もうすぐ映画「STAND BY ME ドラえもん」が公開されるせいか、ここ秋田県横手市の僻地のスーパーにさえこんなコーナーが設けられています。
ドラえもんだらけ
これは同映画とグリコのコラボレーション商品で、これらの一部では最近巷で話題のAR（拡張現実）コンテンツ「グリコぬりえ」が楽しめます。
コーナーでもちゃんと宣伝されています。チラシが歪んでるけど。
対象商品のトレイや内面が塗り絵になっており、それに色を塗って専用アプリを通して見ると、ドラえもんがひみつ道具と共に飛び出してくるというもの。ただCGが表示されるのではなくスムーズなアニメーションが再生されるのが楽しいですね。動くドラえもんがかわいい！
そんなわけで早速対象商品を購入し動く塗り絵に挑戦してみました。まず一つ目は設定どおり青を基調としたドラえもん配色でペイント。サインペンを使ったのでちょっとムラになってしまいましたが、まあそれも味ということで。
専用ARアプリ「グリコぬりえ」(iOS/Android)を起動してスマホのカメラを塗り絵にかざします。
カメラが塗り絵を認識すると3、2、1とカウントダウンが始まり…
ドラえもんキタ━(ﾟ∀ﾟ)━！しかも塗りムラがそのままテクスチャとして反映されているので本当に塗り絵が飛び出しているように感じます。まさに”未来の塗り絵”。もし藤子・F・不二雄先生が今もご存命でこれを見たとしたら、きっと作品のネタに採用したんじゃないでしょうか。
カメラを近付けるとさらにアップで見られます（近付け過ぎると認識できなくなって消えてしまうので注意）。わざと赤く塗ったほっぺも再現されていてかわいい！
このコンテンツの秀逸な点はアニメーションも見られること。この「通り抜けフープ」バージョンでは、ドラえもんがレンガの壁に穴を開けて向こう側へ行ってしまいました。穴の向こう側が切り抜かれたように見えているのも非常にリアルです。
次に「タイムマシン」バージョンも塗ってみました。ただしドラえもんではなく虎ノ門ヒルズのマスコットキャラクターの「トラのもん」として。これをカメラに認識させると…
耳がない！！縞だけあって耳がないトラのもんなんてマジで誰だこいつ状態。結局ドラえもんはどうやっても耳を失ってしまう運命なのでしょうか？しかし幸いなことに縞模様はほぼそのままテクスチャとして反映されています。ということは…
このようにもともと描かれていた目を修正テープで一旦消し、その上から新たな目を描いても反映されるのでは？
できた。トラのもんがイッちゃってる目になったwww つまりドラえもんの枠の外に描いたものは反映されませんが、枠の中は結構自由にカスタムできるというわけですね。
ここでふと閃いた！
色の塗り具合で「ザ☆ドラえもんズ」を再現できるんじゃね？
「ザ☆ドラえもんズ」………今となっては知らない人の方が多いかもしれません。一応映画DVDはまだ買えるみたいですが。
DORAEMON THE MOVIE BOX SHORT FILM【初回限定生産商品「限定版」 [DVD]
![DORAEMON THE MOVIE BOX SHORT FILM【初回限定生産商品「限定版」 [DVD]](http://images-jp.amazon.com/images/P/B0051SCWES.09.MZZZZZZZ.jpg)
「ザ☆ドラえもんズ」とは、ドラえもんのロボット養成学校時代からの親友達で、ドラ・ザ・キッド（アメリカ）、王（ワン）ドラ（中国）、ドラニコフ（ロシア）、エル・マタドーラ（スペイン）、ドラリーニョ（ブラジル）、ドラメッドIII世（サウジアラビア）といった世界各国で活躍するドラえもんと同型の猫型ロボットのチームです。もともとは3DO用ソフト「ドラえもん 友情伝説ザ・ドラえもんズ」に登場するゲームオリジナルのキャラクターでしたが、このゲーム云々の前に3DO自体がポシャって今ではほぼ無かったことになっており、その後1995年公開の短編映画「2112年 ドラえもん誕生」に一瞬だけゲスト出演したのを皮切りに本格的に大長編ドラえもん映画の併映作として展開され、それと合わせてテレビスペシャルにも登場。さらにぬいぐるみや文房具、キーホルダーなど様々なグッズも販売され、ドラえもんのスピンオフ作品として決して小さくはない知名度を獲得していました。特に擬人化同人界隈では大人気で、未だに後追いでハマる若い世代もいるくらいです。ところが2005年の声優・スタッフ一新のリブート後、まるで黒歴史であったかのように存在が消されてしまいました。現在、ドラえもんに関する公式サイト群において「ザ☆ドラえもんズ」の情報を見ることはできません。たまにテレビスペシャルで22世紀の未来が描かれても、ロボット学校や校長、ドラミ、ドラえもんの彼女が登場することはあってもザ☆ドラえもんズが出てくることはないのです。もったいない！
ちなみに私、高校生の頃にリアルタイムにこれにハマり、映画も全て観に行きグッズも買い集め、あまりにも好き過ぎてフィギュアまで作ってしまいました。映画館でしか購入できなかったグッズなんて今頃すごい高値になっているのかも。絶対売りませんが。とりあえず彼らについてもっと知りたい方はWikipediaをご覧下さい。
で、「グリコぬりえ」でザ☆ドラえもんズの再現です。まずは清王朝末期の中国で漢方医助手をしている「王ドラ」で試してみましょう。
修正テープでもとのドラえもんの不必要な線を消し、その上から新たに王ドラの服の線を描いて色を塗っていきます。彼はもともとシンプルなデザインなので描くのは簡単ですが、どうしても耳が再現できないので折れている状態としてむりやり頭に描きました。同様に帽子も後頭に描き込みます。忘れちゃいけないのがヒゲの描き足し。王ドラのヒゲは他の猫型ロボットよりも多いんですよね。
出た！王ドラが浮いて……ますが、鈴の紐と四次元ポケットもちゃんと立体的にモデリングされているため、そこのテクスチャが歪んでしまいました。でもまあ雰囲気は出ているかと思います。
ヒゲの描き足しは上手くいきました。
後ろから見ると特徴的な「緑色のしっぽ」も再現されているのが分かります。
次にブラジルのサッカー選手ロボット・ドラリーニョでやってみます。
彼は帽子をかぶっていないので頭はシンプルで済みますが、サッカーユニフォームを上下着込んでおりリストバンドや靴まで着用しているオシャレさんで、目とヒゲのデザインも特徴的です。彼にちなんでどこでもドアはブラジル国旗ペイントにしました。
どこでもドアのペイントが反転した
そうか…開いた状態のドアの表面に描いたから、それが閉まるとテクスチャも反転してしまうのか……字を書くと一目瞭然。
扉が開いた時と後ろから見た時は描いたまま正常に反映されます。
一方顔は思っていたより再現できました。目とプレート状になっているヒゲがちゃんと再現されてよかった！
それにしても、なんとなくではありますが封印されてしまったザ☆ドラえもんズをこうしてARによってフル3Dで再現できるなんて感動モノです。この「グリコぬりえ」はペイント具合でかなり遊べるようなので、皆さんもいろいろな塗り方を試してみて下さい。アプリ自体は無料だし、近所のお店に対象商品が売っていなくてもグリコのサイトから塗り絵だけダウンロードできます。
〜おまけ〜
こんにちはぼくうまえもん！！
映画『STAND BY ME ドラえもん』VISUAL STORY: 未来の国からはるばると
