「OZ」という世界のインフラ全てを支える仮想世界が劇中に登場するアニメーション映画「サマーウォーズ」が公開されている。封切りから2週間以上経った現在でも大人気で、劇場によっては事前に整理券をもらったり座席予約をしなければ見られないところもある。当サイトとしても、「仮想世界」が出てくるとあっては観ないわけにはいかず、遅ればせながら先週鑑賞してきた。
「サマーウォーズ」は、インターネット上に存在する仮想世界「OZ」で暴走したAI(人工知能)アバター「ラブマシーン」に田舎の大家族が立ち向かうという物語。監督は「時をかける少女」(2006年公開)で日本アカデミー賞や文化庁メディア芸術祭大賞など数々の賞を総なめにし、国内のみならず海外でも高い評価を受けた細田守監督。
天才的な数学の才能を持ちながらもイマイチ煮え切らず引込み思案な高校生・健二は、夏休みに友達の佐久間と一緒に仮想空間「OZ」の保守点検のバイトをしていた。そこに突然憧れの先輩・夏希が現われ、彼女の家の本家がある長野県上田市に一緒に帰省して欲しいという夢のような「バイト」を持ちかけられる。戦国武将の末裔という由緒ある本家「陣内(じんのうち)家」には、当主・栄おばあちゃんの90歳の誕生日を祝うため日本中から親戚たちが集まっていた。
その夜、健二の携帯電話に謎の「数字」が並んだメールが届き、数学好きの虫が疼いた健二はついついその難問を解いて返信してしまう。すると翌朝、何者かが健二のOZアカウントをハッキングしてシステムを滅茶苦茶にしたため、現実世界のシステムまで大混乱に。実は健二の元に届いたメールはOZのパスワードを解除するためのクイズだったのだ。そこで陣内家の人々は世界の危機を救うため個々の能力を駆使してラブマシーンに立ち向かう。
やはり仮想世界ユーザーとしては、物語の重要な舞台となる仮想世界「OZ」の設定や世界観が気になるのだが、OZのデザインからは監督の考える「理想の仮想世界」のようなものがうかがえる。これまで映画で仮想世界が描かれる場合、大抵は黒っぽい背景の上に蛍光カラーの線やら文字やらが表示されて・・・という”いかにもサイバー”な雰囲気にデザインされていた。しかし上記の動画を見れば分かるが、OZはパステルカラーを基調としたPOPでカワイイ世界観で統一されている。陣内家の人々が使用するアバターも揃いも揃って皆ゆるキャラばかりで、基本的に作中にリアルな人間のアバターは登場しない。普段利用する”社会インフラ”としての仮想世界に必要なのは「リアルなグラフィック」ではなく、老若男女誰もが気軽に利用できる、または利用したくなるような「分かりやすいUI(ユーザーインターフェイス)」と「とっつきやすいグラフィック」なのかもしれない。
また、同作品では仮想世界は既に社会インフラとして活用され、人々の生活の中に溶け込んでいる様子が描かれる。OZにはPCや携帯電話、携帯ゲーム機、テレビなど複数のデバイスからアクセス可能で、人々は買い物から公的手続き、仕事、娯楽などありとあらゆることを仮想世界を通じて行っている。画面を見る限り設定は「平成22年」らしいのだが、さすがにあと1年でここまで進化はしないだろう。だいたい5~10年先といった感じだろうか?
