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【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!

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8月27日(日)、私の地元の町である秋田県横手市増田町にて開催された観光イベント「蔵史(くらし)めぐり」に合わせ、スマートフォン向け位置情報ゲーム「Ingress」(iOS/Android)のミッション「蔵史めぐり2017 Memorial Mission」が行われました。

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!

「蔵史めぐり」がどんな観光イベントかを説明する前に、まず「増田町」がどんな町なのかを説明しなければならないでしょう。ここは横手市の東南に位置する町で、山の麓にある小さなクソ田舎の町なのになぜか景気が良かった…という実に不思議なところです。もともとこの町は南北朝時代〜戦国時代まで城下町としてそこそこ栄えていたのですが、江戸幕府の一国一城令によりお城が無くなった後も、養蚕、生糸生産、葉煙草栽培、酒造などの独自産業が発展し、町内に流れる川を利用した水運も盛んになり、物資の出入りや人の往来が激しい町となりました。寛永20年(1643年)に開始された朝市は今でも続いており、葉煙草と生糸の生産量は一時期秋田最大となるほど。明治になると銀行や水力発電会社が設立され、果樹(りんご)栽培が始まるなど多くの新事業が立ち上がり、さらに大正に入ってからは黒鉱の大鉱脈が発見され本格的な鉱山操業が始まるなど、町の中心部から農村部、山間部とどの地域にも”メシの種”があるビジネスの町になりました。そのため町の中心部には多種多様な商家が軒を連ね、生活必需品から嗜好品まで生活に必要なものは一通り何でも揃う商店街が形成されました。きっと当時の増田町は今で言うところの「コンパクトシティ」だったのでしょう。しかしこの繁栄も戦後のモータリゼーションあたりから急激に陰りを見せ始め、やがて郊外型の大型店舗に客を取られた田舎の寂しい商店街と化してしまうのですが、この町がラッキーだったのは商家が家の””に蔵を作っていたことです。

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※これは屋内の写真です。

普通、蔵といえば商家のステイタスシンボルでもあるので家屋とは別に屋外に建てられるものですが、横手地域は盆地のため冬は超・豪雪。いくら蔵を人に見せびらかしたくても雪害で傷んでしまっては元も子もありません。そこで増田町の商家は、蔵を保護するために上屋という”鞘”で覆う構造にした「内蔵(うちぐら)」を家の中に築き、敢えて人に見せびらかすことを捨て、家族や親類縁者だけでひっそり楽しむプライベートスペースとしました。そのおかげで豪華絢爛な内蔵は良い状態のまま現在まで保存され、商店街のある地区は2013年に「国重要伝統的建造物群保存地区」に選定。この伝建制度は外から見える「町並み」の保存が主眼とされてきましたが、建物の外観からは知ることができない、しかも今でも人が住んでいる個人宅の中にある「内蔵」という内部構造が評価されたのは非常に画期的なことでした。「蔵史めぐり」は、普段は非公開となっている内蔵も含めた全27棟の内蔵を一斉に一般公開する毎年恒例の観光イベントで、特に今年は「感謝デー」と称し、普段徴収している見学料を全て無料にする大盤振る舞いが行われました。

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
こちらは内蔵観光の目玉的存在の木造三階建家屋「旧石田理吉家」。まだ建築基準法が整備されていなかった時代に建てられた家で、現在は法的に建てるのが不可能です。

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
ただ内蔵を公開するだけでなく、各家・店舗・施設にてライブやパフォーマンス、お茶会、展覧会、ワークショップ、物販など様々な催しが行われ、ちょっとした町歩き複合イベントとなっていました。Ingressミッション「蔵史めぐり2017 Memorial Mission」もその一環で、指定のポータルを全て巡り、「YokoteいんぐれすCLUB」受付本部でクリア確認が完了したエージェントには記念品がプレゼントされました。

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
記念品は増田町×Ingressのオリジナルデザインクリアファイルと、増田町が繁栄しまくっていた時代の懐かしいモノクロ写真を使用したポストカードセット。

これと同様のイベントは昨年も行われたのですが…

【レポート】Ingressをプレイしながら秋田県横手市増田町を散策---町歩きイベント「Ingress First Saturday 横手」に参加してみた(前編)

【レポート】Ingressをプレイしながら秋田県横手市増田町を散策---町歩きイベント「Ingress First Saturday 横手」に参加してみた(後編)

昨年と今年の大きな違いは、「ポータルの数が劇的に増えていた」ことです。詳しくは上記の過去エントリをご覧頂きたいのですが、これまで町の中心部にあったポータルは、商店街の中ではなくその”周り”にあるのが大半で内蔵観光エリアとビミョーにずれていました。ところが今回Ingressを立ち上げてみたら…

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
商店街に一直線にポータルが並んでいる!

