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【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~

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既にこのサイトでも何度かお伝えしていますが、宮城県仙台市はフィンランドと非常に密接な関係にある地方自治体です。まずフィンランド・オウル市と産業振興に関する協定を締結しており、特にゲーム開発分野で様々なコラボを行い、市内には両市の国際共同プロジェクトの拠点である「仙台フィンランド健康福祉センター」があります。また2017年10月にはNokiaとITを使った地域活性化のための連携協定を締結、今後市内にてMEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)や5Gアプリの検証が行われる予定です。
そんなご縁があるからか、もう仙台市はSlush Tokyoの常連的存在。今回も市として複数の企業と共同ブースを出展していました。

【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
ブースの前にいる赤いパーカーを着た人は元Rovio CMO(最高マーケティング責任者)で本家SlushやSlush Tokyoの立ち上げのキーマンの一人でもあり、現在は起業家のメンターや投資家として活動するPeter Vesterbacka(ペテル・ヴェスタバッカ)さん。かつて仙台市はPeterさんをゲストに招いて起業家・学生向けのイベントを開催したこともあり、何気に仙台市とも繋がりがある方なのでした。

■敢えてUSB接続を選択したコンパクトスピーカー「OVO」
【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
Peterさんが見ていたのは、仙台市青葉区に拠点を置く株式会社JDSoundが開発するコンパクトスピーカー「OVO」。コンパクトスピーカーというと今ではBluetooth接続のワイヤレス形式が全盛ですが、これはクリアかつ迫力ある音質を追求するため”敢えて”USBバスパワー形式を採用したスピーカーとなっています。

【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
カラーバリエーションはシルバーとブラックの2色。開発も生産も全て宮城県内で行っている完全な宮城県産製品です。

【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
USBバスパワー形式で完全自律型なので、使い方はPCやスマホ、ゲーム機などとUSBケーブルで直接繋ぐだけ。専用アプリのダウンロードや設定も必要なくすぐに使えます。実際にデモを見て…というか”聴いて”みましたが、コンパクトスピーカーとは思えないくらいの大音量と音質でした。あと直接USBで繋いでいるため遅延が全くなく、同社的には映画など動画視聴での使用がオススメだそうです。まだ家電量販店や通販サイトなどでの一般発売は行われていませんが、今年1月にクラウドファンディングプラットフォームの「Green Funding」で目標の2倍以上の4900万円以上を調達し見事サクセスしています。

■研究機器をみんなでシェアする「Co-LABO MAKER」
【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
仙台市は「学都」と呼ばれるくらい市内にたくさんの大学があり、また大学付属の病院や研究機関も存在します。そこで仙台市青葉区に拠点を置く株式会社Co-LABO MAKERでは、使いたい研究機器をみんなでシェアできるプラットフォーム「Co-LABO MAKER」を開発しました。世の中には様々な研究機器がありますが、全てを毎日使っているわけではなく、また機器はどれも高価で使いたいものをいちいち購入していたら研究費は莫大な金額になってしまいます。

【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
Co-LABO MAKERのサービスは、大学や研究機関、民間企業が保有している実験機器の情報を公開し、レンタル料を設定して貸し借りできるというもの。一部有料で専門家に技術的な相談ができるサービスもあり、機器探しから相談、利用、決済の一連の流れを1つのプラットフォーム内で完結できる環境を提供しています。

■自動運転小型ボート「Marine Drone」
最近の仙台市は、市内および宮城県の起業家やスタートアップをバックアップするだけでなく、東北全体の起業促進を後押しする施策を行っています。そこで今回のSlush Tokyoでは初の試みとしてお隣の岩手県の企業のプロダクトも展示していました。

【Slush Tokyo 2018レポート】日本の地方自治体ブース紹介~宮城県仙台市~
こちらは岩手県滝沢市に拠点を置く炎重工株式会社の自律移動式船舶ロボット「Marine Drone」。その名のとおり水上で利用可能なドローンの”船舶版”で、主に水上設備の警備や設備メンテナンス、養殖などの水産業での利用を想定しています。船体にはカメラを設置でき、また自律移動にはGPSを使用しているため、人の目の届かない細かいところもパトロールできるし、暗い夜間でも利用可能。さらに船体にエサまき装置を取り付ければリモート/自動で養殖用の生け簀にエサやりをすることもできます。一次産業はどこも少子高齢化で労働力が激減していますが、こうしてテクノロジーを活用することで解決できる場面も多数あるのではないでしょうか。

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