらすとや」のイラストが起用されています。「いらすとや」だけでゲームを一本作れるってどれだけ多彩な作品が揃っているのでしょうか?「いらすとや」恐るべし!
ゲームを始めると、まず最初にランダムに5枚のカードがもらえます。スタート時の人口は1000人で手持ちのお金(コイン)は1000。ここからいかに早く人口と税収を増やすかが勝負です。
国には「けいき」「くらし」「しごと」「インフラ」「しぜん」「きもち」という項目があり、さらにそれぞれに細かい項目が設定されています。各項目の数値を上げていけば人口が増えるスピードが増しますが、中には数値を下げた方が良い項目もあり。上のスクリーンショットだと「ふあん」「すとれす」はマイナスになればなるほど住みやすい国になります。
一番上の「ぼくのくに」には「GDP」「しゅうし」「へいきんじゅみょう」「しつぎょうりつ」が設定されており、これを見て現状の国家運営を分析します。失業率8%は今の日本を基準に考えたらちょっと高いですね。
カードは「けいき」「くらし」「しごと」「インフラ」「しぜん」「きもち」に対応した多種多様な方針が揃っています。ここで重要なのは、出てくるカードをただ片っ端からガンガン使ってるだけでは良い国にならないということ。例えば上のスクリーンショットにある「コンピューター普及」のカードを使うと「けいき」「くらし」「しごと」の数値は増えますが、逆に「きもち」の数値は減ります。なぜならコンピューターに慣れることができない人はストレスが溜まるから。このように、どんな方針も完璧ではなく、どこかが増えればどこかが減り、お互いが影響し合っていることが分かります。
「しぜん」の数値を高めてくれるカードは高価なものが多いですが、使うと一気に数値が稼げます。ただし自然環境を良くしても経済にはさほど影響はありません。景気を優先するか?それとも環境か?国家運営のバランス感覚が問われます。
ゲームを進めていくと、時折画面内に「ニュース」が放送されるようになります。これは国で今どんなことが起こっているのかを知らせるものですが、これもまた良いことと悪いことが同時に起こり、全てが丸く収まる理想的な国家なんて存在しないことが実感できます。
水素水
「健康に効果があるかわからない水素水が人気になる。」社会風刺も効いてます。
人口が増えていくと、それに伴い閑散とした街の中に少しずつ建物と車が増えて賑やかになっていきます。ここだけはフル3D。
たまにニュースに交じって「CM」が差し込まれるのですが、これは動画広告で、これを視聴するとご褒美として1000コインもらえます。1000コインで実現できる方針はかなりあるのでこれはデカい!
国民の健康にも気を使います。ただし安価な(?)方針は実行しやすいですが、その分それぞれの項目に及ぼす影響も小さめ。でも国家運営に於いては小さなことからコツコツ積み上げることも大事です。
とりえず一回クリア!ゲームには様々な課題が設定されており、それを満たすとクリアとなるのですが、最後にどのような国になったのかが数値で示されA~E評価が付きます。今回はB。そんなに悪い国じゃないと思うんですけどね…
こうして何度も課題にチャレンジしてA評価になることを目指します。課題は真面目なものから「中二病が流行る国にする」といったふざけたものまでいろいろ。国民全員が中二病になってしまったら一体どんな国になってしまうのでしょうか?
ガチャを回し続けていると、たま~に0コインなのに凄い効果を発揮してくれるレアカードが飛び出します。この「キューピッド」カードを使うと「きもち」の数値と人口が一気に激増!
このイラストはTwitterで話題になったやつ!っていうか銃規制!前述のようにこのゲームの2Dグラフィックは全て「いらすとや」のイラストなので、「この作品をここで使ったか!」というちょっとした驚きも楽しめます。
なお、カードのテキストに使用されている言葉の意味を教えてくれる解説コーナーがあったりと何気に多機能です。非常に分かりやすく書かれているので、これは子供の知育ゲームとしても有効かもしれません。
一度出たカードを記録するアルバム機能もあり。コレクション欲がかき立てられます。
かわいい作風の「いらすとや」のイラストに騙されそうになりますが、ゲームの内容そのものはかなり本格的で大人でも学べる要素がたくさんあります。お子さんのいる方は親子でプレイしたら楽しいだろうし勉強にもなるんじゃないでしょうか?ただ残念ながら現時点ではAndroid版のみの配信です。