今年5月にレベル16以上のエージェントを対象にポータル審査システム「Portal Recon」が開放されたため、一気にポータル化したスポットが増えたのです。そのため、商店街をただ歩いているだけでポータルハックがはかどる事態に。

今時、地方の観光対策や地域おこしに位置ゲーを活用するのはもはや珍しいことではありませんが、増田町の内蔵を位置ゲーで盛り上げるには一つ難しい問題があります。それは内蔵が「人ん家の中」にあるということ。昔ながらの商家は店舗と住居が一体化した構造になっています。つまり内蔵を公開しているお宅は、店舗スペースで商売をやりつつ居住スペースにまで赤の他人を入れている状態なんですよね。いくら見学料を徴収していても、これは精神的にかなりキツいでしょう。そこへきてさらに内蔵をポータル化したら一体どうなってしまうのか…。つまり内蔵観光は「観光資源そのものである内蔵をポータル化できない」という問題を抱えています。

とは言え、全ての内蔵が個人宅の中にあるわけではなく、空き家になった商家を市や観光協会の施設として使用しているところもいくつかあります。それらが全てポータル化されるだけでもIngressがプレイしやすくなり町歩きも楽しくなるのは間違いなし!それが遂に実現したのです。

【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
ミッションは観光案内所「ほたる」からスタート。ここは個人医院だった家をリノベーションした施設で、隣接する座敷蔵を見ることができます。

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ここでまず伊藤園のポータルをハックして…

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すぐ近所の「日の丸醸造」もハック!

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酒蔵も蔵っちゃ蔵ですが、今は会社の社屋でここに人が住んでいるわけではないのでOK!

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前述のとおり、この町には明治時代に銀行が設立されたのですが、その場所がここ「北都銀行」の店舗(設立当時の名称は増田銀行)。記念の石碑もポータル化です。

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こちらは国の重要文化財に指定されている「旧松浦千代松家」。イベント時しか公開されておらず普段は無人の空き家なのでOK!

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あと朝市の会場のゲートもポータル化!朝市当日は買い物とポータルハックが一度にできるので便利ですね。

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【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
ここ、名前は「旧石平金物店・内蔵」となっていますが、現在はお土産や地域の特産品を販売する観光協会の物産センター「蔵の駅」になっています。金物の卸売業を営んでいた商家をほぼそのままの状態で使用している施設で、買い物ついでに内蔵の見学もできます。

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【レポート】断言しよう、秋田県横手市増田町は「Ingress」と「Pokémon GO」の町であると!
前述の木造三階建家屋「旧石田理吉家」も今は人が住んでおらず入館料を徴収して中を見せる「施設」になっているのでOK!

…と、これらのポータル群が全て商店街の一本道に並んでいます。もちろんこの他にも新たにポータル化したところや、昨年のミッションでも回った既存のポータルが周辺に点在しているので、それらを合わせて巡ればもうレベル上げ&アイテム集めがガンガンはかどります。

なお、Ingressがこうなっているということは、当然「Pokémon GO」(iOS/Android)でも…

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こうなるわけです。

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クマが出たぞー!(秋田県ではシャレにならない)

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前述の「旧松浦千代松家」はジムになってます。

駅もない、高速道路のICもない、バスもまともに走っていないクソ田舎の小さな町の商店街でこれはかなり優秀でしょう。以前も家の近所の公園がポケモンの巣になっていたというコラムを書きましたが…

【特集コラム】ポケストップ数全国最下位の秋田県で、奇跡的に近所の公園がポケモン天国だった

プレイのしやすさはこの公園と同等、もしくはそれ以上です。公園には東屋と公衆トイレ、自販機(もちろん伊藤園)くらいしかなく、山の麓の公園という立地上「熊に遭遇するかもしれないリスク」がありますが、商店街にはレストランや食堂、カフェがたくさんあるので歩き疲れたらいつでも好きな時に一休みしてちゃんと飲食できるし、いくらなんでも商店街にまで熊は降りてきません。ついでに観光もできるし。もうポータルハックとポケモンGetのついでに内蔵観光でも地元民的にはぜんぜんアリなので、Ingressエージェントとポケモントレーナーは是非秋田県横手市増田町においで下さい。

っていうか「位置ゲーついでに内蔵観光」のイベントをやったら結構集客できるんじゃないでしょうか?どうですか観光協会

 

INGRESSを一生遊ぶ!
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ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる (ShoPro books)
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