どう見ても掛け軸や屏風、襖に描かれているような手描きの墨絵なのに、それがヌルヌルと動き奥行きまで表現されている…中国のインディーゲームスタジオMog Gen Studioが開発する横スクロールの謎解きアドベンチャーゲーム「子之旅最後的旅程（最後の旅）」は、手描きの墨絵ならではの幽玄美とデジタルならではの挙動を合わせ持つアート性の高いタイトルでした。まず手書きPOPが達筆です！
プレーヤーはキャラクターを操作して、マップ上に仕掛けられたギミックを解き明かして先へ進んでいきます。キャラクターも背景も全てフルカラーの墨絵ですが、川の水、滝のしぶき、風に揺れる木々や花々などがちゃんとアニメーションで表現され、時折手前に拡大されてボケた木が現れ奥行きまで感じさせる凝りっぷり。さらに特定のシーンに差し掛かると、そのシーンに合った漢詩が一行ずつ現れます。これらの墨絵や漢詩はデジタルで作成したのではなく、本物の水墨画家が描いた作品をスキャンして作ったとのことで、その枚数なんと5000枚！墨絵を描くだけで2年かかったそうです。
キャラクターは歩いたり飛び跳ねたり船に乗ったりするだけでなく垂直の崖も登れます。崖に差し掛かるとまたそれと連動した漢詩が出現。
これでもまだ完成度が30％程度とのことで、この試遊版では謎解き要素はプレイできなかったのですが、それでも墨絵や毛筆の文字によって表現される、思わずゲームの手を止めてじっくり鑑賞したくなる世界観と美しいグラフィックを堪能することができました。なお、リリースの際は日本語ローカライズも行われる予定で、漢詩にも日本語字幕が付くとのこと。配信プラットフォームはPCで、Steamにて2018年にリリース予定だそうなので続報が楽しみです。