今回はいよいよなめこ本体の加工に突入です。前回いくつか複製したなめこ達の中から状態の良いものを選び、まずは下地剤のサーフェイサーを一回吹いてみます。
持ち手は太さ1mmのアルミ線を適当に曲げて作りました。1つ1つ吹き付けるのは面倒なので3ついっぺんにやります。
サーフェイサーが完全に乾いて触れる状態になったら、彫刻刀やデザインナイフで顔をくっきり彫り、ピンバイスで手足の部分に穴を開け…
先程持ち手に使ったのと同じアルミ線を切って先端を丸く磨き、穴に差し込んでエポキシ接着剤で固定します。なめこの手足は非常に細いため粘土やエポキシパテなどで彫刻して作るのは強度的にちょっと不安です。しかしアルミ線は金属なのでちょっとやそっとでは折れることはなく、その一方でヤスリやサンドペーパーで削れるくらい加工が楽なうえに価格も安い!工作に少し使う程度ならダイソーなど100円ショップに売られているもので十分足ります。なお、なめこが持っているヤシの実ジュースはエポキシパテを丸めて適当に削って作りました。ヴィーナスなめこにはアクセサリーパーツをそのまま持たせています。
こちらはビーチチェアで寝ているなめこ。手足を差し込んだ段差や目視ではっきりと分かる気泡、形の歪みにはこの時点でエポキシパテを盛ってできる限り修正しておきます。というのも、このあと怒濤の表面処理が待っているからです。
サーフェイサーを吹いて全体をグレー一色にすると分かるのですが、シリコン型から無発泡ウレタン樹脂(通称:キャスト)で複製品を作った場合、どうしても気泡が混ざり運悪く彫刻の表面に出てしまうことがあります。また表面に出ていなくても削ることで見えてしまったり…。今回の場合、なめこの目と口の部分がまさにそれ。このまま仕上げてしまうと雑な印象になるしそもそもカッコ良くないため、地道に気泡を消していくほかありません。
この気泡消し作業に使用する主な材料は「ラッカーパテ」ですが…
なんと手元にあるラッカーパテがこれだけ。
なんだこれ!普通ならゴミとして捨ててるレベルだろ!……そう、ここは少子高齢化と人口減少が日本最速で進んでいる屈指のクソ田舎・秋田県。ラッカーパテを販売するようなメイカースピリッツのある模型屋は経営難で潰れてしまいました。まあ現代の子供が模型を作らなくなったというより模型を作る人間そのものが秋田県から消えているんでしょうね。
んふんふ…(マジやばいって…)
なめこさんも途方に暮れています。
ということで貴重なラッカーパテを浪費しないよう、できる限りサーフェイサーを吹いた上からサンドペーパーで磨く作業で小さめの気泡を修正し、大きめの気泡にはシンナーで溶いたラッカーパテを直接筆で塗って乾燥させ、またサンドペーパーで磨くという地道な作業を繰り返します。終わる気が全くしない…
表面処理途中のなめこたち。キャストのアイボリー色とサーフェイサーのグレイがまだらになり、形の歪みや気泡が修正されているのがなんとなく分かるでしょうか?
この地道な作業を丸2日続け…
最終的にこうなった。もう全身ツルツル!
頭もピカピカ!!
ここまで長い道のりだった…。次回からはいよいよ楽しいペイント作業です!
●使用した主な材料