しかし今現在MMOや仮想世界をプレイしている人、何かしら自分のアバターを持っている人なら、「あ~これ、なんか分かる」と共感できるシーンやセリフがてんこ盛りだ。
「こんないたずらして何が面白いんだよ!ネットの中だからって何でもやっていいと思ったら大間違いだ!」
「情報を共有して力を合わせれば、止められないわけないよ」
「それ、ゲームの中のことでしょ?」
なんてセリフにはついつい反応してしまう。
セカンドライフには既に4歳児程度の知能を持つAIアバターが存在しているし、MMOでの他人のIDを使用した不正アクセス事件も後を絶たず、ワイヤレスでインターネットに接続されたペースメーカーも実用化されている。こうした現在の状況を顧みると、同作品で描かれていることは決して荒唐無稽な絵空事ではない。もちろん仮想世界云々を抜きにしても十分楽しめる映画だが、「仮想世界」や「アバター感覚」に軸足を置いて観るとまた違った面白さが味わえる作品だ。
サマーウォーズ公式サイト
http://s-wars.jp/index.html
サマーウォーズ オリジナル・サウンドトラック
サマーウォーズ完全設定資料集
サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAYS MEMORY
サマーウォーズ ケンジのアバターTシャツ ホワイト サイズ:M
天才的な数学の才能を持ちながらもイマイチ煮え切らず引込み思案な高校生・健二は、夏休みに友達の佐久間と一緒に仮想空間「OZ」の保守点検のバイトをしていた。そこに突然憧れの先輩・夏希が現われ、彼女の家の本家がある長野県上田市に一緒に帰省して欲しいという夢のような「バイト」を持ちかけられる。戦国武将の末裔という由緒ある本家「陣内(じんのうち)家」には、当主・栄おばあちゃんの90歳の誕生日を祝うため日本中から親戚たちが集まっていた。
その夜、健二の携帯電話に謎の「数字」が並んだメールが届き、数学好きの虫が疼いた健二はついついその難問を解いて返信してしまう。すると翌朝、何者かが健二のOZアカウントをハッキングしてシステムを滅茶苦茶にしたため、現実世界のシステムまで大混乱に。実は健二の元に届いたメールはOZのパスワードを解除するためのクイズだったのだ。そこで陣内家の人々は世界の危機を救うため個々の能力を駆使してラブマシーンに立ち向かう。
やはり仮想世界ユーザーとしては、物語の重要な舞台となる仮想世界「OZ」の設定や世界観が気になるのだが、OZのデザインからは監督の考える「理想の仮想世界」のようなものがうかがえる。これまで映画で仮想世界が描かれる場合、大抵は黒っぽい背景の上に蛍光カラーの線やら文字やらが表示されて・・・という”いかにもサイバー”な雰囲気にデザインされていた。しかし上記の動画を見れば分かるが、OZはパステルカラーを基調としたPOPでカワイイ世界観で統一されている。陣内家の人々が使用するアバターも揃いも揃って皆ゆるキャラばかりで、基本的に作中にリアルな人間のアバターは登場しない。普段利用する”社会インフラ”としての仮想世界に必要なのは「リアルなグラフィック」ではなく、老若男女誰もが気軽に利用できる、または利用したくなるような「分かりやすいUI(ユーザーインターフェイス)」と「とっつきやすいグラフィック」なのかもしれない。
また、同作品では仮想世界は既に社会インフラとして活用され、人々の生活の中に溶け込んでいる様子が描かれる。OZにはPCや携帯電話、携帯ゲーム機、テレビなど複数のデバイスからアクセス可能で、人々は買い物から公的手続き、仕事、娯楽などありとあらゆることを仮想世界を通じて行っている。画面を見る限り設定は「平成22年」らしいのだが、さすがにあと1年でここまで進化はしないだろう。だいたい5~10年先といった感じだろうか?
しかし今現在MMOや仮想世界をプレイしている人、何かしら自分のアバターを持っている人なら、「あ~これ、なんか分かる」と共感できるシーンやセリフがてんこ盛りだ。
「こんないたずらして何が面白いんだよ!ネットの中だからって何でもやっていいと思ったら大間違いだ!」
「情報を共有して力を合わせれば、止められないわけないよ」
「それ、ゲームの中のことでしょ?」
なんてセリフにはついつい反応してしまう。
セカンドライフには既に4歳児程度の知能を持つAIアバターが存在しているし、MMOでの他人のIDを使用した不正アクセス事件も後を絶たず、ワイヤレスでインターネットに接続されたペースメーカーも実用化されている。こうした現在の状況を顧みると、同作品で描かれていることは決して荒唐無稽な絵空事ではない。もちろん仮想世界云々を抜きにしても十分楽しめる映画だが、「仮想世界」や「アバター感覚」に軸足を置いて観るとまた違った面白さが味わえる作品だ。
サマーウォーズ公式サイト
http://s-wars.jp/index.html
サマーウォーズ オリジナル・サウンドトラック
サマーウォーズ完全設定資料集
サマーウォーズ 公式ガイドブック SUMMER DAYS MEMORY
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