先日のニュース記事でも少しお伝えしましたが、今フィンランドのTech業界ではVR、AR、MRなど「XR」がアツいです。フィンランドVR協会の調査レポートによれば、現在同国内には100社以上のXR系企業が存在し、XR市場も1年で4倍以上に急成長しているとか。
フィンランドのXR市場は1年で4倍以上に成長 フィンランドVR協会が調査結果を発表
そんなトレンドを反映してか、ポケモンGOをプレイするために偶然入ったショッピングモールにてこんな光景に出くわしました。
国際環境NGO「グリーンピース」のVR体験コーナーです。地下階の吹き抜けになっている広場にブースを設営し、北極の風景をVRで体験できるコンテンツを案内していました…が、不思議なことに誰も体験しようとしていないのです。私が観察している間に体験した人は上の写真に写っているこの人だけ。あとは担当の人が「VRいかがですか~無料で~す」的な感じに呼び込んでもウンともスンとも反応がありません。たまに立ち止まる人がいても、VR ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を見て、また説明を聞いて「じゃあいいや」と体験せずに立ち去ってばかり。まだまだ一般層にはVRは浸透していないのでしょうか?それとも今VRがアツいフィンランド、逆に一般層にも浸透しまくったためモバイルVRではもう面白がってくれなくなったとか?
ということで、見ていたらだんだんブースの担当者が可哀そうになってきたので体験してみました。コンテンツのタイトルは「SAVE THE ARCTIC」。
VR HMDは初代のサムスンGear VR。初代でも決して品質が悪いわけではなく、今でも十分使えるんですけどね…。最新のやつじゃなかったから皆立ち去ってしまったのでしょうか?
コンテンツの内容は、北極を進むグリーンピースの船や、ボートに乗った人からの目線での北極の風景、氷河の上に寝転ぶアザラシ、こちらに向かって歩いてくる白クマなどをVRで体験できるというもの。画質はかなり良く、特にアザラシや白クマが眼前に現れた際は迫力と臨場感を感じました。
それにしてもなぜここで北極なのか?それはフィンランドの北部は北極圏に属しているからです。ブース担当の人の話によれば、北極の環境は地下資源の掘削や商業漁業、地球温暖化などの要因により急激に悪化しており、海の水質が汚染されたり、氷河が解けて動物たちが暮らしにくくなっているそうです。このコンテンツは、美しい北極の自然やかわいい動物の姿をVRで体験してもらい、北極の環境保全についてより多くの人に興味を持ってもらうため公開しているのだとか。コンテンツ自体は1年前に完成しており、フィンランドだけでなく、過去にはお隣のスウェーデンや韓国、ニュージーランドでも同様の体験コーナーを設置してPR活動を行ったとのこと。
余談ですが、床の白クマのステッカーが、”ブースの写真を斜め方向から離れて撮るとちょうどよく見える”デザインになっていました。あらかじめ撮影されることを想定したデザインになっていたんですね。
このコンテンツの低画質・ショートバージョンはYoutubeでも360°動画として公開されているので、一眼タイプのモバイルVRゴーグルをお持ちの方は是非見てみて下さい。
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