いろいろな仮想空間にログインしてみた

第39回「Blue Mars」

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今回は、現在オープンβテスト中の3D仮想空間「Blue Mars」を取り上げてみたい。
この「Blue Mars」はハワイのホノルルに拠点を置くAvatar Reality社が開発中のサービスで、西暦2177年の近未来、”テラフォーミング”(人為的に惑星の環境を変化させて人が住めるようにすること)によって居住可能となった「蒼い火星」という世界観の設定がある。ドイツのCrytek社のゲームエンジン「CryEngine2」を使用しているのが特徴で、そのため従来の仮想世界よりもはるかに美しいグラフィックが発表当初より話題になっていた。

また株式会社イーフロンティアの3DCGソフト「Shade」で製作した3Dデータを持ち込んでモノづくりができ、パートナー契約(ディベロッパー登録)をすれば作品を配布・販売することもできる・・・・・・のだが、残念ながら筆者は3Dモデリングの技術が無くそもそも「Shade」も持っていないという体たらくなので、とりあえず今できることと言えば「Blue Mars」の観光のみ。
ということで、美しいグラフィックが堪能できるよういつもより大きめのスクリーンショットを多めに掲載したのでご覧頂きたい。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第39回「Blue Mars」 【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第39回「Blue Mars」
まず一番初めにログインして行うことは「アバターの制作」。ただしそのカスタム法はこれまで見たどの仮想世界とも違っていて、「用意された顔を選択してその要素を組み合わせて基本の顔を作る」というもの。別に目や眉毛、鼻、唇などのパーツごとに調整できるようになっているが、これらも元になる「基本の顔」に沿ったものになる。これがなかなか難しく、納得のいく顔になるまで何人もの顔を付け足した。この「付け足す顔」の選択を一つ間違えると取り返しのつかない顔になる可能性もあるので慎重に選ぼう。
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そしてアバターを作り終えると、最初に上記のような場所に降り立つ。ここは各空間の「ハブ」となる場所で、ここを起点に様々な空間へと移動する。

まずはじめに「SHADE CITY」へ行ってみた。
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ここはその名のとおり「SHADE」でモノづくりをしている人たちの交流スペース(残念ながらこの時は誰もいなかったが)。豊かな緑や流線的なオブジェクトの造型が美しい。因みにここを作ったのはセカンドライフで「Billibow in Secondlife」映画「REC」のプロモーションエリアなど多くのコンテンツを制作したことでお馴染みの仮想世界エージェンシー・EXP株式会社
このようにBlue Marsの世界は全てをAvatar Reality社が構築するのではなく、同社と都市開発パートナーとなったエージェンシーごとに構築される。つまりBlue Marsに参加するエージェンシーが増えれば増えるほど各企業ごとに様々な特色を持ったエリアが増えるというわけだ。これはセカンドライフのSIMと同じようなものだろう。
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次に街エリア「Beach City」に移動してみた。Avatar Reality社の所在地を反映しているのだろうか?歩道にヤシの木が生えていたりとどことなくハワイアンな雰囲気の街だ。
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尚、視点を変えて自分のアバターの顔を画面に映したところ、なぜかいつもカメラ目線になっていた(角度を変えても自動的に顔がそれを追いかける)。記念写真用にこのような設定になっているのだろうか。
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街には実際に作品を販売することを想定したデモ用のショップがあり、アイテムがどのように表示されるか見られるようになっていた。アイテムをクリックすると・・・

このように、マウスでグリグリ動かして様々な方向から見ることができる。
【集中特集:セカンドライフ以外のメタバース】第39回「Blue Mars」
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次にBlue Mars内で遊べるゲームのデモ「ROYAL ALOHA」をプレイしてみる。パートナー契約すればアバター用のアイテムと同様にこのようなゲームなどアトラクションも独自に製作することができる。開発言語は「Lua」が採用されているとのことで、Flashで動作するゲームの制作と同じようなコストで開発できるという。
この「ROYAL ALOHA」は現実のゴルフに限りなく近いゲームで、基本的なプレイ方法は「ゴルフクラブを選択する」→「打つ強さを選択する」→「打つ」のみ。普通のゴルフゲームは画面の端にホールのマップやら自分が今いる位置やらが表示されるものだがこの「ROYAL ALOHA」にはそれが無い。実際に自分の”感覚”で距離感を測って打たなければならないうえに池やバンカーもあり、物理が効いているのでちょっとした地面の傾きでボールが転がってしまう。結構難しいゴルフゲームだ。以下は実際にプレイしてみた動画↓(※注意:死ぬほど下手なので見ているとだんだんムカついてきます)

今のところ3ホールまであり、マルチプレイかシングルプレイが選べるようになっている。
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次にテラフォーミングされた”蒼い火星”の雄大な自然が堪能できる「Water fall」に移動してみた。ここではアバターは表示されず「小型飛行機」に乗って遊覧するという設定。因みにここが一番「CryEngine2」の”威力”が分かるエリアとなっており、高精細なグラフィックスを楽しみたい人にはかなりオススメのコンテンツだ。
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このようにオリンポス山(火星最大の楯状火山)の滝も水煙がパーティクルでリアルに再現されておりうっすら虹までかかっている。
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オリンポス山の頂上はこんな感じ。小川が流れている。
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また、川や海の中にそのまま入ることも可能。水の透過が美しく、上記のスクリーンショットでは分かりづらいが海にはミジンコのような微生物までいる。海に潜って魚やウミガメ、サンゴ礁を鑑賞することも可能だ。

最後に”まだ建設中”の街「New Venice」を散策してみる。ここもAvatar Reality社ではなくパートナー契約した別のディベロッパーが構築しているエリアだ。
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建設中だが一応入場することは可能("ここはまだ建設中なので、もし動けなくなったら「Esc」を押して下さい”とのこと)。その名のとおりイタリアの水の都・ヴェネツィアをイメージしたような幻想的で美しい街だ。
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とにかく景観が素晴らしく、どこでスクリーンショットを撮影しても”絵”になる。また街に流れるBGMも凝っていてお聴かせできないのが非常に残念。
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街の中には水上タクシーと思しきボートやヨットなどが停泊していたので、将来的にはこれらに乗って移動したり遊んだりできるようになるのかもしれない。また、上記の望遠鏡は実際に覗いて遠くを見ることができる。覗いた時の画面の表示は”スポットを探し当てるゲーム”のような感じになっていたが、それはまだ機能していないようだった。
尚、この「BlueMars」はマルチメディアのAPIであるDirectX の最新バージョン「DirectX 10」を使用するので推奨OSはWindows Vistaとなっている。しかし筆者が使用しているPCのOSはXPだったので今回は無理やり動かしてみた。そのためか、動画をご覧頂ければ分かると思うが若干動きが鈍く、もしかしたら細かいエフェクトも再現されていないかもしれない。
これからBlueMarsをプレイしようかと検討している人は、ぜひVistaでプレイしてみて欲しい。
Blue Mars
http://www.bluemarsonline.com/

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