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【Slush 16レポート】Rovio、Supercellの次に来るかも?…なモバイルゲームディベロッパー・Seriouslyのブランド戦略

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現地時間の11月30日(水)〜12月1日(木)にフィンランド・ヘルシンキにて開催された欧州最大のスタートアップ・フェス「Slush 16」では、6つのステージで150以上のセッションが行われました。その中から、2日目のグリーンステージにて行われたモバイルゲームディベロッパーのSeriously代表のAndrew Stalbow氏の講演をご紹介します。


Seriouslyは、人気ゲームアプリ「Angry Birds」シリーズで知られるRovioの元エグゼクティブ・バイスプレジデントだったPetri Järvilehto氏(COO)とAndrew Stalbow氏(CEO)が2013年に立ち上げたスタートアップ。設立時よりフィンランド・ヘルシンキと米ロサンゼルスの2拠点でゲーム開発を行っています。


現在同社が提供しているモバイルゲームは、自然豊かな”ミニューシア”と呼ばれる世界を舞台に、虫と小動物のキャラクター“Fiends”たちと彼らの住処を食い荒らす黒いナメクジ軍団が対決するパズルRPG「Best Fiends(ベストフィーンズ)」(iOS/Android)と、同じ世界観のもとパズルではなく”クッキークリッカー”のようなインフレゲームで戦う「Best Fiends Forever(ベストフィーンズフォーエバー)」(iOS/Android)の2タイトルのみ。これらは日本市場ではあまり知られていませんが、「Best Fiends」は全世界累計3500万ダウンロードを突破、「Best Fiends Forever」に至っては今年10月下旬にリリースしたばかりなのに12月1日現在で5000万ダウンロードを突破する快進撃っぷりで、その勢いから海外市場では「Rovio、Supercellの次に”来る”フィンランド発のモバイルゲームディベロッパーはSeriouslyなのでは?」と期待されている企業です。同社ではこの「Best Fiends」シリーズをブランド資産として活用し始めており、昨年より各種グッズ販売も行っています(過去記事はこちら)。


先述のように「Best Fiends」と「Best Fiends Forever」は全世界規模でヒットしていますが、同社はPRのためにオフライン/オンライン共に大々的な広告を一切打たなかったそうです。その代わり「次世代ブランドは”モバイルファースト”で構築されなければならない」とし、モバイル上で簡単に閲覧できるメディア、特にYoutube動画をマーケティングの主戦場としたとのこと。Stalbow氏によれば、アメリカの子供・若者の間ではゲーム実況を行うYoutuberは「ハリウッド俳優並の大スター」だそうで、同社では複数の人気Youtuberと協力し、「Best Fiends」シリーズの動画をYoutube上で配信してもらい、そこから1クリックでアプリをダウンロードできるようにしました。加えてゲーム系メディアにニュース記事や攻略記事を書いてもらったり、App StoreとGoogle Playで”オススメのゲーム”としてトップページに掲示してもらったり、「Best Fiends Forever」のリリース前にはGoogle Play上で事前登録受付を行ったり、iOSステッカー(スタンプ)を配信したり、「Best Fiends」と「Best Fiends Forever」でお互いのアプリを宣伝し合ったり、自社のYoutubeチャンネルFacebookページTwitterアカウントInstagramアカウントSnapchatアカウントとおよそ思いつく限りのソーシャルネットワーキングサービスで情報発信を行ったり、メルマガを配信したりと、徹底してモバイル上にユーザーコミュニティを形成し、彼らに直接情報を届ける施策を行いました。


こちらが現在Youtubeで公開されている最新の広告動画。Youtubeで広告動画を配信する際は、他のモバイルゲーム会社が作らなそうな「創造的な」内容を目指したとのこと。この動画は「Best Fiendsは中毒になってマジでヤバイから絶対ダウンロードするなよ!」と医者が警告するというストーリーですが、プレイするなと呼びかけるってちょっと前に日本の某モバイルゲームもやっていたような…

これらの施策の結果、「Best Fiends」はリリースから半年で累計700万ダウンロードを突破し、「Best Fiends Forever」は先述のようにリリースからわずか1ヶ月半程度で5000万ダウンロードを突破するなど好スタートを切りました。


なお、同社は今年初めてAppleが毎年「世界エイズデー」に合わせて実施している(RED)支援キャンペーン「Games For (RED)」に参加しました。これはApp Store内がエイズ対策を支援する仕組みである(RED)にちなんだ赤を基調としたデザインに変更されると共に、App Storeで人気のゲームアプリ計20タイトルで(RED)特別仕様の限定アイテムが販売されるというもので、プレイヤーがその限定アイテムを購入すると、課金額の100%が”世界エイズ・結核・マラリア対策基金”に寄付されます。フィンランドからは既にRovioの「Angry Birds」シリーズ(今年は「Angry Birds 2」と「Angry Birds POP!」)とSupercellの「Clash of Clans」「Hay Day」「Clash Royale」が参加していますが、そうしたタイトルと肩を並べるようになったということは、名実共に「Best Fiends」と「Best Fiends Forever」がヒットタイトルの仲間入りを果たしたということなのでしょう。

ちなみに「Best Fiends」も「Best Fiends Forever」も当サイトで過去にご紹介しているので是非プレイしてみて下さい(※記事広告ではありません。勝手に私が見つけて勝手に書いただけです)。どちらも本当に面白く、特に「Best Fiends Forever」はクッキークリッカー的インフレゲームなのにちゃんとRPGとして成立しており、単調な”作業感”なく楽しめる良作なのでオススメです。

レビュー記事:
【やってみた】昆虫とナメクジの仁義なき戦い!3D演出が楽しいパズルRPG「Best Fiends」
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